ちょっとしたお話
お家のワンちゃん猫ちゃんの鳴き方が、いつもと違うと感じたことはありませんか?
もしかしたら、それは次のような事が原因なのかもしれません。
*原因*
①発情
特にメスの猫ちゃんは、夜中に「ウァーオ、ウァーオ」というような特徴的な大きな声で鳴きます。
これは、猫ちゃんが交尾を求めて鳴く声だと言われています。
②痛み
歯周病や口内炎には、非常に強い痛みを伴う事があります。
食事中に「ギャー」という奇声を発する場合は口腔内の痛みが考えられるでしょう。
また、椎間板の病気にかかっている場合は、排便時や抱き上げた際に声をあげることがあります。
③興奮
激しく怒った時、威嚇する時に「ウー」というような、うなり声を発します。
④分離不安
主にワンちゃんでみられます。
飼い主さんが留守にしている間、飼い主さんと離れた不安からずっと鳴きつづけるというものです。
⑤認知症
意味もなくうろついて、夜通し鳴きつづけたりします。
⑥気管虚脱・軟口蓋(なんこうがい)の異常
気管虚脱は小型犬、軟口蓋の異常は短頭種のワンちゃんによくみられる病気です。
「ガーガー」とアヒルやカモが鳴くような声を発するのが特徴です。
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観察のポイントとしては、どのような状況にあるときに聞きなれない声を発するかという事です。
食事中、運動したあと、興奮した時など、どのような状況下で鳴いているか観察してみましょう。
鳴き声が病気を見分けるヒントになることもあります。
気になることがございましたら、ぜひ一度ご相談ください(*^^*)
参考文献:イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科
文責:看護士 鳥居
今日はお家でできる涙やけ対策を紹介します!!
1、涙やけとは?
涙がまぶたから溢れ出てしまう「流涙症」により、犬の目の周りの被毛が濡れて色が変わってしまう事を
涙やけと言います。この涙やけの原因となる流涙症は、被毛の色が変わって見た目が悪くなるだけでなく、
充血したり乾燥したりと目のトラブルにも繋がってしまうと言われています。
タイプ① 分泌される涙の量が多い。
原因→まつ毛や被毛が目に触れる等。
対処法→目に触れそうなまつ毛や被毛は抜く。
タイプ② 涙の排泄に問題がある。
原因→目と鼻を繋いで涙の通り道となる鼻涙管が詰まる。
対処法→麻酔下で鼻涙管が通るように洗浄する。
タイプ③ 目が涙をうまくキープできない。
原因→まぶたにあるマイボーム腺(目の表面に一定量の涙をキープするために必要な油を分泌する腺)が詰まり、涙を目の表面に保持出来なくなる。
対処法→マイボーム腺を温めて油の詰まりを解消する。
または、麻酔下でマイボーム腺の詰まりを絞り出す処置をする。
タイプ④ その他の病気。
原因→(例)眼瞼内反(まぶたが内側に反っている病気)、ドライアイなど。
対処法→原因となる病気を治す。
流涙症のタイプと原因が特定されたら、それぞれに適した治療を行います。
当院でも長年涙やけを患っていたワンちゃんがドライアイの治療のためにマコモ水の点眼を一日二回続けるようになったら治まりました!といううれしい症例をいくつも伺ったことがあります。
1つのパターンに限らず、様々な原因が重なって症状が出る場合も多いため、まずは動物病院で診察を受け、慎重に判断する事がおすすめです。
3、お家でできるデイリーケア♪
●目の周りを拭く…市販の涙やけ用ローションなどに浸したコットンで、目の周りに付いた涙や目ヤニを
拭き取ります。目安は1日1回。
●目を温める…濡らして温めたタオルで、犬の目を覆います。温める時間や頻度は自由ですが、
できるだけ頻繁に行うと効果的。
目の周りを拭き取る方法の他、温めてマイボーム腺の働きを活性化させるなど、毎日行うことで回復につながります。涙やけは仕方のないことと思っている飼い主様も多いかもしれませんが、まずはタイプや原因を探るところから始めてみて下さいo(^▽^)o
引用文献:2013年Wan9月号より
文責:動物看護師 西尾
動物達は人間と違い言葉を話せません。
しかし、ボディランゲージ(表情や行動)によっていろいろな事を伝えてくれます。
動物達のボディランゲージを“カーミングシグナル”といいます。
今回はワンちゃんのカーミングシグナルについていくつかご紹介したいと思います。
・あくび ⇒ 緊張のサイン
病院で診察室に入ってしばらくたつと、ワンちゃんがやたらとあくびを連発・・・このような経験はありませんか?
これは眠くなった、退屈しているという事ではなく、高まってきた緊張をほぐすための行動です(人間で言ったら溜息かな?)
また、相手に対して「まあまあ、ちょっと落ち着いて・・・嫌な事はやめようよ」というようなメッセージを伝えるシグナルでもあります。
あなたがイライラした時にワンちゃんのあくびが目につくようなら、ちょっと慰めてくれているのかも?
・目をそらす ⇒ 緊張 敵意が無い事を示す
「こら!こんなことしちゃだめでしょ!」と怒られているのに、プイッとそっぽを向く。
これは「悪いことしようと思ってないんだ」「ごめんなさい、そんなに怒らないで・・」というシグナルです。
反抗していたりふてくされているのではないので、怒らないで上げて下さいね。
・鼻でちょっとつついてすぐに飛び退く ⇒ 遊びに誘う
この行動をとる時、大抵のワンちゃんは楽しそうに目をキラキラさせているので、解りやすいですね。
「ねえねえ、遊ぼうよ!」「一緒に楽しい事をしようよ!」というシグナルです。
飼い主さんにこれをしてきたときは、思いっきり遊んであげて下さいね。
ドックランなどで大きな子が小さな子にすると、パワーがあり過ぎてコロコロ転がって相手をびっくりさせてしまうかもしれません。
でも決して本人には意地悪な気持ちがあるのではなく、「大好き!遊びたい!」と思っているので、どうか大目に見てあげて下さい。
ご自分のワンちゃんが嫌がる相手にしつこくしているようならやんわりとなだめて他の楽しい事に気をそらしてあげましょう。
文責:水出
「尿石症」は頻尿、血尿、排尿困難(尿が出にくい)などの症状を引き起こす病気です。
ひどい子になると完全尿閉(尿が全く出ない)となり、急いで入院や手術をする必要があります。
尿石の種類はいくつかありますが、多くの場合はストラバイト結石やシュウ酸カルシウム結石と診断され、治療後に再発を防ぐために食餌療法が必要となります。
治療・再発防止のためのご飯は結石の材料となるリンやマグネシウムなどの栄養素を制限してあります。
基本的には処方食のみを与え、確実に栄養素の制限が出来るようにしていただく事が理想です。
しかし、「どうしてもオヤツを欲しがって…」という方には、「マグネシウムが多いものは絶対に避けて下さい」とお伝えしています。
尿石症の子に与えてはいけないオヤツ
マグネシウムは 大豆製品、魚介類、海藻、木の実(これは他の理由からもワンちゃんには避けて頂きたいおやつです)に多く含まれています。
例) 海苔 ごま ワカメ きなこ 煮干し 納豆 豆腐 アサリ イクラ ほうれん草 切り干し大根
リンは 魚介類、乳製品に多く含まれています。
例) しらす 煮干し レバー チーズ 卵黄 ハム ササミ 海苔 そら豆 モロヘイヤ
!!!ポイント!!!!!
★ 上記にあげた食べ物以外でも多くの物にマグネシウムが含まれています。
あくまでも基本は処方食だけ!とお考えいただき、やむを得ず他の食べ物を与える場合はどのようなものでも少量のみを心掛けて下さい。
★ 処方食以外の物を与えることで栄養素の制限が弱まるため、悪化・再発のリスクが上がってしまいます。
処方食だけの子よりもさらに検診(尿検査)が重要になりますので、出来れば1~2か月ごとにしっかりと検査を受けてくださいね。
担当:獣医師 水出
花粉症の方には憂うつな季節ですね。花粉症の友人のマスク姿に同情しつつも、私は絶対に!花粉症にはならない!! と決めています。対策は何もしていませんが。
動物にも花粉アレルギー(と思います。)と診断することがありますが、人間のように目のかゆみや鼻水・くしゃみが出るというよりは、かゆみを伴う皮膚炎を起こすことの方が多いです。症例は、ほぼ100%犬で、猫ではまれです。
原因となる花粉はスギ花粉よりも、草むらなどに生えている雑草の花粉であることが多いので、草むらに行かないのが良いのですが、それはまず不可能です。体についた花粉を落とすという意味ではシャンプーも有効ですが、シャンプーの成分である界面活性剤は皮膚を守っている脂質(主にセラミド※下記参照 )を除去してしまうので、やりすぎると逆効果になってしまいます。
お散歩は毎日のことなので、花粉がつきにくいような服を着せたり、草むら後はぬれタオルで体を拭く、くらいが現実的な対策と思われます。
※セラミド・・・皮膚のいちばん表層の角質層の細胞間に存在する脂質で、親水基を持ち保湿に重要な物質であると考えられています。皮 膚の乾燥はアトピー性皮膚炎の悪化要因です。 セラミド配合のサプリメントを飲み始めてから、かゆみ止めのお薬を減量できたワンちゃんもいますので、ぜひお試し下さい。
獣医師 渡辺
シニア期のワンちゃん・ネコちゃんでご注意いただきたい病気の一つに甲状腺の機能異常があります。
甲状腺は様々な器官に働きかけて体を活発にするホルモンを分泌している器官で、機能異常が起こると次のような様々な症状がでてきます。
★ 甲状腺ホルモンが少なすぎる場合(甲状腺機能低下症) ★
ワンちゃんがなりやすいとされています。
シニア世代では「「年をとったから当然だよな」と思いがちな症状です。
・無気力、無感情な様子が以前より多くなってくる
・運動・散歩を以前より喜ばなくなる
・以前に比べて寒がりになり、暖かい所を好む
・毛が生え変わりにくい 抜けた後なかなか生えてこない
★ 甲状腺ホルモンが多すぎる場合(甲状腺機能亢進症) ★
ネコちゃんがなりやすいとされています。
シニア世代では「年の割にはいつまでも元気でいてくれてうれしい」と思いがちな症状ですが、
じつは体が強制的にフルマラソンを続けさせられているような状態である為、体の衰えをはやめてしまいます。
・活動的で活発に動く (イライラしたり怒りっぽくなったりもする)
・食欲が旺盛 水を沢山飲む
・毛並がパサつく 爪が良く伸びる
このように、シニア世代では「あっても当然」と思わせるような症状であり、ついつい見逃しやすい病気の一つだと言えるでしょう。
この病気はホルモンの量を正常に戻すことで、より快適な日常生活を長く送ってもらうことが可能です。
もし「うちの子、もしかして・・・」と思われるようでしたら、一度ご相談くださいね。
記事担当:獣医師 水出
皆さん、おうちのワンちゃん猫ちゃんを人間に例えると何歳かご存知ですか?
方法はいくつかありますが、簡易的に最初の1年を20歳、その後は1年ごとに4歳と計算した場合、下の図のようになります。
飼い主さんにとって8歳くらいのワンちゃん猫ちゃんは、まだまだ元気そうに見えますが、人間の年齢に換算してみると、実は50歳近くになります。
人間の場合、会社に勤めていれば、特に病気の徴候がなくとも、年に1回程度の健康診断を受ける方が多いと思います。
では、おうちのワンちゃん猫ちゃんの場合はいかがでしょうか?
上の表のように人間の年齢に当てはめてみると、1年に1回の健康診断では、4年に1回しか健康診断を受けていないことになります。
すこし少ない印象を受けませんか?
当院も加入している『ペットの健康を守る会』では、半年に1回の健康診断をお勧めしております✩
健康状態を把握する、病気を早期に発見するためにも、半年に1回の健康診断を心がけましょう(*^^*)
参考文献 ロイヤルカナン ベッツプランニュース
文責 看護士 鳥居
2015年1月、中国の陝西省にある野生動物の研究施設で飼育されているジャイアントパンダ4頭が「ジステンパー」に感染し、そのうち2頭が残念ながら亡くなってしまったというニュースが飛び込んできました。
この病気は犬ジステンパーウイルスによって感染し、発症すると死亡率が90%以上とも言われる恐ろしい病気です。
混合ワクチンの普及によって、発生率はかなり減ってきているものの、まだまだ恐ろしい病気の一つとしてあげられます。
今回はこの病気のお話をさせていただきます。
原因:犬ジステンパーウイルス
このウイルスは感染した動物のすべての分泌物・排泄物中に含まれます。
主な感染ルートは人間の風邪と同じような「飛沫感染」です。
ウイルスの排泄は通常症状回復後1~2週間と考えられます。
発生:飼い犬、野生動物(キツネ、タヌキ、フェレットなど)
※ 飼い猫は罹らないとされています。
症状:① 倦怠、食欲不振、元気消失、発熱
熱は一度下がったあとに再度上がります。この二回目の発熱の頃から症状が出始めます。
② 目やに、鼻水などの風邪症状 嘔吐、下痢 結膜炎など
③ 神経症状 ( 全身発作、“チューインガムを噛んでいるような”歯がみ 歩行障害 麻痺)
治療:残念ながら、基本的には効果的な治療法はないとされており、対症療法(その時出ている症状をおさえる治療)をしていくことになります。
死亡率は極めて高く、命が助かったとしても症状がじわじわと進行していったり、後遺症が残ったりする恐ろしい病気です。
予防:混合ワクチンを打つことで100%近く感染を防ぐことができます。
しかし、毎年一度追加接種をしていかないと生涯にわたる予防効果は得られないと考えられています。
一年に一度の追加接種を忘れず、恐ろしいウイルスから大切なペットをガードしてあげてくださいね。
今回は飼い主様より手作りスロープの作り方を教えて頂きました☆
ミニチュアダックスのシェシェちゃんは、今年の10月に腰を痛めてしまい、
下半身になかなか力が入らず、歩くのも困難でした。
今は元気に走り回ることもできるようになりましたが、下半身になるべく負担をかけないようにと
それがこちらです!!
なんと学習机の椅子がスロープに変身☆
<作り方>
お子さんの使わなくなった↑のような椅子の
座るところ、足をかけるところを取り外し、背もたれを下に横に倒します。
幅に合うベニヤ板をひきます。
写真はすべり止めのみですが、今は人工芝がひかれているそうです(^^)
あとは釘で止めたら完成です!!
工作がお得意なお母様が作られたそうです☆
飼い主様の愛情が伝わる、アイディアグッズですね♪
飼い主様、シェシェちゃん「手作りスロープ」のご提供本当にありがとうございましたm(__)m
文責:看護士横田
いつの間にか、ずいぶん寒くなってきましたね。冷え症の私にとって、冬は地獄の季節です。温泉行きたいなぁ。
皆さんもよくご存知と思いますが、冷えは万病のもとです。冷えると免疫力が低下するので感染症を発症しやすくなり、また胃腸の動きも悪くなるので消化不良や下痢を引き起こします。
動物は毛がフサフサしているので暖かそうに見えますが、平熱が人間より2度以上高いので(鳥さんはなんと平熱が40℃台です)、もしかしたら私たちより「寒いな・・・」と思っているかもしれません。
さて、動物の温め方ですが、動物は暑くなっても自分で服を脱げませんので厚着させるのはオススメしません。動物が寒いと感じたら、いつでも移動できるような暖かい場所を用意するのが一番、理想的です。室温が高いと、もし暑くなった時に苦しいので(動物は主に呼吸を使って体温調節をします)、エアコンに頼るよりもホットマットや湯たんぽの方が適しています。鳥さんやげっ歯類の皆さんは、ペット用の赤外線ライトなど専用の暖房器具が市販されていますので、それを使って下さいね。
電化製品のコードはかじられないように、くれぐれもご用心を。
獣医師 渡辺