【ちょっとしたお話】 予防・ケア
前半は歯みがきの重要性についてお伝えしました。(詳しくは一つ前の投稿をご覧ください。)
後半では、基本的な歯みがきの方法をご紹介します。
◎基本の歯みがきの仕方(頻度、タイミング、体勢)
歯みがきの習慣をつけるためには、1日1回できると理想的です。どうしても難しければ、2日間は空けて頂いても大丈夫です。
先ほどお話したように、ワンちゃんは3~5日で歯垢が歯石に変化してしまいます。歯垢が歯石になってしまうと歯みがきでは除去できないため、その前に除去できるようにしましょう。
歯みがきを行うタイミングは、できれば食後が望ましいです。ですが、絶対に食後にやらなければダメ!という決まりはありません。飼い主さんがリラックスして歯みがきをしてあげられる時間のあるときがおススメです。
歯みがきの体勢はワンちゃんが落ち着く、気に入ってる体勢ならどんなものでも構いません。ただし仰向けは心臓への負担が大きいので、心疾患がある場合は避けましょう。
◎最後に
日本では、3歳以上の成犬の約80%が歯周病もしくは歯周病予備軍といわれています。さらに小型犬に限っていえば、1歳までのワンちゃんの約90%に歯周病がみられるそうです。 歯周病はお口の中だけの病気ではなく、全身に影響を及ぼすとても怖い病気です。 愛犬が末長く健康に過ごすためには、歯の健康はかかせません。毎日のデンタルケアで愛犬の命を守りましょう!!
※当院にはより詳しくデンタルケアについてまとめた資料がございます。ご希望の飼い主様は受付までお声掛けください。
文責:清田(いぬのきもち、ねこのきもち特別編集 健康サポートより引用)
今回はワンちゃんのデンタルケアについてお話しようと思います。前半と後半に分けてお伝えします(^^)
まずは前半!歯みがきの重要性についてです!!
◎どうして歯みがきをしないといけないの?
ワンちゃんは人と違って歯石がつきやすいからです。本来、犬の歯は虫歯になりにくいと言われています。それは犬の口の中はアルカリ性なので細菌が繁殖しにくいこと、デンプンを糖に分解する酵素がないため、口の中に糖があまり存在しないことから虫歯になりにくいと言われています。
それとは逆に、人よりも歯垢が歯石になりやすい口内環境になっています。人では、歯垢が歯石になるのに数日~約25日かかりますがわんちゃんの場合は、なんと人の5倍の速さの3~5日で歯垢が歯石に変化してしまうのです。
では、ついてしまった歯石を放置しておくとどのようなことが起こるのでしょうか?
歯石を放置しておくと、歯肉炎や歯槽膿漏を起こして歯周病になってしまいます。さらに進行すると、歯周病菌が血液中に入り込み心臓や腎臓に到達し、そこで炎症を引き起こします。
歯周病菌による炎症は慢性心不全および慢性腎不全の原因の一つとなり得ると言われています。慢性心不全や慢性腎不全は、命に関わるとても怖い病気です。歯周病を放置しておくと、全身に影響してしまう可能性があることを頭に入れておきましょう。
実際に心臓疾患である僧帽弁閉鎖不全症を発症しているワンちゃんの血液から歯周病菌と同様の菌が見つかった例や、肺炎を繰り返していたワンちゃんが歯周病を治療したことで症状が改善した例、ほかにも糖尿病や貧血、腎臓や肝臓の疾患などとの関連が報告されている事例もあります。
上記の例から、歯周病はお口の中の病気だけでなく体全体に影響する病気を引き起こす怖い病気です。このような病気から愛犬を守るためにも、デンタルケアの習慣は大切だと考えられます。
歯みがきの大切さをご理解いただけましたでしょうか?後半は歯みがきの方法についてお伝えしたいと思います(*^^*)
文責:清田(いぬのきもち、ねこのきもち特別編集 健康サポートより引用)
時には命を奪うこともある「熱中症」。暑い時期はこの言葉を耳にしない日はないですよね。
夏場に起こると思われがちですが、どんな季節でも条件が揃えば起こりうる可能性が高いのが熱中症になります。
ワンちゃんの平熱は犬種や年齢にもよりますが、約37.5~39度程度です。人間よりも高いものの、40度を超えると危険な状態で42度超になると死の危険があります。
ワンちゃんはだるさや吐き気といった症状を言葉で訴えられないので、飼い主さんが少しでも早く異変に気付いてあげることが重要です。
今回は熱中症について、症状やいざというときの対処法、そして一番大切な予防法をご紹介したいと思います。
☆熱中症の要因
気温の高い場所、過度な運動などにより発症します。犬はもともと汗腺がなく汗をかかないので、ハァハァと荒い呼吸をすることで体温を下げようとします。
しかしこれは、人間にとって炎天下で小さなうちわを使ってあおぐレベル。ほとんど効果はありません。夏場のお散歩や室温管理など、十分な注意が必要です。
また、夏場に限らず、トリミング時のドライヤーの熱によって引き起こされたり、冬場、暖房の効いた部屋で過剰に興奮することで熱中症が引き起こされることもあります。
また、「多湿」の場合も注意が必要です。お散歩前は、気温だけでなく湿度もチェックしてから行くように心がけましょう。
他にも、短頭種(パグやブルドッグ、ペキニーズなど)・肥満・大型犬・心臓や呼吸器の病気があるワンちゃんなどは、さらに熱中症のリスクが高くなる傾向があります。
☆症状
【初期】 ・体が熱い ・呼吸数や心拍数が増える(速くなる) ・ゼェゼェと呼吸音が大きくいつもより荒い ・よだれが多い など
【重症化】 ・ぐったりしている ・舌や歯茎の色が青くなる(チアノーゼ) ・嘔吐や下痢 など
熱中症の症状は、体温の上がりすぎと脱水の影響で全身の細胞が障害を受け、正常に機能しなくなることであらわれます。ワンちゃんの平熱は約37.5~39度ですが、42~43度を超えるような高体温になると、多臓器不全となり命に関わることもあります。
熱中症に対しては、初期症状に早く気が付くことが大切です。言葉で訴えることができないワンちゃんの異変にいち早く気づくことが重要になってきます。
☆応急処置
熱中症とみられる症状がみられたら、病院に連れて来て頂く前にできるだけ早い対処が必要です。
まずは体を冷やすこと、もし水を飲むようであれば、水を与えることが応急処置になります。
・涼しく、換気のよい場所に移動させる
⇒屋外であれば、日陰などの風通しがよい場所。屋内であれば、エアコンがきいている部屋に移動させてください。+扇風機やうちわなどでワンちゃんの体に風を送るのも効果的です。(風を送る前に、できれば水道水で体を濡らしておくとより良いです。冷たすぎるお水は体を冷やしすぎてしまうので避けて下さい。)
・お水を飲ませる(飲まない場合は誤飲の恐れがあるため、無理に飲ませないようにしてください。 )
・保冷材や氷、水を入れた氷嚢で首・わきの下・内ももなど太い血管が通っているところを冷やす
⇒体を冷やし過ぎるのはNGです。肛門で体温を測る場合、平熱になるまで体温を下げると、その後も体温が下がり続け、体の冷えすぎが起こります。体が冷えすぎると、冷えた体を温めようと血管の収縮や「シバリング(※)」と呼ばれる体の震えが起こります。これでは逆効果になってしまうので、水や氷を使う場合は注意しましょう。(下の図をご参照ください。 )
※シバリング・・・体温が下がった時に筋肉を動かすことで熱を発生させ、体温を保とうとする生理現象のこと。
☆予防法
・飲み水をこまめにチェック
⇒脱水を防ぐことも、熱中症を引き起こさないためのポイントです。飲み水がなくなっていないかこまめにチェックしたり、お水の量を増やすなどの工夫をしましょう。
・ワンちゃんに適した温度、湿度を心がける
⇒ワンちゃんに適した環境は、室内の温度は25~28度、湿度は45〜65%だといわれています。必要に応じてエアコンや扇風機を使用し、室内の換気を行うなど、室温と湿度の調整を心がけてください。お留守番をさせるときもエアコンは必ずつけるようにしましょう。
ただし、ワンちゃんが暑がるからとエアコンの設定を低くするのは注意が必要です。冷気は、室内の下側に滞留するので、温度が低すぎると、犬が体調不良を起こす可能性もあります。
・お散歩や外出は涼しい時間帯を選ぶ
⇒朝晩の涼しい時間帯に行くようにしましょう。お散歩に行くときは、一度アスファルトを手で触ってみてください。高い気温、強い日差しだけではなく、輻射熱(ふくしゃねつ)と呼ばれる、熱くなったアスファルトから放出される熱で、低いところはより温度が高くなっています。
(下の図をご参照ください。)
ワンちゃんは靴も履かず、人よりも低い位置を歩きます。輻射熱のことも頭にいれ外出するように心がけましょう。
また熱中症の症状があらわれたときのために、飲み水・保冷剤・タオル・うちわなどを持ち歩くと安心です。
《外飼いの場合は日陰や換気を意識しましょう》
外飼いの場合、近くにいても常にワンちゃんの状態をみることはできず、体調の変化に気が付きにくくなるので、飲み水の交換を兼ねて2~3時間に一度は様子をみるようにしましょう。外飼いのワンちゃんの最善の熱中症対策は、可能であれば家の中の涼しい場所に入れてあげることです。
外飼いのワンちゃんが長い時間を過ごす犬小屋については、次のようなことに注意してみてください。
・犬小屋を日陰のある涼しい場所に移動させる
⇒お庭などに日陰がない場合は、簾やタープなどで日陰を作ったり小屋内の通気性をよくしてあげてください。
・犬小屋の周辺に打ち水をする
☆まとめ
熱中症は1年を通して起こりうる可能性があり、重症化すると命を落とす危険性もあります。予防法や応急処置を頭にいれ、いざというときに対処できるようにしておくと安心です。
また先ほどもお伝えしたように、熱中症は多臓器不全を引き起こす恐れがあるため、様子が落ち着いたようにみえても臓器がダメージを受けていて体調が急変することもあります。そのため、飼い主様で判断せず一度病院に連れてきていただくことをオススメします。
文責:清田(いぬと暮らす、ねこと暮らすより引用)
今回は猫ちゃんの寒さ対策についてお話ししたいと思います。
☆はじめに
猫はコタツで丸くなる~♪と童謡にも歌われているように、猫ちゃんは寒さに弱いイメージがありますが本当にそうなのでしょうか?
個体差はありますが、一般的に長毛種は寒さに強く、短毛種は寒さに弱いと言われています。
また、筋肉量の少ない子猫や老猫、痩せた猫、運動嫌いであまり動かない猫は寒さに敏感です。
様子をみて、それぞれにあった対策が必要となってきます。猫ちゃんがお家で快適に過ごせるように寒さ対策を万全に行っていきましょう(^^)
☆猫ちゃんが寒いときに見せるサイン
では、猫ちゃんは寒いと感じたときにどのようなサインを見せるのでしょうか?
●身体を丸める
猫は寒さを感じると身体を丸めて寝ます。これは身体の表面積を減らし、熱が逃げていくのを少しでも防ごうとする本能的な行動です。
●毛を逆立て、身体を膨らませる
猫は寒さを感じると、自分の毛を逆立て、身体を膨らませることで、被毛の隙間に空気の層(保温層)を作り出し、体温が逃げていくのを防ぎます。
おとなしくしているのに、身体中の毛が逆立っていたら、寒いと思ってあげてください。
●くしゃみをする
猫も寒いと、くしゃみをすることがあります。
単発のくしゃみであれば、温かくしてあげればおさまるでしょうが、もし猫風邪などをひいている場合は連続でしたり鼻水が伴ったりします。様子がおかしかったら受診して、しっかりと治療してあげてください。
●震える
猫は寒さを感じると身体をブルブルと振動させ、体温を上げようとする事があります。相当寒いと感じているので、早く温めてあげましょう。特に留守番時に、家の中が冷えすぎないように注意してください。
上記のような行動がみられたら、猫ちゃんが寒いと感じているサインです。一度、お部屋の温度を見直してみましょう。
☆猫ちゃんにとって快適な温度と湿度は?
猫の平熱は38~39度程度と人間よりもやや高めで、子猫はそれよりも少し高く、老猫は少し低くなっています。
猫の適温についてはいろいろな説があり、幅は広くなってしまいますが一般的に、猫が快適だと感じる温度は18~26度と言われています。
なので、人間にとっての適温とほぼ同じです。老猫の場合はそれより少し上げて、+2~3度くらいがちょうど良い温度です。
生後間もない子猫の場合は、母猫の体温と同程度の温かさを維持する必要があります。ただし子猫はあまり動き回らないので、子猫のいるスペースのみを湯たんぽなどで保温し、冷気が入らないようにパネルやダンボールで保温してあげましょう。活発に動けるようになったら、成猫と同じ環境で大丈夫です。
好きな温度にもそれぞれに好みがあり、低めが好きな猫もいれば、暖かければ暖かいほどいいという猫もいます。
わが家の猫がどのくらいの暖かさが好みか、観察してみてください(*^^*)
また、温度と同様に重要なのが湿度です。人間も空気が乾燥するとウイルスに感染しやすくなりますが、猫も同様です。50~60%の湿度をキープするように、お部屋の環境を整えておきましょう。
さらに注意が必要なのが、温度差です。飼い主さんが在宅中は適温なのに、外出中はエアコンを切るので寒い……。これでは、猫は体調を崩してしまいます。10度以上の温度差には要注意。外出中もエアコンをタイマーで作動させるなど、できるだけ温度変化を少なくしてください。
☆低温やけどに要注意!!
低温やけどとは、40~50度の、体温より少し高めの温度の物体に長い時間触れていることで起こるやけどのことです。
人間と比較すると、猫は低温やけどになりやすい傾向があります。
猫の平熱は38~39度と、人間よりもやや高くなっています。また皮膚が厚く、体毛がミッシリ生えている猫は、人間よりも熱さを感じにくくなっています。つまり、猫は人間よりも熱さに「鈍感」なのです。
熱があたりすぎないように、ストーブにはカバーやチャイルドガード等を設置したり、定期的にこたつ布団をまくり上げて冷気を入れたり、ホットカーペットの上に厚手のカバーをかけたりするなど、状況に応じて工夫してください。
暖房器具を使用する時期は、皮膚の状態のチェックを細かくしてあげてください(^O^)
☆おわりに
猫ちゃんの寒さ対策いかがだったでしょうか?
お部屋の中を快適な環境にして、飼い主さんも猫ちゃんも、寒い冬を元気に乗り切りましょう☆☆
文責:清田
(いぬと暮らす、ねこと暮らすより引用)
今年も、フィラリア予防のシーズンが始まります。
フィラリア症は、蚊から感染したフィラリアがワンちゃんネコちゃん(時にフェレットさんにも)の心臓に住み着いて悪さをする、命に関わる病気です。
いちど心臓に住み着いてしまうと、治療も難しいため、予防がとても重要になります。
ワンちゃんは毎年、フィラリアの駆虫薬を飲ませ始める前に、すでにフィラリアに感染してしまっていないかどうかの血液検査が必要です。
というのは、フィラリアの駆虫薬は、フィラリアが心臓にたどりつく前の段階のフィラリア幼虫を安全に駆虫してくれるお薬ですが、すでに心臓に住み着いたフィラリアが産みだした子虫達が血中にいる場合、駆虫によるショック反応などの副作用が起こってしまう恐れがあるからです。
必ず検査をしてから飲ませてあげて下さいね。
ネコちゃんの場合はフィラリアに対する抵抗が強く、感染してしまっても少数寄生で、血中に子虫が出ることもまれなため血液検査はいりません。
ですが、少数寄生でも重篤な呼吸器症状を起こすことがあるため、予防はしっかりしてあげることがお勧めです。
猫ちゃんの場合は、首すじに垂らすタイプのお薬があります。
ワンちゃんもネコちゃんも、予防期間としては、蚊が出始めた1ヶ月後の4月末ごろ~蚊がいなくなった1ヶ月後の11月末ごろまでとなります。
この期間、1ヶ月に1回(合計8回)駆虫薬をあげることで、ほぼ100%の予防効果が期待できます。
毎年忘れずに予防してあげて下さいね。
文責:竹内
7月も半ばになり、暑さが増してきましたね。
今日は、小さいお子さんやワンちゃんとのお散歩のときにも注意したい、夏の暑さと地面からの高さについてです。
夏は日光によって地面、特にアスファルトの温度は高温になりやすく、それに伴って地面から近い位置の温度も、下図のように地面が近いところほど暑くなります。
ちなみに、天気予報などで聞く「気温」の測り方はルールがあり、それは「直射日光に当たらない風通しの良いところで、地上1.2~1.5mの高さ(だいたい人の目線の高さ)で測定する」というものです。(上図では、気温は31℃となります。)
そのため地面に近いところを歩いている小さい子供やワンちゃんは、気温以上に熱い状態にいることになり、より注意が必要です。
また、アスファルトでの火傷にも、注意です。
夏のお散歩のときは、地面が熱くないか確かめてあげることが必要です。
またなるべく涼しい時間帯で、日陰を選んで、水分補給もしながら歩くようにしてあげましょう。
文責:竹内
暑さが厳しい夏に、愛犬の熱中症についてはかなり注意されていたという飼い主さんも多いのではないでしょうか。
過酷な暑さの夏が過ぎ、もう熱中症の心配はないだろう、、、なんて思うものです。
でも実は、冬には夏とは違った意味での熱中症のリスクが高まります。今回は冬の熱中症についてお話したいと思います。
◇冬の熱中症は室内で起こる!?
まずは、冬の熱中症の原因についてお話します。
犬の体温は人間より高めなので、「暑さ」と比べると「寒さ」には強い傾向があります。
犬たちの平均体温は、37~39度(個体差があります)と人間と比較すると高いのがわかります。
つまり、人間と犬の「暑さ」の感じ方は違うので、人間が暖かいと感じている室温が犬にとっては「暑すぎる」という状況のこともあります。
冬の熱中症は、
- ハァハァと息づかいが荒くなる
- ぐったりする
- 食欲が低下する
- 目に光がなくなり、ぼんやりする
などの症状があらわれてきます。
では、室内で熱中症にかからないためにはどうしたらいいのでしょうか?次に対策方法をお伝えします。
◇室内での熱中症を防ぐための対策
●部屋を暖めすぎない
人間と犬とでは暖かいと感じる快適温度が異なります。
犬の体の大きさ、原産地、被毛の長さ、年齢などによって「快適」と感じる室温は違うのですが、一般的には20℃前後くらいがベストと言われています。
部屋を暖めすぎないよう注意しましょう。
●直接温風をあてない
体温調節がうまくできない体質の犬は、温風に長く当たっても「暑い」と感じない鈍感さもあります。
また、直接温風に長くあたることで体が乾燥し、低温やけどの危険もあるので注意しなければなりません。
風向きを変えるなどして、ワンちゃんに直接温風が当たらないように工夫しましょう。
●涼しい避難場所を作ってあげる
先ほどお話したように、部屋をワンちゃんに快適な温度に設定していただくのも一つの方法ですが、真冬になると寒すぎて人間が風邪を引いてしまう場合もありますよね。
そこで、室温が高くてもワンちゃんが自分で居心地が良い場所に行けるように部屋のドアを少し開けておいたり、ひんやりするマットや板などを用意していただく方法もあります。
まさか冬に熱中症が起きてしまうとは、想像がつかなかった人も多いかもしれません。
暖房器具を使うときは、上記でお伝えしたことを参考にしていただければと思います。
今年の冬も寒いですが、ワンちゃんの様子を見守り熱中症にならないように気をつけましょう!!
寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?
ワンちゃん猫ちゃんたちが、最近ではこたつに入りっぱなし…なんてことも多いかと思いますが、暖房器具はときにやけどの危険をもたらします。
やけどしないように気を付けているから大丈夫、という事でも、低温やけどの危険はたくさん潜んでいます。
低温やけどの原因
低温やけどはその名の通り、やけどするとは思えないようなほんのりとした熱を持つ物に、長時間触れることで起こります。
具体的には、44度の暖房器具に3~4時間程度触れることによって低温やけどを発症します。
温度が上昇するにつれて、低温やけど発症の時間も短くなり、46度では1時間で低温やけどになる危険性があります。
ワンちゃん・猫ちゃんの体温は38度ほどで、これより温度の高い物に触れるときは、必ず低温やけどのリスクがあるということです。
低温やけどの症状
軽傷の場合は皮膚が赤くなってヒリヒリして、痛みを感じる程度のものです。
ワンちゃん・猫ちゃんの場合、毛が邪魔をして、軽度の場合は低温やけどしていることに気が付かないことが多いです。
そのため重症化しやすく、冬場は日頃から皮膚の状態をしっかりチェックする必要があります。
また、肉球も低温やけどになりやすい部分です。
しきりに肉球をなめる、触ると痛がる場合は要注意です。
ひどくなってくると水膨れや腫れ、脱毛、出血、炎症を起こした部分がじゅくじゅくするといった症状がでてきます。
低温やけどは普通のやけどより治りが悪く、痛みが長期化しやすいのが特徴です。
低温やけどの予防
低温やけどを防ぐためには、飼い主様がワンちゃん猫ちゃんを見守ることができない時には、ホットカーペットやこたつなど低温やけどの危険性がある暖房器具を使用しない、
またはタイマーをかけるなどの対策が必要です。
もしくは、タオルでくるんだ湯たんぽなどを使用するのもひとつの手段です。
ペットボトルでも代用できますので、適度な温度のお湯を入れて使用するのも良いかもしれません。
必ず厚めのバスタオルや毛布で巻くなどして使用しましょう。
低温やけどの治療法
注意していたのに低温やけどをさせてしまったら、すぐに動物病院で診察を受けましょう。
しかし、すぐに病院に行ける状況ばかりではないと思いますので、人と同様とにかく冷やす事が大切です。
①冷水・保冷剤で患部を冷やします。
やけどの場合、かなりの痛みがある可能性がありますので、咬まれないように注意してください。
痛みが強い場合はガーゼを当ててから冷やすのも有効です。
②傷になっている場合、清潔なガーゼで覆います。
患部に繊維がくっついてしまうので、脱脂綿は使わないようにしましょう。
③こすらないようにして動物病院へ行きましょう。
特に広範囲の場合、患部を冷やしたあとは、体温保持に心掛けましょう。
濡れたままで放置すると、低体温を起こす可能性がありますので注意が必要です。
あくまでも緊急時の対応です。
病院にお電話がつながる時は、連絡を取りながら対応して下さい。
ワンちゃん、猫ちゃんに痛い思いをさせないために十分な配慮をして、
快適な冬を過ごさせてあげましょう(*^^*)
文責:看護士 鳥居
歯周病は犬に多いお口のトラブルの1つです。
炎症の進み具合によって「歯肉炎」と「歯周炎」にわけられます。
「歯肉炎」 初期段階の症状で歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)に食べかすなどがたまり細菌が繁殖し始めます。
歯は黄色や茶色っぽくなり、歯肉は赤く腫れてきます。
「歯周炎」 歯肉炎が進行した状態。
歯周ポケットが深くなり、細菌はさらに繁殖します。歯肉の赤みと腫れもひどくなり、口臭が感じられるようになります。
歯周病の原因の1つは歯垢(約70%が細菌)です。
歯についた歯垢は数日間放っておくと石灰化し、歯石になります。
歯石の表面は凹凸になっており、そこに歯垢が付着することによって、細菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。
繁殖した細菌は歯肉に炎症を引き起こし歯周病に繋がるおそれがあります。
歯石は歯ブラシでは取ることができません。
歯石になる前に歯磨きをして歯垢を取り除いてあげるように心がけましょう☆
歯周病を放っておくとどうなるの?
歯周病の細菌が深部にまで感染が広がることにより、上顎だと、口から鼻の骨を溶かし、くしゃみや鼻水が出たり、鼻から出血したりします。
さらに進行すると、目の下に穴が開いて膿が出てくることもあります。
下顎の場合は、顎の骨を溶かしてしまい堅いものを食べたりして衝撃をあたえると骨折してしまうこともあります。
また、細菌が血管の中に流れ込んでしまうと全身に運ばれ、心臓や腎臓などの臓器に悪影響を及ぼし、
疾患を引き超こしてしまうことも考えられます。
〇歯周病の予防
お口の中をチェック!
口の中を見る習慣をつけることで病気の早期発見にもつながります。
歯や歯茎の色、歯垢や歯石が付いていないか定期的に確認し、デンタルケアをしてあげましょう。
いきなり歯ブラシで磨こうとすると怖がってやらせてくれなくなることもあるのでフードやおやつを使って徐々に慣れさせるところから始めてみて下さい(^^)
どうしても、歯ブラシを嫌がってしまうワンちゃんは、LIBAⅢというスプレーがおすすめです。
LIBAⅢはスプレーすることによって、歯石を溶かしていく効果があります。
こまめに歯磨きをすることで病気の予防になります。これからも愛犬の健康を守ってあげてください(*^-^*)
参考文献:PEPPY
文責:看護師 齋藤
病院でもらってきたお薬、なかなか飲めなくてタイヘーーン(*_*) ということはありませんか?
今回はそんな子達のために、投薬のちょっとした工夫のお話です。
当院ではお薬をお出しする時に、できるだけ錠剤が良いか粉薬(水薬)がよいかお聞きするようにしています。
おやつ大好き!な子は、少量のチーズやお肉でくるんでお団子にしてもらっています。
コツはお団子を3つ用意し、2番目に挙げるお団子の中にお薬をくるむことです。
(病気によってはあまり食べない方が良いものもありますので、何でくるんだら良いかはスタッフに確認してくださいね。)
粘土の様な質感の美味しいサプリメントやオヤツもありますので、それを使われるのもよいですね。
大きな錠剤が飲み込めない子は、錠剤を割るための製品「ピルカッター(錠剤カッター)」も売られています。
小さくするためだけなら良いのですが、きれいに半分に割るためには透明で刃のしっかりしたものがオススメです。
ハサミタイプのものは、お薬を落としてなくしてしまわないように注意して下さい。
錠剤、粉薬のどちらが飲ませやすいかわからないという子には、「ピルクラッシャー」の機能がついている物が良いと思います。
粉薬派のピルクラッシャー機能のみの製品もあります。
お家にある物でしたら、小さなすり鉢などでも代用できるかもしれませんね。
このようにお薬の飲み方にもいろいろな工夫があります。
困ったときはお気軽にご相談くださいね!
文責:獣医師水出