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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

【ちょっとしたお話】 シニア

シニア期のワンちゃん・ネコちゃんでご注意いただきたい病気の一つに甲状腺の機能異常があります。

甲状腺は様々な器官に働きかけて体を活発にするホルモンを分泌している器官で、機能異常が起こると次のような様々な症状がでてきます。

 

★ 甲状腺ホルモンが少なすぎる場合(甲状腺機能低下症) ★

ワンちゃんがなりやすいとされています。

シニア世代では「「年をとったから当然だよな」と思いがちな症状です。

・無気力、無感情な様子が以前より多くなってくる

・運動・散歩を以前より喜ばなくなる

・以前に比べて寒がりになり、暖かい所を好む

・毛が生え変わりにくい 抜けた後なかなか生えてこない

 

 

★ 甲状腺ホルモンが多すぎる場合(甲状腺機能亢進症) ★

ネコちゃんがなりやすいとされています。

シニア世代では「年の割にはいつまでも元気でいてくれてうれしい」と思いがちな症状ですが、

じつは体が強制的にフルマラソンを続けさせられているような状態である為、体の衰えをはやめてしまいます

・活動的で活発に動く (イライラしたり怒りっぽくなったりもする)

・食欲が旺盛 水を沢山飲む

・毛並がパサつく 爪が良く伸びる

 

このように、シニア世代では「あっても当然」と思わせるような症状であり、ついつい見逃しやすい病気の一つだと言えるでしょう。

この病気はホルモンの量を正常に戻すことで、より快適な日常生活を長く送ってもらうことが可能です。

もし「うちの子、もしかして・・・」と思われるようでしたら、一度ご相談くださいね。

 

 

 

記事担当:獣医師 水出

 

 

2015年 2月 25日 掲載

今回は飼い主様より手作りスロープの作り方を教えて頂きました☆

ミニチュアダックスのシェシェちゃんは、今年の10月に腰を痛めてしまい、

下半身になかなか力が入らず、歩くのも困難でした。

今は元気に走り回ることもできるようになりましたが、下半身になるべく負担をかけないようにと

手作りのスロープを作られたそうです。

それがこちらです!!

なんと学習机の椅子がスロープに変身☆

<作り方>

お子さんの使わなくなった↑のような椅子の

座るところ、足をかけるところを取り外し、背もたれを下に横に倒します。

幅に合うベニヤ板をひきます。

写真はすべり止めのみですが、今は人工芝がひかれているそうです(^^)

あとは釘で止めたら完成です!!

工作がお得意なお母様が作られたそうです☆

飼い主様の愛情が伝わる、アイディアグッズですね♪

飼い主様、シェシェちゃん「手作りスロープ」のご提供本当にありがとうございましたm(__)m

 

文責:看護士横田

2014年 12月 08日 掲載

シニア期の病気の早期発見・早期治療のためにも

定期的な健康チェックがオススメです(^^)

 

参考文献:PRESCRIPTION DIET Hill’s

「7歳は、「カラダ」と「食事」のチェックポイント」

文責:看護士 横田

2014年 11月 05日 掲載

こんにちは(*^_^*)

今日は飼い主様の優しさから生まれたグッズをご紹介します。

今回、情報を提供して下さった田中ピアノちゃんの飼い主様、本当にありがとうございました。

ピアノちゃんはヘルニア疑いの症状の為背骨が曲がってしまい、また後肢が前かがみになった状態で固まってしまっているわんちゃんでした。

そのため、前肢の肩に身体を支えるための力が入りっぱなしになりとてもひどい肩凝りをおこしていました。

また、前かがみの状態がずっと続いているため、内臓が圧迫され少し息苦しそうにしていたそうです。

その苦痛を少しでも和らげてあげたいと飼い主様が考案したのが以下で紹介するベットです!(^^)!

 

 

① 低反発のマットを使うことで心地よいフィット感が生まれ、無理のない姿勢がとりやすいというメリットがあります。

② 枕にもたれることで肩にかかる重みを軽減し、楽に体を支えることができます。

③ フィットする形に曲げることで、お尻を支える位置が自由に決められ、お腹の圧迫感を和らげることができます。

 

ピアノちゃん自身もこのベットがお気に入りのようで、機嫌が悪い時に座らせてあげると落ち着いて座っていてくれるそうです。飼い主様曰く、寝心地が良いらしく、リラックスできるみたい。とのこと(^^)

飼い主様の愛情が伝わってきますね♪

 

ピアノちゃん、これからも飼い主様の愛情にいーっぱい包まれて幸せな日々を送ってくださいね(*^^*)

 

 

文責:動物看護師 西尾

2014年 7月 07日 掲載

こんにちは、暑くなってきましたね!
今回は飼い主様から教えて頂いた寝たきりのワンちゃんのアイデアグッズをご紹介します。

前回の「アイデアグッズ!~ワンちゃんのおむつ編~」でアイデアをご提供くださったハルちゃんに
情報を頂きました。ハルちゃん、飼い主様、ありがとうございます♪

<用意するもの>

・人間用のマットレス
・テープ
・大きめのストール(風呂敷でも代用可)

◆人間用のマットレス(三つ折りのもの)のカバーを外します。
◆マットレスがずれないようにテープで固定します。

◆ストールで包んで風呂敷のように縛ります。

完成!

マットレスやストールの大きさは動物さんに合わせて、よりフィットするものを選んであげてくださいね。

これで、動物さんはもちろんのこと、飼い主様も移動の際の負担がかなり軽減されます。
体がある程度固定されているので、車での移動も安心です。このまま診察代の上に乗せることもできます。

*****

ハルちゃんはなんと!今年の9月で18歳(ヒトでいうと90歳近く)になるご長寿さんです。
一生懸命、という言葉が本当に相応しいくらい、飼い主様ともども頑張ってくださっています。
そして、そんなハルちゃんを思う飼い主様の気持ちから、心のこもったアイデアグッズが生まれるんですね!

飼い主様、ハルちゃん、アイデアのご提供本当にありがとうございました!

文責 看護士:山下

2013年 7月 24日 掲載

この病気は老齢のワンちゃんで非常に多い心臓の病気です。
特に大型犬に比べ小型犬のワンちゃんで発生します。
また、キングチャールズ・スパニエルでは3~4才の比較的若い子にも多発します。

 

心臓は常に収縮・拡張を繰り返し、体中に血液を送るポンプの役割をしています。

心臓は右心房、右心室、左心房、左心室の4つの部屋に分かれていて、各部屋を血液が正しい方向に流れて行かなければなりません。各部屋の間には”弁”があり、各部屋ごとに血液を迎え入れ、送り出すときに逆流させないために開いたり閉じたりを繰り返しています。
”僧房弁”は左心室と左心房の間にある弁の名前です。この弁がしっかりと閉じないで隙間ができてしまった状態が『僧房弁閉鎖不全症』です。

 

症状:
最初はほぼ無症状ですが、次第に疲れやすく散歩を前ほど喜ばないなどの症状が出始めます。

病気の進行に伴い血液循環が悪化し肺水腫(肺に水がたまった状態)を併発します。このころではゴホゴホという咳や呼吸困難によるチアノーゼ(舌などの粘膜色が紫色になる)もみられます。

さらに進行すると運動をするとすぐに休もうとしたり、突然倒れたりしてしまいます。

 

診断:
聴診(心臓内の血液の逆流音、弁の閉鎖音の異常) レントゲン(心肥大・肺水腫の確認) エコー(心臓内の血液の流れ、弁の状態、心肥大の確認)

 

治療:

症状を緩和するために内服薬(血管を拡張する薬や心臓の収縮力を高める薬など)を処方いたします。これらの薬は心臓のポンプの役割を助けるためのものですので、突然飲むのを止めてしまうと急速に薬でカバーしていた分の負荷がかかり、病気が悪化してしまう可能性があります。調子が良くなった場合でもしっかりと飲ませてあげて下さい。

また、咳があったり肺水腫の併発が見られる場合には利尿剤も処方します。

 


 

残念ながら一度この病気を完治させる治療法はありません。

しかし、適切に治療をしていけば病気の進行をなるべく遅らせたり、日常生活を楽に過ごせるようにすることが出来ます。

年齢が高いワンちゃんでは特にお家での様子の観察・病院での定期検診を行って、病気の早期発見・QOL(生活の質)の維持に努めましょう。

 

文章担当:獣医師 水出

2013年 6月 20日 掲載

 

皆さんは“Quality of life(クオリティ オブ ライフ)”という言葉をお聞きになられた事はありますか?

この言葉は QOLと略され、日本語に直訳すると“生活の質”“生命の質”となります。

簡単に生活の質、と言ってもあまりピンときませんが、「高齢期や病気になってもなるべく今までと同じような毎日を送る」と考えてみると良いのではないでしょうか。

 

QOLを保つためには、病気の完治を目指す事はもちろんですが、時には痛みや食欲の低下、二次的に起こる病気(感染症や床ズレなど)を予防・改善させる治療が主となる時もあります。
例えば乳腺腫瘍が自壊(内側からはじけてしまう)し、膿んだり蛆が湧いてしまった…でも手術はリスクが高すぎて出来ない…
こうした場合でも抗生物質の投与や特殊なペーストなどを使い、痛み・痒み・匂いなどをかなり改善させることが可能です。

『病気を治すことを目指す事から頭を切り替え、、最後まで病気とうまく付き合っていくことを目指す』
こうした治療はホスピスやプライマリーケア、緩和ケアという言葉の方がイメージしやすいかもしれません

 

病気の種類によっては、残念ながら完治させる事が難しかったり、不可能だったりするものもあります。そのような場合、当院では“QOLを保つ事”が特に重要であると考えて、西洋医学や東洋医学にこだわらずに診断・治療を行えるように努力しております。

 

また、ワクチンやフィラリア症の薬など、予防法の充実・徹底により、ペットの寿命も随分長くなりました。シニア世代に入った子にとっても、QOLの維持がとても重要になってくると思います。

私達が診させて頂いている動物さん達は、言葉を話す事が出来ません。その子が最も強く望んでいる事が何であるのか、一番よく理解できるのは飼い主さんなのだと思います。

数ある治療法の中からその子や飼い主さんにとって色々な角度から見てベストな治療法を一緒に探し、様々なお手伝いをさせて頂くのが私達の務めだとも考えております。

小さな事でもかまいませんので、診断・治療についてのご不安やご希望などがございましたら、お気軽にお伝え下さい。

 

 

文責:獣医師 水出

 

2013年 6月 07日 掲載

この腫瘍はワンちゃんの肛門の周囲にできる腫瘍です。

プレシニア期以上の去勢していないオスの子に多くみられます。

 

症状:

主に肛門周囲にしこりができます。初めは小さいのですが徐々に大きくなり、やがて潰瘍化したり、うんちが出にくくなったりします。

また座ったりした時には地面とこすれ、出血を繰り返します。

この際には、かなり激しく出血したり、なかなか止まりにくかったりすることもあります。

場所的に汚れやすいため、細菌感染にも注意が必要です。

 

 

この腫瘍は良性のものですが、非常に似たものには肛門周囲腺癌などの悪性のもののあります。

この判別診断には、病理検査(細胞の形を調べる)を行います。

 

治療:

基本的な治療は外科手術で取り除く事となります。

サイズの大きいものでは肛門括約筋などの組織も取らなくてはならない場合もあります。

肛門括約筋は排便のコントロールに重要な筋肉ですので、これを除去した場合には術後に排便を我慢しにくいなどの問題が生じる事もあります。

 

この腫瘍の発生には性ホルモンが関連しております。この為、同時に去勢手術も行い新たな腫瘍の発生を防止します。

 

予防:

去勢手術によりこの腫瘍の発生はかなり低くなります。

 

文章担当: 獣医師 水出

 

 

 

 

 

2013年 3月 15日 掲載


高齢のネコちゃんでかかりやすい病気の代表的なものに慢性腎不全が挙げられます。

ワンちゃんでも、もちろん慢性腎不全になることはあります。

しかし、ネコちゃんは祖先が砂漠生まれで水を少ししか飲まないことや、

肉食で多くタンパク質を取るなどの理由から、

腎臓に負担がかかり慢性腎不全になりやすいと言われています。

この為、ワンちゃんよりもさらに注意が必要となるのです。

このような特徴から、慢性腎不全は早期発見、早期治療がとても大切な病気です。

たとえどこも悪そうに感じられなくても、6歳以上になったら定期的な血液検査と尿検査をお勧め致します。

看護士 厚味

2012年 9月 06日 掲載

普段大切な家族の一員であるワンちゃんのお世話をしている時、「この子も歳をとったな~」と感じる瞬間はありませんか?

今回は日々のチェックとケアについてご紹介させて頂きます(^^)

 

【被毛の変化】

・毛づやが悪くなる
・白髪が出てくる。色が薄くなる。
・毛が抜ける。毛が少なくなる。
↓↓

<ブラッシングで血行促進を!!>
加齢によって被毛や皮膚に若々しさがなくなってくるのは自然のなりゆきです。

そんな時こそブラッシングで血行促進を!!免疫力をアップさせ、健康な体を保ちましょう。

ただし、病気から毛づやが悪くなったり毛が抜けることもあるので注意が必要です。

 

【皮膚の変化】

・皮膚の弾力がなくなる
・肉球が硬くなる。
・太っていないのに体のラインがだぼっとしてくる。
↓↓
<皮膚のしこりに注意>
ワンちゃんも年をとると皮膚が固くなったりたるんでくるため、全体的にしまりの無い体になってきます。

皮膚にしこりがある場合は腫瘍の可能性もあるので、少しでも気になることがあれば、動物病院での受診をオススメします。

 

【視力が低下する】

・薄暗い所で歩き回れなくなる。
・段差につまづく。
・物にぶつかる。

・恐がりになり、怒りっぽくなる。

・触ろうとした時など、昔より反応が遅れる。
↓↓

<気を付けたい白内障!!>
加齢によっても視力は低下してきますが、目の水晶体が濁る「白内障」になっている可能性もあります。

黒目が白く濁っていたら病院へ!!そうでなくても、視力低下の兆候があったら一度診察をオススメします。

 

【耳が遠くなる】

・音がしてもパッと反応しない。
・呼んでも応えない。
↓↓
<大声を出すのは禁止!!>
いくら聴覚が発達しているワンちゃんでも、加齢によって耳が遠くなってくるものです。とはいえ、大声を出して命令すると、ワンちゃんは叱られていると勘違いしてしまうのであくまでも優しく声をかけてあげて下さい。

 

【動きが鈍くなる】

・ゆっくり歩くようになる。
・足をかばうように歩く。
・ソファーなどに飛び乗れなくなる。
・ボール遊びなどをしても以前のように夢中にならない。

・体の決まったところを触ったり、抱き上げようとすると怒って咬もうとする。
↓↓
<ワンちゃんのペースを大切に>
加齢によって足腰が弱ってくると、行動も鈍くなってきます。無理をさせず、ワンちゃんのペースを大切にしましょう。ときに関節や骨の病気が原因ということもあるのでご注意下さい。

 

【寝てばかりいる】

・寝ている時間が長くなる。
・動こうとしない。
↓↓
<関節と骨の病気に注意!!>

加齢によって筋肉や骨、関節の機能が衰えてくると、ワンちゃんも体を動かすのが億劫になってきます。
ただ、関節や骨に異常があって動くと痛いから寝ているということもあるので普段の歩き方など注意して観察してあげて下さい(^^)

 
愛犬が7、8歳になったらちょっとした事でも獣医に相談し、年に1、2回の健康診断をオススメします。

加齢とともに免疫力や基礎体力が低下し、病気にかかると重症化するケースもあります。

リスクを下げる為にも獣医と相談した上で出来る限り、予防接種を毎年必ず受けるようにしましょう(^^)

 

 

看護士 西尾

 

2012年 8月 28日 掲載