東洋医学よもやま話
歳をとった動物や、若くても身体に弱さを持つ子は、身体を温める「腎兪;じんゆ」にお灸をしても、手足の先だけどうしても冷たい子っていますよね!?
それは血の巡りが悪い(循環障害)証拠であり、それを「瘀血症;おけつしょう」と言います。「瘀血症」はいろいろな病気の原因になります。
また観点を変えれば、動物も人も大事な内臓を守る為、内臓を冷やさないようにお腹に血が集まるので、手足の先が冷たくなるとも言えるんですね。
ところで、少し話は飛びますが、「陰陽論;いんようろん」という言葉、お聞きになった事ありますか?!
これは、あらゆる物を「陰」と「陽」に分けて考える方法です。
例えば、
⦿「陽」は温かい。熱い。「陰」は冷たい。寒い。
⦿「陽」は明るい。「陰」は暗い・・
というふうにいろんなものを真逆に二つに分けて考えます。
そしてこの「陰陽論」を基にして、病気の診断や治療を行うんですね。(むふふ・・。「中医学」の考え方って変わってますでしょう~!?
私自身最初は「は~?!」って思いましたが、学べば学ぶほどみんな理論に沿ってるな~って事が分りました。西洋医学にはない面白さがあると思うんですよね。)
「陰陽論」で言うと、身体の冷えは「陰」。身体が温かい(または熱)状態は「陽」になります。
加齢の子や病気の前段階の子、そして今日のように寒さの影響を受ける事によって「瘀血症;おけつしょう(循環障害)」になっている子は、身体が冷たい事が多く、「陰」が多い状態だと言えます。
なのでバランスを取る為に「陽」を増やさなければなりません。
その為にお勧めなのが、「腎兪;じんゆ」や「関元;かんげん」にお灸をする事です。(動物さんには棒灸でお灸をしてもらっています。)
これらのツボは、身体を温めて「陽」を増やします。
お待たせしました❗️
やっとここで本題に入れます。
先ほどお伝えした通り、「瘀血症」が酷くてお灸をしても手足の先の冷たい子には、どうしたら良いかというと、「腎兪」または「関元」にお灸をする前か後に「百会:ひゃくえ」というツボにお灸する事です。
※「百会」のツボは『回陽作用;かいようさよう』と言って、「陽をからだ中に回す作用」を持っています。
※「百会」のお灸は、「酷い身体の冷え」以外にも「痔(脱肛)」や「認知症」の子にも有効です。
精神鎮静作用があるんですね。
※「百会」のツボは、頭頂部にあります。手足の先の冷たい子や上の様な症状の子には、是非お試し下さいね~(*^^*)。
◇◇◇
※今回の「よもやま話」もリリー動物病院 東洋医学クリニック(名古屋)の LINEに掲載したものです。
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こんにちは
実は私、11月19日・20日と札幌に行って参りました。
20年来お付き合いをさせて頂いている尊敬する堀田忠弘先生(京都の内科医)のセミナーがあったからです。
堀田先生は、癌や一般の西洋医学では治り難い病気の原因を追究しながら、患者さんを治癒に導いていかれる医師です。
そこで、目から鱗‼️の話がいくつかありましたが、その中でも意外と知られていないのが、カビの怖さだと思いました。
堀田先生は『カビは最大の盲点』だと仰ってました。
「カビは、癌がおおきくなる最大の要因であり、カビを抑える事によって癌の増殖も抑えられる。」と仰ってました。カビ毒(アフラトキシン)は、最も強力な発癌性物質の一つだそうです。(その他、カンジダ、アスペルギルスも良くないとのこと。)
癌以外では、カビによって喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー、ニキビの湿疹、関節痛、頭痛、倦怠感、免疫力の低下にもなるそうです。
癌以外でも先ほどの病気の時に、原因がなかなか分からない時は、カビを疑ってみる必要があるとの事でした。
- 風呂場、台所(換気扇の下)、洗面所、寝室は徹底的に掃除・・風呂場は、10日に一回5%重曹を噴霧して、洗い流すことが大事だとの事でした。
- 加湿器のカビ
- よく使う調味料に注意(醤油など)
- 浄水器(塩素を除去するのでカビが発生し易い)、電気ポット、水を貯める容器
- ナッツ類、ドライフルーツ、お茶、紅茶、コーヒーなど。(これら嗜好品は動物よりも人の話になりますね。ナッツ類はカビが多いのでお勧めではないが、食べたとしても週に一回程度にしてほしい。とのことでした。)
以上の事から本来気をつけなくてはならないのは、風呂場、台所、加湿器の置いてある部屋ですが、それ以外でカビがあるのが、部屋の中の花や木の「土」だそうです。
そのカビを叩く為には、「EM菌」というものを直接土にスプレーするとカビが叩けるそうなんです。近くに売っているお店がなければ、ネットで購入されるのも良いかもですね。
癌のみならず、いろんな病気の要因になるカビ。
完全な除去は出来ないにしても、動物も皆さんも元気でいる為にできる事をしたいですね〜(o^^o)。
◇◇◇
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こんにちは(o^^o)
ここ3日ほど寒い日が続いてますね!
今日診せて頂いたお膝の脱臼(膝蓋骨脱臼)の子は「元気はあるんだけど、寒くなってきてお膝をよく舐めるようになった。」という事だったので、診察台に乗せて頂いて後ろ足を軽く触ったところ、右足のお膝(膝蓋骨)がグルングルンと何度も外れていました。
鍼灸の治療は、脉診(みゃくしん)と言って、その子の状態を脈を診ながら判断して治療していきます。
その子は右のお膝が悪化していたので、右の脈がかなり弱かったです。
でも右足が悪い時悪い方の足を庇うので、健康な足に負担が掛かり、脈の強さが逆転する場合もあります。
この子は、ここ数日の寒さで膝蓋骨脱臼が悪化してしまったんですね。 膝に違和感を感じていたので、よく舐めていたんだと思います。
膝蓋骨脱臼に拘わらず、関節や骨の病気の子にご自宅でお灸(棒灸)して頂く時は、先ずは「腎兪」にお灸して頂きます。(五行論で言うと骨は腎と繋がっているからです。)
その後で両方のお膝にお灸して頂いています。
この子の飼い主さんはとてもワンコちゃん達を大事にされているので、この子と妹の同居犬二頭にほぼ毎日お灸されています。
ですが、この寒さのせいで、ちょっと悪化してしまったようですね・・。
とは言え、飼い主さんのお話では、お灸をするようになってから、動きも良くなったしお散歩もこんなに寒くても元気でたくさん歩くようになったとのことでした。やはりお灸の力はスゴイです!!
(うららちゃんお写真のご協力ありがとうございました╰(*´︶`*)╯♡)
◇◇◇
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こんばんは、12月に入って寒い日が続き、膝蓋骨脱臼や椎間板ヘルニアなどの関節の病気が悪化している子がいます。内臓疾患では、「冷え」による下痢も結構ありますね~・・。
先日お伝えした通り、多くの場合、体から出る排泄物で、色の薄いものは「寒証;かんしょう(冷え)」であり、色の濃いものは「熱証;ねっしょう(身体に熱を持っている)」だと言えます。
薄い黄土色の下痢便をした場合、冷えによる下痢が考えられます。そういう時は、お家にお灸(棒灸と棒灸ストッパー)があれば、「関元;かんげん、(いわゆる下腹。人でいう丹田)」にお灸、もしくは背中側の「腎兪;じんゆ」というツボにお灸をしてあげると、それだけで治る場合が結構あります。(どちらのツボも体を温めます。)
また、来院されるワンちゃん、猫ちゃんで、冷えによる下痢を繰り返す子には、あらかじめ「人参湯;にんじんとう」という漢方薬をお渡ししておいて、冷えによる下痢になった時に2~3包飲ませて頂くだけで、下痢便が治ります。人参湯は身体を温める漢方薬なんですね~。
体を温める漢方薬がない場合は、一にも二にもお灸です。
お灸は一見地味な治療法ですが、結構いろんな病気の治療や予防になります。
これから寒さも増すようなので、是非お試し下さいね~(*^_^*)!!
こんにちは! 師走に入って、少し冬らしくなりましたね。
以下の文章もLINEに掲載した物です。動物さん達の健康状態の把握のために参考にして頂けたら嬉しいです。
『身体から出る排泄物の状態で、今の状態が分かる‼️』
身体から出る物(吐物、鼻水、尿、便、おりものなど)は、一般的に、薄い色のものは、「寒証(かんしょう、冷え)」であり、色が濃くて濁っているものは、「熱傷(ねっしょう、身体に熱を持っている)」だと言えます。
例えば、透明な鼻水をよく出す子は冷え性が多いですし、下痢をした時、黄土色の薄い便であれば、冷えから来ることが多いので、腎兪、大腸兪、関元などを棒灸で温めて下さい。その際しつこい下痢なら糞便検査もお忘れなく!
※ また、棒灸中に出る鼻水やあくびは、血の巡り、気の巡りが良くなった証拠です。
因みに、「寒証」と「熱証」のうち、前者はサラッとしていて、後者はねっちりしています。
かく言う私も、先日20年ぶりに高熱を出して、いつも透明な鼻水しか出ないのに、黄色い鼻水がいっぱい出ました。
なので、色の薄いおしっこをする子は、「寒証」の可能性大です。
ですが、ここで気をつけて頂きたい事があります。
以下の病気の時などは、薄いおしっこをたくさんします。(多飲多尿の症状を示します。)
※ 糖尿病、クッシング症候群などのホルモンの病気、腎臓病と肝臓病(腎臓病も肝臓病も血液検査に反映する前の段階でもよく見ると少しずつ症状が出ています。)
薄いおしっこをたくさんする時は、冷えのみならず病気の事もあるので、症状が気になる時は、24時間のお水を飲む量を測って、それを主治医の先生に伝えて、必要な検査があったらなるべく早めにして下さいね。
⭐︎ 寒証と熱証の見分け方は、おしっこなどの色のみならず、舌の色でも見分けられます。
前者は下の色が薄く、後者は濃い赤の傾向にあります。
血の巡りの悪い子は、「お血」と言って、いろんな病気の前段階またはいろんな病気になっている状態です。
そう言う子の舌は、黒っぽくなっています。こう言う子にはお灸が1番です。
よもやま話なので、その時々で思いついたことを書いてますが、追々、お灸のお話もさせていただきますね!
今日も動物さんにとっても皆さんにとっても良い1日でありますように〜(o^^o)!
12月2日頃から急に寒くなりましたね~・・。
この寒さは「寒邪」と言って、骨の病気を持っている子(椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼、股関節形成不全など)の子の痛みが出ることがあります。
当院に来てくれているTちゃんもその一頭。
ヘルニアと膝蓋骨脱臼の両方が悪くてふらふらでしたが、6回くらいの治療で、11月30日の治療の日には、かなり足腰がしっかりしてきて元気に歩けるようになっていました。
痛み止めも止めて頂いてましたが、急に寒くなった12月2日に、痛みのせいでご飯もたべられないくらいになったとのこと。
そこでお渡ししていた頓服を1~2包飲ませてお灸も顔晴って頂いていくうちに、今日病院に見えた時はとっても元気でした。
高齢の子、若くても病気を抱えた子は季節の影響をもろ受けます。
いろいろ工夫して頂いて、過ごしやすくしてあげて下さいね。(お薬はなるべく飲ませない派の私ですが、必要そうな時は、こういう形で使わせて頂いたりしています。)
おはようございます。
今日は、『名古屋のリリー動物病院・東洋医学クリニックのLINE』に、10月下旬にアップした内容を掲載させて頂きますね!
少しでも皆様のお役に立つ事が出来たら、幸いです。以下の通りです。
この1週間、朝晩いきなり冷えてきましたね。
乾燥も本当にヤバいです!
この乾燥と冷えの時期に出やすい症状は、咳と関節疾患です。
①家でのお灸や鍼灸治療で、落ち着いていた咳の子の咳の症状がこの乾燥で増えたりします。(多くの咳の原因は心臓疾患や気管虚脱が多いです。)
そう言う場合は、家で加湿器をつけたり、色の白いもの(ヤマイモ、ナシなど)を食べさせてあげてくださいね!
大根を蜂蜜につけたハチミツ大根の汁を飲ませて頂くのもおススメです(o^^o)!
②この時期
もう一つ気になる症状は、関節疾患の子の悪化です。
最近あったのは、お膝の皿が外れてしまう病気(膝蓋骨脱臼)が悪化した子がいました。
対策法は、やはり背中の骨全体をさらりとお灸した後、「腎兪と膝周りのお灸」それと太ももの内側をマッサージをすることですね。
ただ、その子のケースはとても痛がっていたので、ご自宅では無理しないで頂き、鍼灸治療と3日間だけ痛み止めを処方して落ち着いてくれました。
この時期、大事な子が悪化しないようお気をつけくださいね〜(*^o^*)。
あっ、とはいえ、神経質にもなりすぎないで下さいね〜♫
7月10日に当院(リリー動物病院・東洋医学クリニック・名古屋市)にて、「湿気の時期に起こる病気と対策」についてのセミナーを開催致しました。
6月下旬に「梅雨明け宣言」されたものの・・・まだまだ湿気(湿邪)は続いていますね~。
ついでに暑邪もくっついてより症状を増悪させています。
自然の影響を受けて私達が病気になる場合、中医学では、風・暑・湿・燥・寒・火に「邪」をつけて呼びます。
長年臨床をして来て、湿邪が一番具合が悪くなるように思います。
今後、少しずつ内容をお伝えしていきますね! 皆さま、今日も良い日をお過ごしくださいませ~(*^^*)!
皆様、こんにちは
この春は、桜の時期から雨が多く、そうこうしているうちに梅雨に入りそうですね。
同居しているワンちゃん、猫ちゃん、ウサギさんe t c・・達は元気ですか⁉️
中医学では『天神合一(てんじんごういつ)』と言いますが、
「私たちは宇宙(自然)と繋がっているので、どうしても自然の影響を受けてしまうのですね。
主に、風、暑さ、燃える様な暑さ、湿気、乾燥、寒さなどですが、今の様に雨が多いと(晴れの日でも)湿度が高くなり、そのせいで食欲不振、下痢、皮膚病、てんかん発作が起きやすくなります。
雨が降り出す前に、是非是非お灸で予防して下さいね~!
◇◇◇
やはり雨の時は、食欲不振、下痢、嘔吐、そして顎がガクガクする(神経症状)などを起こします。
ですので、湿度の高い時(湿邪の時)は、鍼灸治療の治療の間隔を短くしていただき、調子が良くなったら、また間隔を空けて頂いています。
お母さんは、ももちゃんがいつも元気でいられるよう、毎日お灸を顔晴って下さってます。
お母さん曰く・・「私、ももちゃんの為に、ももちゃん連れて常夏の国に移り住みたいわ~!」とのこと。
ももちゃん、
お灸と針と食事で、、、なんとかこれからの梅雨を乗り越えようね〜(^^)!
お灸の話の前に、今の季節が動物や人に及ぼす影響について、お伝えしたいと思います。
一年の気候の条件を「六気;ろっき」と言います。
それらは、「風・寒・湿・暑・火・燥」ですが、これらが原因となって、病気になることを「六淫;ろくいん」と言います。 「六淫」は、「六気」のそれぞれに「邪」の字をつけて、「風邪;ふうじゃ」「寒邪;かんじゃ」「湿邪;しつじゃ」「暑邪;しょじゃ」「火邪;かじゃ」「燥邪;そうじゃ」って言います。
※「六淫」のうち、最も病気を起こし易いのは、「風邪」「湿邪」「寒邪」です。
先日のよもやま話(4月3日)に書きましたが、春は「風邪」の時期なので、その影響を受けて、肝臓や胆嚢が弱ったり、涙目になったり、てんかん発作が起きたりします。
もともと風の性質は上に上がり易いので、上半身の病気が多いのと、風なので、よく動く・・例えば高齢の子の「関節痛」であれば、こないだまで後ろ足を痛がっていたのに、今日は前足を痛がっていたりして、痛みの場所が動くことがよくあります。
ところで、雨による湿気のことを「湿邪;しつじゃ」と言います。
今の時期、晴れの合間に梅雨の様に雨が結構降りますよね・・。
そしてついこの間、桜が満開になる辺りは「花冷え」という言葉があるように、結構寒かったですよね・・。
晴れの合間の雨は、「風邪」が「湿邪」という「邪気」とっくついた状態になります。・・リウマチやその他の関節痛、痺れ、てんかん発作、皮膚病などを起こします。
そして「花冷え」の時期は、「風邪」と「寒邪;かんじゃ」がくっつきます。・・・これもリウマチその他の関節痛、痺れなどを起こします。
4月ももう終わりますが、3月中旬から今の時期に掛けて、「風邪」「寒邪」「湿邪」の影響を受けて、調子よかった椎間板ヘルニアが再発したり、後ろ足に問題を抱えていた子の前足が急に痛くなったり(後ろ足が弱い子は前足で庇って歩くので、当然前足も痛みますが・・。)、落ち着いていたけいれん発作が起こったりしています。
ですが、お家でお灸をしている子は軽くすんでいるな~・・といつも思います。
誰もが忙しくて、動物の為にお灸の時間を取るのはなかなか難しいと思います。
ですがお家でお灸をすると、慢性疾患の進行を遅くしたり、病気の再発を防ぐ、もしくは再発しても軽くなると思います。
是非是非、大事な子にお家でお灸をしてくださいね!
次こそは、お灸をしている子達の例などをお伝えしますね。