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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

院長コラム

 日頃診察させて頂いている中で、飼い主さんからその子の病気以外のお話をお伺いする機会があります。

 お会いする度に、「いつも笑顔の素敵な飼い主さんだな~・・・・。。」と思っていたのですが、そのお話の中には、とても辛い体験談があったりして驚く事があります。

 その度に、「誰でも色んなものを抱えながら、それを一つ一つ乗り越えられて、こうして笑顔で頑張ってらっしゃるんだな~・・・。」 とその方がより素敵に見えてきたりします。
 そして、今日もそんな一日でした。

 動物を診察する仕事を通して、色々な事を教えて頂いたり、「よっしゃ~、明日も頑張ろう!!」と、飼い主さんから元気を頂いたりして・・・。
なんて有り難い仕事をさせて頂いてるんだろう・・・。
と思う今日この頃です。

2006年 5月 25日 掲載

かれこれ4年程前になりますが、宝石光線療法(テレセラピー)を自分の病院の治療法の一つとして取り入れた年に、宝石光線療法の発明者のお孫さんであり、インドで第一線で活躍なさっている医師 A.K.バッタチャリア博士の講演をお聞きしました。
その時の「医者は患者を脅しすぎている。不安を抱えて来院している患者さんの気持をあおる様な発現はすべきではない!」と言う言葉がとても印象に残りました。

確かに、まだ起きてもいない出来事をあたかも直ぐ起きるような口調で言う医師(獣医師)や、これは末期癌患者のご家族の方からお聞きしたのですが、その病気と闘っている患者さんを目の前にして「今の段階では、すべき事は何もありませんから・・・。」と医師に言われたそうで、その日からその方のお兄様はどんどん悪くなられて死期が却って早まったそうです。

バッタチャリア医師は腫瘍の患者さんが来院した時、「これは単なるデキモノだよ!」と言われるそうです。
でも実はこれには裏話があって、彼はサイキックなところがあり、患者さんを目の前にすると末期の場合、何日に亡くなるのかが、直ぐ分かるらしいのです。
なので、余計な情報を入れずに直感でその方に必要な情報だけ入れる事が出来るんですよね。それで、患者さんは安心して病気と闘ったり死を迎える事が出来るようです。(彼がこの特殊な能力を持っていると言うことは、たまたまお互いの共通の友人がいて、後になって私は彼女からその事を聞きました。)

それは置いといて・・・バッタチャリア医師の様な特殊な能力を持っていない私は、重症な動物の飼い主さんへの説明はいつも、“どうしたら落胆する事なく、その病気と闘う様に出来るか。”と言うところで迷ってしまいます。
なぜなら、私はいつも 「思うように転がる・・・。」と思うところがあるからです。
これは「必ず思い通りになる。」と言う事ではありませんよ。
でも、試験でも試合でも(そう!オリンピックしかり、今日の国別対抗野球大会もしかり・・・)、そして私達の仕事でも・・・「ダメじゃないか?」と思った時は殆どがダメな結果が出たりします。

 「殆ど気持がそっち(マイナスの方)に向かっているのにも拘らず、結果は良いほうに向かった!」と言う事はあまりないんじゃないでしょうか?
と言う事は、飼い主さんに「こうなるかも知れない!」と悪い情報をお伝えすると、そっちの方へと飼い主さんの気持が進んで行って、却って動物もその気持を読み取って、病気の進行が早まったりしないか?!と言う不安が出てきます。それが果たして本当に飼い主さんや動物にとって良い事なのだろうか?と思う訳なんですよね・・・。

でも、たとえ悪い事でも、「こうなるかもしれない・・。」と言う情報をお伝えするのも私達獣医の仕事の一つでもあります。
特に死期が近いと思われる子や重症の子は飼い主さんのお気持を考えると本当はお伝えしたくないのですが、でも敢えてお伝えしなくてはならないとも思います。
ですのでそういう時はいつも、「難しいな~・・・。」と思ってしまいます。

それで最近は、予想されうる悪い事態を一旦飼い主さんにお伝えしてから、「今の病気でこうなる可能性はあります。でも、現実を受け止めつつ、今現在がそうなってる訳じゃないので、悪い事ばかりを考えるとそっちの方に転がって行く事ってありますよね。なのであまり意識しすぎずに一緒に頑張って行きましょう!」とお伝えする事にしています。

久々のコラムでしたが、何だか、また長くてくどくなってしまいました・・・。(反省)
最後までお読み下さいましてありがとうございました。次はもっと短くて読み易いコラムを書こうと思います。

春、、、春ですね~・・・。
お隣の畑に植えられている梅の花を愛犬(ムサシ)の散歩で毎日眺めては、ふと、心を和まさせて頂いています(^^)V。

2006年 3月 21日 掲載

最近「師走のせい」ばかりではなく、日本中が慌しく、私などもいつも何かに追われてせっつかれているような思いで毎日生活しているところがあります。

それはきっと、飼い主さんたちも同じことだと思います。
当院に来院される方の多くは女性であり、仕事、家事、子育てなどの合間に来てくださいます。
そして少数の男性は御自分の仕事が終わり次第、急いで車を走らせて来てくださいます。
その様にお忙しい中で、来院してくださる飼い主さんには本当に頭が下がる思いで診察させていただいています。

先日、ある壮年の男性(Hさんと呼ばせて頂きます。)に「お忙しいところ大変でしょうが、また、いついつに点滴に来ていただけますか?」
とお伝えしたところ、「いいえ、大変は大変ですが、大切な子ですから・・・。私たちはこの子達にいつも癒されているんです。なので、この子達にその恩返しのつもりで、出来る限りのことをしたいんです。」と仰いました。
その方は三月から当院に来て下さっているのですが、15年以上前から猫ちゃんをずっと飼ってらして、多いときには6匹、現在は2匹飼っていらっしゃいます。

今までの猫ちゃん達との暮らしの中で、この一年ちょっとのうちに、2匹腎不全の末期(高齢の猫の死亡率のトップだと思われます。)で亡くされて、とても悲しい御経験をされていました。
それで、今診せていただいている子は、16才の雌猫なのですが、6月のある日、「前の猫達の様に、手遅れにならないうちに、血液検査をして欲しい。」と、無症状の時に突然来院されました。
その時に、慢性腎不全の中期(Ⅰ期~Ⅳ期のうちのⅡ期)である事がわかり、飲み薬とともに週2~3回点滴する為に通院して頂いて、今、その子は症状の発現もなく、良い状態でいてくれています。

その事をきっかけにして、今行っている「年に一回(4~7月)の犬の血液検査」だけではなく、「猫も6才を過ぎたら半年~一年に1回の血液検査を飼い主さんに推奨しよう!」という事になりました。

私たちの病院では、「その子に一番良いと思われる事をさせて頂こう!」というのが、一つのスローガンでありますが、やはり、人間の様に保険制度が徹底している訳ではない為、なるべく不要な検査をしない様に気をつけているつもりでも、どうしても検査をしなくてはならない場面が出てくる事があります。
その度に、飼い主さんとは、お話をさせて頂いておりますが、それでも治療させて頂く私たち獣医と飼い主さんとの間に多少のずれが生じる事が、たまにあります。

3年前から推奨しております「猫のフィラリア症予防」にしても、そして今回の高齢猫の血液検査にしても、“過剰診療ではないか?”と思われるのが、正直少し怖いところもありましたが、今回のHさんの一件で、大切になさっている動物達に良いと思われることは、それが検査であっても、やはり自信を持ってお勧めするべきだと確信する事が出来ました。

この様に、また立ち止まって原点に帰るきっかけを下さった Hさんにとても感謝しています。

2005年 12月 21日 掲載