【ちょっとしたお話】 病気
今回は6月~8月の中毒性のある植物・植物の危険な部位
どんな症状が出るかをいくつかご紹介します。
<アサガオ>
<危険部位>
*種*
<症状>
下痢*嘔吐
<アジサイ>
<危険部位>
*つぼみ*
<症状>
嘔吐*麻痺*痙攣*死亡*昏睡
<ケマンソウ>
<危険部位>
<葉・茎・根>
<症状>
嘔吐*麻痺*痙攣*呼吸困難*心臓麻痺
<デージー>
<危険部位>
全草
<症状>
皮膚炎*嘔吐*掻痒*発赤*昏睡
<スズラン>
<危険部位>
全草
<症状>
嘔吐*頭痛*麻痺*心臓麻痺*血圧低下
その他・・・トマト(茎・葉)ナス(茎・葉)ブドウ(特に皮)
★植物を活けてあった水でも中毒症状が起こることがありますので、飲ませないようにしましょう。
★お散歩で上記の植物を見かけたらワンちゃん・ネコちゃんを近づけないようにしましょう。
また、草花の近くは除草剤がまかれている事があるので、食べさせないようにしましょう。
★万が一食べさせてしまった場合、また思い当たる症状がありましたら、当院までお問い合わせ下さい。
看護士:横田
バレンタインも終わってしまいましたが、今日はみなさんも聞いたことのあるチョコレート中毒についてご説明します。
ネコちゃんはチョコレートに対し嗜好性は高くないのであまり心配はいりませんが、ワンちゃんは喜んで食べる子も多いみたいなので注意が必要です。
【1】なぜ、チョコレートで中毒が起こるのでしょうか?
チョコレートの中には、犬猫にとって有害物質である「テオブロミン」という成分が入っています。
テオブロミンは、チョコレート、カカオ豆、カカオ豆の外皮、コーラ、茶に存在している物質で、特に、チョコレートやカカオ豆は含有率が高いのです。
チョコレートを大量に摂取すると、テオブロミンと言う成分が犬猫では身体から排泄されず留まり、中毒症状が起こります。
【2】チョコレート中毒の症状とは?
チョコレート(テオブロミン)中毒になった場合の症状は、嘔吐・下痢・興奮・抑うつ・不整脈・パンティング(ハーハーすること)・高体温・運動失調(フラフラすること)・ふるえ・痙攣・発作、時に死に至る昏睡等があげられています。
【3】どのくらいの量のチョコレートを食べると危ないのでしょうか?
テオブロミンのLD50(50%が死亡する量)は約100~200㎎/㎏と言われていますが、これ以下でも命にかかわる重篤な症状を現す可能性もあるそうです。
20㎎/㎏だと軽い症状がみられ、40~50㎎/㎏では重篤な症状、60㎎/㎏で痙攣がおきます。
各チョコレートのテオブロミン含量はそれぞれ以下の通りです。
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つまり、5㎏の犬がミルクチョコレート50g(製品約1枚)を食べると軽い症状が出て、100g(製品約2枚)以上食べると重篤な症状が出るという事です。
また、3kgのチワワがチョコレート効果99%を6g(製品約1/8枚)食べると症状が出て、12g(製品約1/4枚)以上食べると重篤となる可能性があるという事です。
なので、特にカカオ成分の高いチョコレートは少量でも危険です。
ちなみに、ホワイトチョコレートはテオブロミンの含量がわずかですので、普通のチョコレートと比べたら中毒は起きにくいです。
【4】もし、チョコレートを食べてしまったら?
もしチョコレートを食べてしまった場合は、すぐに吐かせる必要があります。
食べてから時間が経てば経つほど体に吸収されてしまうので、少しでも早く病院へご連絡頂き、お連れください。
その時以下の事をご確認いただけると、よりスムーズに治療をさせて頂けます。
~チョコレート中毒の疑いのある時に~
1.何時頃食べたか?
2.どの位食べたか?
3.チョコレートの種類と成分
4.どのようにして食べたのか?
(チョコレートのみ?銀紙もいっしよ?)
担当:看護士 鳥居
前回ストルバイト、シュウ酸カルシウムをご紹介させていただきました。
今回はストルバイトとシュウ酸カルシウムに関連する
お家ではなかなか難しい「採尿の仕方」とお家で簡単に作れる
「採尿グッズ」を紹介させていただきます。
★採尿の仕方★
1.小さな器をお尻の下に入れる
<使うもの>
お肉のトレー、苺のパック、大きめの缶の蓋など
<方法>
ワンちゃん、ネコちゃんがおしっこをしている時に素早くトレーをお尻の下にいれる。
※お肉のトレーはよく食器用洗剤で油を落としてから使ってください。
お散歩で必ずおっしこをしてくれるワンちゃんであれば来院の際トレーをお貸しします。
2.ペットシーツをひっくり返す
<使うもの>
いつも使っているペットシーツ
注射器またはスポイト
<方法>
普段使っているペットシーツを裏返しにしてビニールの面にする
シーツをいつものトイレにセットし、し終わったら注射器またはスポイトで吸う
ネコちゃんの場合いつものトイレに裏返しにペットシーツをひき少量のネコ砂またはおしっこを吸わないネコ砂を使用してください。
※注射器は当院にて無料でお渡ししています。
★簡単採尿グッズ★
お家で簡単に作れる採尿グッズをご紹介します。
1.ビンの蓋に割り箸をガムテープでつける
2.割り箸でコットンを挟む
当院ではウロキャッチャーを販売しております。
ご希望の方はお申し付け下さい。¥210(税込)
※ 採尿後時間がたってしまったもの、冷蔵庫に長時間保管してあったものは結晶化しやすく、濃縮してしまい、細菌が増えるため正確な尿検査ができません。
採尿をしたらすぐにご連絡いただき、お持ち下さい(*^_^*)
担当:看護士 横田
皆さんのおうちのワンちゃんや猫ちゃんはどんなお耳の子ですか?
立ち耳だったり、垂れ耳だったり、ふわふわしていたり、どの子もとっても可愛いですよね!
このお耳が急にプクっと腫れてしまう「耳血腫」という病気をご存知ですか?
これはワンちゃんで多い病気ですが、猫ちゃんでもかかる病気です。
はっきりと腫れているものの熱を持つ事は無く、少し触るとプヨプヨした感じがあります。
痛みや違和感があり、首を傾けたり、耳を気にしたりします。
なかには元気や食欲がなくなってしまう子もいます。
原因:
はっきりした原因はまだ分かっていません。
アレルギーや感染性外耳炎などで耳を痒がっている子で多く発生します。
痒みによって、耳を掻いたり振ったりしているうちに、耳介の血管が中で切れてしまい、皮膚と軟骨の間に血液の混ざった液体が溜まって膨れた状態になってしまうのです。
痒みのない子でも発症する事があり、自己免疫系の異常が原因とも考えられています。
まれに自然治癒するケースもありますが、ほとんどの場合で耳がクシャクシャに変形したままになってしまいます。
治療:
中に溜まった液を抜き、少量の薬液を注入します。場合によっては麻酔下での外科処置が必要な場合もあります。
また、耳血踵の治療と同時に、お耳の痒みに対する治療も必要となります。
緊急にご来院頂く必要はありませんが、腫れ始めてすぐの、まだ腫れが小さいうちに治療を開始した場合の方が、短期間できれいに治るケースが多いと思います。
おかしいな、と思われたらあまり日を置かずにご来院下さいね。
また、慢性的に痒みのある子は、この病気になる前に痒がらないようにしてあげましょう。
担当:獣医師 水出
前のちょっとしたお話で、代表的な尿石症の1つである
ストルバイト尿石症についてご紹介しました。
今回はそのストルバイト尿石症と並ぶほどに多いと言われている
シュウ酸カルシウム尿石症についてご紹介します。
シュウ酸カルシウム尿石症について
シュウ酸カルシウム尿石症とは、
ストルバイト尿石症の次に一般的な
膀胱結石または尿道結石です。
<原因>
高たんぱく(特に高動物性たんぱく食)
脂質の摂取量
酸性の尿、飲水量の減少、肥満
体の抵抗力の低下などが考えられます。
<症状>
血尿、頻尿(何度もトイレに行く)、
尿が少量ずつしか出ない(重症化すると尿が全く出ない)、
尿をするときに痛がっている、
元気がない、食欲がないなどの症状がみられます。
何日もそんな状態が続いていたら、命に関わるので
こんな症状が見られたら早めの受診・尿検査をお勧めします。
<治療法>
シュウ酸カルシウムは1度できてしまうと融解させることができないため、
他の尿石に比べて、手術をして尿結石を取り除く場合が多くあります。
軽症の場合は食餌でコントロールすることで悪化させないようにもできます。
水を多く飲ませるようにし、食餌をドライフードから水分を含む
ウェットタイプのものにするとより良いです。
特にビタミンB6、ビタミンE、ビタミンA
リシン(アミノ酸)が多く含まれる食事を与えるようにします。
シュウ酸カルシウム結石をコントロールするには
尿を酸性にする動物性たんぱく質、カルシウム
ナトリウムを制限した食餌に変え、
シュウ酸カルシウムを形成する原因
ビタミンD、ビタミンCの過剰摂取を避けることです。
ストルバイト結石の治療に効果的な
尿を酸性にする食餌では、シュウ酸カルシウム結石を
形成しやすくしてしまう可能性があるため
それぞれの結石症にあった食餌を与えてください。
★受診の際可能であれば尿をお持ちください。
担当:動物看護師 横田
日差しも落ち着き、過ごしやすい時期になって来ました。
お散歩で紅葉を見に行かれたりと山の中に入る機会があるかと思います。
虫や毒キノコなどはもちろん、そんなときこそ注意したいのがヘビです。
ヘビに噛まれた!というと「このまま死んでしまうのではないか…」とパニックに陥ってしまいがちですが、正しい知識を持つことでワンちゃんネコちゃん、もしくは自分自身を助ける事になります。
<毒ヘビに噛まれたとき>
身近にいて毒のある蛇はマムシ・ヤマカガシ・ハブなどです。
症状として、噛まれた部分がパンパンに腫れあがり、いつまでもじわじわと出血していることがあります。
毛をかき分けると噛まれた部分が全体的に内出血のようになっていることもあるでしょう。
動き回ってしまうと血の巡りが活発になりそれに乗って毒が速くまわってしまうので、なるべく安静にして、歩かせずに車や電車等に乗せて病院へ急ぎましょう。
応急処置として噛まれたところを切開して毒を抜く、血を口で吸い出すなどの方法が言われることがありますが、これは誤った情報です。
噛まれた箇所を広げることで傷が悪化し化膿してしまったり、刺激で毒の巡りをかえって良くしてしまうことがあります。
市販の応急処置グッズで「ポイズンリムーバー」という毒を吸い出すものがありますので、ひとつ持っていると便利かもしれません。
※ワンちゃんネコちゃんに使うときは噛まれた箇所の被毛を刈る必要があります。
<毒のないヘビに噛まれたとき>
身近にいて毒の無いヘビはアオダイショウ・シマヘビなどです。
雑菌を流すために水で洗い、消毒をします。(消毒薬は市販のものでOK)
消毒薬を舐めとらないように注意して様子をみてあげましょう。
毒のないヘビに噛まれた場合は、さほど腫れることもなく少しの間は痛がりますがその後はケロっとしていることが多いようです。
もし毒ヘビだった場合まれに噛まれてから数時間後に症状が出てくることもありますので、しっかりと様子を見てあげてください。
噛まれた傷口が炎症を起こしたり、膿んできてしまうようなら早めに受診して下さい。
- お散歩中むやみに草むらに入らない
- ヘビを見かけたとき、モノを投げたり近づいて追い払おうとしない。
- ワンちゃん、ネコちゃんをヘビに近づけない。
ワンちゃんはお散歩に夢中で気付かずに近づいてしまい噛まれてしまうことが、ネコちゃんはお外に出ていてヘビに会い、じゃれて噛まれるパターンが多いようです。
ワンちゃんにはリードのコントロールをしっかりしてあげましょう。
ネコちゃんは安全を考慮してなるべくお家の中だけでキャットタワーなどを利用して満足できるようにしてあげてください。
ヘビは基本的には獲物を捕ること、危険から身を守ること以外で、進んで噛みついてくることはありません。しらんぷりをして遠巻きにそっとそばを離れるようにしましょう。
担当:動物看護師 山下
今年の夏は雨が多いですね。まだまだ暑い日も続きそうです。
夏~秋に多い病気の一つに「皮膚病」があげられます。日本の夏は高温・多湿で細菌や真菌(カビ)が増えやすい事が原因の一つに挙げられます。
また、夏休みなどで普段行かない場所で遊ばせる機会も多く、気がつかないうちに病気の原因を拾ってきてしまうことも多いのではないでしょうか。
今回は皮膚病の中でも特にこの時期に多いものについて簡単にお伝えしたいと思います。
●ノミ、マダニ
- 山やキャンプ場など、草むらで寄生される事が考えられます。
ノミは小さく素早いので、気がつかないうちに寄生されてしまっている事も多いでしょう。また、瓜実条虫というお腹の中に寄生する寄生虫の運び屋でもあります。
マダニは血を吸って大きく膨れるので、飼い主さんがイボと思われて来院される事もあります。ガッチリ皮膚に食いつくので、無理やり除去すると跡が残ってしまう事があります。
どちらも背中に垂らすタイプの予防薬がありますので、春~秋口くらいまではしっかりとガードしてあげて下さい。
●細菌性膿皮症
- 毛穴の中に細菌が感染し、ただれてしまったりニキビの様なものが出来てしまったりします。赤みや痒みを伴いますので、気にしてなめたり掻いたりする症状が見られます。
夏に多い理由は川遊びの機会が増える事が考えられます。遊んだ後にしっかりとシャンプーして、体に着いた細菌を落としておきましょう。
この病気は抗生物質の塗り薬や飲み薬で治療します。
●急性湿性皮膚炎
- 様々な理由で起こる病気ですが、特に長毛種の子では「毛玉」の下が蒸れてしまったり、血行障害を起こしている事が原因となる事もあります。
夏場だけに限らず、こまめにブラッシングして清潔に保ちましょう。暑い時は毛を短くカットしてあげてもいいかもしれません。
この病気は抗生物質の飲み薬で治療します。
皮膚病はスキンシップやブラッシング時の観察で飼い主さんに気付いて頂ける病気です。
痒みや赤みなどの気になる症状を見つけたら、早めにご相談下さいね。
担当:獣医師 水出
私達ヒトでもそうですが、気温が上がってくるとワンちゃんもネコちゃんもよくお水を飲むようになります。これは、体が水分の不足を感知して「のどの渇き」を催す正常な反応です。
一方で、何らかの病気にかかったワンちゃん・ネコちゃんは、「多飲多尿(たいんたにょう)」という、病的にたくさんお水を飲みたがる症状を示すことがあります。
*「多飲多尿」とは??
健康な動物では、1日に体重1kg当たり50~60mlの水を飲み、20~40mlの尿を排出します。例えば、体重約10kgのワンちゃんですと、1日に500~600mlのお水を飲み、200~400mlの尿を排出する計算になります。
病的にたくさんのお水を飲みたくさんの尿が出る状態を「多飲多尿」と言いますが、具体的に病的にたくさんとは1日に体重1kg当たり100ml以上水を飲み、1日に体重1kg当たり50ml以上尿を排出している場合をいいます。
*「多飲多尿」を示す代表的な病気
- 1.腎臓病
- 腎臓の主な機能は、血液中の老廃物を体の外に排出するために尿を作ることですが、その過程で体内に必要な水分や塩分を引き戻す「再吸収」を行います。ところが腎不全になると、この再吸収がうまくできなくなり、多くの水分が尿中へと出ていってしまいます。そのため体内の水分が失われ、それを補おうとして水をよく飲むようになるのです。
- 2.糖尿病
- 糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが低下したり、何らかの原因で作用しなくなる病気です。インスリンは血液中の糖分を体内の組織に利用させ取り込ませる働きがあります。腎臓内では、尿に糖分が多く含まれるために再吸収がうまく行われず、腎臓は結果として水分の回収に失敗し「多尿」が起こり、次いで「多飲」が起こります。
- 3.副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
- 副腎皮質という臓器で作られるステロイドホルモン(グルココルチコイド)が過剰に分泌される病気です。病気になった9割の子に多飲多尿(かなり飲水量が増します。)がみられます。放置すると免疫力の低下、高血圧、血栓症、糖尿病などさまざまな病気を併発する大変な病気です。
- 4.甲状腺機能亢進症
- 特にネコちゃんで多く、甲状腺という組織から過剰にホルモンが分泌される病気です。甲状腺ホルモンは動物の活力を増したり代謝を活性化するホルモンで、多くの場合猫の活動性が増したり、元気がよいを通り過ぎて怒りっぽくなったりします。症状としては、下痢や便秘、多飲多尿がみられます。病状が進行すると心疾患や腎疾患あるいは高血圧などの症状を示すようになります。
- 5.子宮蓄膿症
- 避妊手術をしていない中~高齢のワンちゃんに多い病気です。特に発情が終わった頃に、子宮の中に細菌感染が起こり、膿が貯まります。この病気では、細菌の出す毒素が、腎臓で脳からの命令(抗利尿ホルモン)を妨げるために「多尿」が起こり、次いで「多飲」が起こります。この病気は、命に直接関わる重篤な状態であるため、一般に早期の手術が求められます。
*「多飲多尿」が心配な時は…
実際に、ワンちゃんやネコちゃんの飲水量や尿量をご自宅で正確に測定することは難しいと思いますが、以前より水をたくさん飲む、おしっこをたくさんするという印象があるかどうかが重要です。
こういった印象がある場合、何らかの病気が隠れている場合もありますので、ぜひ一度動物病院で診察を受けてみてください。
担当:動物看護師 鳥居
ストルバイト尿石症とは腎臓や尿管、膀胱、尿道などに石、あるいは石になる前の結晶や砂ができる病気です。
<原因>
陰茎・膣からの細菌感染、飲水量の減少
高たんぱく食、高マグネシウム食、高リン食
ビタミン不足、ごはんの種類、尿のPH、遺伝性
体の抵抗力の低下などが考えられます。
<症状>
血尿、頻尿(何度もトイレに行く)
尿が少量ずつしか出ない(重症化すると尿が全く出ない)
尿をするときに痛がっている
元気がない、食欲がないなどの症状がみられます。
何日もそんな状態が続いた場合、命にかかわることもあります。
こんな症状がみられたら早めの受診・尿検査をお勧めします。
<治療法>
細菌感染が原因の場合には、持続的な抗生物質の投与が不可欠です。
小さな結石・結晶は特別療法食による食餌療法で溶かすことができます。
結石を溶かすための特別療法食は、尿を酸性化するほか、カルシウム、リン、マグネシウムの量が制限してあり、塩分が多く含まれています。
これによって尿中のカルシウム、リン、マグネシウムの濃度が低下する一方、塩分により飲水量が増加して薄い尿が多くなり、その結果結石は溶ける方向に向かいます。
この特別療法食は短期間の使用目的に与えるもので、しばらくすると小さなストルバイト結石は溶けていきます。
しかし大きな結石は外科的に摘出しなければいけません。
結石を内科的、外科的に除去した後も再発を防ぐため、結石のもとになる成分の含有量を減らした維持食療法を継続します。
さらに定期的な尿検査も必要です。
☆受診の際可能であれば、尿をお持ちください。
担当:動物看護師 横田
犬・ネコなどの体内に寄生する虫です。
大きさは最大で50cmにもなり、主に小腸に寄生し栄養分を奪って成長します。
【どんな動物に寄生するの?】
イヌ・ネコ・フェレット・ヒトなど。犬には犬条虫、猫には猫条虫がそれぞれ寄生します。
【どんな症状が出るの?】
下痢(特に仔犬さん子猫さんでは多数の条虫が寄生することにより激しい下痢を起こしてしまうことがあります)
下痢にともなう栄養不良や養分を吸収されることで痩せてしまったり、毛艶が悪くなったりします。
また、急に重症化する症例ではないためはっきりとした症状がなく、見逃してしまうこともあります。
【どのように寄生するの?】
この寄生虫はノミを媒介します。
グルーミングで体を舐めた時、犬(猫)同士でじゃれあったときなどにノミが口から体内に入ってしまうことで
寄生虫が体内に入り感染するのです。
【予防の方法は?】
ノミの定期的な予防をして頂く、シャンプーを定期的にするなどです。当院ではノミ予防のスポットタイプのお薬を用意しています。
【寄生してしまったらどうしたらいいの?】
動物病院で糞便検査をし、診断します。
寄生が見られたら駆虫薬による治療をします。一般的には飲み薬を寄生虫がいなくなるまで飲んで頂くことになります。
ネコちゃんの場合ではスポットタイプのお薬で治療することもできます。
もし寄生虫による下痢がひどい場合は下痢止めのお薬を飲んで頂いたり、点滴をすることもあります。
・・・もしもこんな様子を見かけたら・・・
- 肛門周り、排泄物(糞便)に白いゴマのような粒が着いている
- お尻周りを気にしている、床にこすり付けたりする
- 原因不明の下痢をするようになった
寄生虫の検査は主に糞便検査で診断をします。出来る限り排泄物(糞便)を持参して頂くようお願いをしております。
人間にも伝染する病気です。寄生の有無に関わらず普段から以下のようなことに注意して自分自身が寄生虫に感染しないようにしましょう。
- 過度のスキンシップ(人間と同じ箸やフォークを使う・同じお皿を使う・布団で一緒に寝るなど)を避けましょう
- 動物を触った後は必ず手を洗いましょう
- 排泄物は放置せず、適切な方法ですみやかに処理しましょう
担当:動物看護士 山下