避妊・去勢手術で予防できるねこちゃんの病気
避妊手術
乳腺腫瘍 |
ねこちゃんの場合、発生率は高くはありませんが、悪性の確率が80%以上と言われています。
避妊手術による予防効果はこのようになっています。
生後6カ月まで → 91%予防可能
生後12ヶ月まで → 86%予防可能
24ヶ月まで → 11%予防可能
1才以降には避妊手術による予防効果は無いといわれています。
このため、当院では生後6ヶ月頃から、遅くとも1才まででの手術をお勧めしています。 |
子宮蓄膿症 |
避妊していないねこちゃんで8才くらいから発生のみられる病気です。
子宮に膿がたまってしまう病気で、元気・食欲の低下、下痢、嘔吐、白血球数の増加などが初期症状です。
子宮内の膿の毒素が体中を回り、多臓器不全などでやがては亡くなってしまいます。
治療として子宮・卵巣を取り除く手術が必要になりますが、術前・術後の合併症で死亡する事も
ある恐い病気です。 |
卵巣腫瘍 |
乳腺腫瘍や子宮蓄膿症と比較するとまれな病気ではありますが、持続発情、骨髄毒性、皮膚病などの症状を起こします。
また、大きくなってしまうと多臓器を圧迫して様々な症状をもたらします。
腫瘍の種類によってはお腹の中のほとんどを占めるほどにも大きくなることもあります。
なってしまったら子宮・卵巣を取り除く手術が必要です。 |
|
去勢手術
精巣腫瘍 |
ねこちゃんの精巣腫瘍には間質細胞腫、精上皮腫、セルトリ細胞腫の3種類があり、良性と悪性にわかれます。
ねこちゃんの場合、発生はまれですが、なってしまったらそのほとんどは悪性と言われています。
このうち最も発生率の高いのは間質細胞腫で、会陰ヘルニアや肛門周囲腺腫の発生率が高まります。
セルトリ細胞腫は発生率は3番目ですが、最も転移率(肝臓、腎臓、肺など)が高く、雌性化、脱毛、再生不良性貧血などを起こす恐い病気です。
治療の為には去勢手術が必要ですが、場合によっては陰嚢も一緒に取り除く必要があります。
なお、潜在睾丸(睾丸がお腹の中や股の部分に留まり、陰嚢に入っていない)の子では、精巣腫瘍の発生率が高くなります。 |
|
避妊・去勢手術
猫免疫不全
ウイルス感染症
(猫エイズ) |
感染しているねこちゃんとケンカをし、咬み傷などから感染する怖いウイルス性疾患です。
感染猫との交尾や接触のみでは感染することはまれで、人間にうつることもありません。
感染初期には発熱、下痢、リンパ節の腫れなどがみられるものの、その後無症状となります。
しかし、数年以上してから免疫不全を起こし、口内炎や鼻炎、腸炎などのいろいろな病気にかかっていきます。
末期ではひどくやせ細ってしまい、貧血、悪性腫瘍、その他さまざまな病気を発症し、ほぼ100%の子が亡くなってしまいます。
去勢手術をする事により、ケンカの回数や外に行きたい気持ちを減らすことが出来る為、この病気の予防効果が期待できます。 |
猫白血病
ウイルス感染症 |
感染しているねこちゃんに咬まれたり、グルーミングや食器を一緒に使ったりする事によってうつる恐いウイルス性疾患です。
症状は元気・食欲の低下などで特徴的な症状のない子もいますが、リンパ肉腫や骨髄性白血病などをひき起こすことが多くみられます。
治療としては口内炎などに対する対症療法や抗ガン剤などがあげられますが、完治に至る有効な治療法はありません。
ワクチンによって予防することが可能ですが、去勢手術をする事により、ケンカの回数や外に行きたい気持ちを減らすことが出来る為、更に感染の危険性を減らすことが出来ます。 |
ケンカや
事故よる外傷 |
去勢手術をすることによって攻撃性を減少させ、ケンカの回数を減らすことが出来ます。
ねこちゃんのお口の中には細菌がたくさんありますので、咬まれた所がひどく膿んでしまうことが非常に多くみられます。
また、発情に絡んでの外出が減少するので、外での事故の危険性も減少します。
お外に行くねこちゃんよりも完全室内飼育のねこちゃんの方が平均寿命も長いというデーターもあります。 |
|
»「予防」避妊・去勢手術へ戻る
Home » 避妊・去勢手術で予防できるねこちゃんの病気
(現在のページ)