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東洋医学よもやま話

お盆もやっと過ぎましたが、まだまだ暑い日が続きますね~・・・。

朝晩のワンちゃん達のお散歩はアスファルトの照り返しがきついので、涼しい時間帯を選んでコマメに水分の補給をして頂きたいと思います。
こんな時は、スイカ、キュウリ、冬瓜など、瓜系の物は熱を冷ましてくれるので、動物さんにも食べさせてあげましょう。
ただ、与えすぎによって逆に冷えを起こすこともありますので、ほどほどにして頂けたらと思います。

今の時期は熱中症もそうですが、鍼灸治療をさせて頂いている者からすると、この時期にしては「意外!!」と思う病気に毎年遭遇しますので、気をつけて頂きたいと思います。

それは・・・
なんと、「椎間板ヘルニア」です。
東洋医学の「五行」で言いますと、「椎間板ヘルニア」のような“骨の病気”は、冬の寒い季節に起こりやすいと言われています。
ですので、ワンちゃんの椎間板ヘルニアの発症も圧倒的に冬が多いです。
寒さが酷くない初冬はそうでもないのですが、一気に寒くなり始めますと、同じ時期に初診の椎間板ヘルニアの患者さん、もしくは以前罹って鍼灸治療や手術で一旦改善したにも拘らず、また再発してしまう患者さんが重なるんですね。

ですが、特にここ3年~4年くらいの間、冬の椎間板ヘルニアの患者さんは当たり前なのに、今、この夏の暑い時期にヘルニアの患者さんが重なるんですね・・・。
それは、なぜか・・・・。
そうです!! エアコンのせいなのです。
暑くなり始めの時と、残暑が厳しい時など、飼い主さまがエアコンの温度を下げる事によって、身体が冷えて(寒邪によって)発症してしまうのですね!
ですので、椎間板ヘルニアの再発の危険性のある子がいるご家庭は、エアコンの温度に注意する。もしくは、腰(頚部の場合は首)が冷えない様に、薄手の腹巻を巻いてあげたり、棒灸で腰を温めてあげると発症予防になって良いと思います。
それでも発症した時は、なるべく早く治療してあげて下さいね。

※オマケですが、意外ではない話として・・・夏の湿気の多い時に罹り易い病気としては、やはり皮膚病が多いと思います。
患部を清潔にすると共に、原因がはっきりしている時(寄生虫、細菌感染・真菌感染など)は、その原因を根治すること。
そして、痒み、赤みなど炎症の酷い難治性の皮膚炎などは、抗生物質や抗炎症剤を使っても良くならない時、漢方薬で改善することが結構あります。
その子がどんな状態かを把握して、その子にあった漢方薬を服用すると改善することがありますね。
それと、まこも水を200倍に薄めてまこもの温浴もしくは原液を患部に噴霧するのもお勧めです。
食餌アレルギーと思われる子達に食餌に関して言わせて頂くとしたら、「生まれてこのかたラム肉を食べさせた事がないから、おそらく大丈夫だろう!」と言う推測から、ラム肉を食べさせてみえる飼い主さまがいらっしゃいますが、ラム肉はもとも寒い地方で食べられる肉なので、身体を温める作用があり、炎症の酷い子が食べると逆に悪化することもありますので、様子をみながら与えて下さいね。

※もう一つ、この夏に意外な病気・・・それはエアコンにあたったことによる(風邪による)癲癇(てんかん)の患者さんです。
癲癇は、風病とも言われ、主に春の温かい季節の風に当たって罹る病気だと言われています。
ですが、この時期、先ほど言った理由で発症することがありますので、エアコンの温度に気をつけて頂き、ワンちゃん猫ちゃん、ウサギさんなどのいる場所が直接エアコンの風が当たらないか十分注意して下さいね。

以上、思いつくままの「よもやま話」をさせて頂きました。

2014年 8月 16日 掲載

こんにちは。

今日は棒灸に含まれる漢方の効能についてご紹介させて頂きます!
 

棒灸とは、艾(もぐさ)などの薬草を和紙で棒状に包み、端に火をつけてツボに近づけて血流の悪い凝ったところを治療するための鍼灸用品です。

棒灸には、艾だけを包んだ純艾條と、艾と数種類の薬草を包んだ太乙薬條があります。
棒灸は身体に不調がある時、身体のツボに棒灸をあてることによりそのツボに関連する臓器を刺激して改善の方向に向かわせます。また艾自体にも「気」を上げる作用があります。通常の鍼治療の中で鍼の治療と併せて艾のお灸をすると元気になるのはそのためです。

今回は、当院で使っている太乙薬條に含まれる薬草(漢方)の成分についてご紹介します(^^)

(艾の効能については、また後日ご紹介させて頂きます。)


当院では、

棒灸☆棒灸「太乙薬條」 一本 ¥350(税抜)

☆棒灸ヘルパー   一本 ¥2200(税抜)
(棒灸ヘルパーとは、温灸器と火消しつぼがセットになったものです。棒灸を差し込んで使用します。使い終わったら、棒灸を挿したまま火消しつぼにかぶせて消火でき、大変便利です。)

にて、ご用意させて頂いております。

ご興味を持たれた方は、お気軽に受付までお申し付けください(^^)

2014年 6月 30日 掲載

皆さま、こんにちは!

毎朝、満開の桜を通勤途中に眺めてはにんまりしておりましたが、だんだん葉桜になりつつありますね・・・。
でも、基本的に春は花のみならず新緑も綺麗で大好きです!!

ただ・・・春は五行のうちの「木」に属します。「木」の五気は「風」ですので、「風」の影響を受けます(風邪;ふうじゃと言います。)
よもやま話その①、表ー1の五行色体表を参照して下さい。表の「木」の行を上から下へたどっていって下さいね。)

風邪は主に首から上の症状を起こします。
このことより、今の時期は花粉症による鼻水・くしゃみ、そして涙目など目の症状やめまい、頭痛などを起こす人や動物が多いことになります。(めまいと頭痛は動物では分かりにくいですが・・・。)
もし、ご自宅のワンちゃんや猫ちゃんで花粉症(もしくはアレルギー様の症状)を起こしている子がいて、人間の食べ物を食べさせていらっしゃる飼い主さまがおみえでしたら、以下の食べ物は食べさせないようにして下さいね。

  • タケノコ ・イチゴ(イチゴと言うと皆さん、結構驚かれる方が多いのですが、イチゴはアレルギー様症状を起こすヒスタミンと言う物質を誘発すると言われています。タケノコも同様です。)
  • この後に列挙するものは、動物には与えてらっしゃらないと思いましたが、お読み頂いている方々の中で花粉症の方がいらしたら注意して頂けたらと思って、一応書かせて頂きました。
  • コーヒー・チョコレート・香辛料・アルコール(全部私の好きなものばかりです。それは関係ないか・・・。)

その①の五行色体表」の「木」の行を上からたどっていきますと、「肝」「胆」「目」「涙」「筋」「怒」となっていますね。
今、フィラリアの検査のついでに一般的な血液検査も結構させて頂くのですが、毎年今の時期だけ肝臓や胆嚢に問題がある時に上がる酵素(GPTやALPなど)が異常値を示すワンちゃんが数頭います。その子たちは数か月すると一旦下がるのですが、またこの時期になると上がる・・・・を繰り返しています。一応正常値になっても肝臓疾患(もしくは胆嚢疾患)予備軍として年に数回は再検査をさせて頂いています。 
また、元々肝臓や胆嚢疾患の子達がこの時期に上がり易いことは言うまでもありません。

そして表の通り、この時期は肝臓のみならず目、筋肉に関わる症状が多く出ます。
上にも書いた通り、目の疾患の他、筋肉の痙攣(けいれん)なども起きやすくなります。
それはどれもが繋がっているので、この時期になると「風邪」の影響を受けて発症します。
例えば肝臓と目は繋がってますので、「目を使いすぎると肝臓が悪くなる。」そしてその逆もあります。
また肝臓と筋肉も繋がってますので、「肝機能が落ちてくると筋肉もうまく働かなくなる」と言えます。
そしてよく、「肝臓は怒りの臓器」と言いますが、それはここから来ていると思います。(「黄帝内経」という中国の古い医学書にこれらのことは書かれています。)
ですので、怒りをためながら生活をしていると肝臓が悪くなりますし、その逆もありますので、肝臓が悪くなると怒りっぽくなったり判断力が鈍ったり、もっと酷い時は鬱のような症状を起こすこともあります。

・まとめ・・・
以上のことより、今の季節は花粉症など首から上の病気や、肝臓、目、筋肉の病気に気をつけて頂きたいと思います。
そしてアレルギー症状を示すようであればまずは食事に気をつける事。
それから、本来寒い冬が終わり春になって暖かで過ごしやすい時期なのですが、その暖かさの中で子寒い風が吹く様な時は、特に「てんかん」も発症しやすいので、「てんかん患者さん」を持つ飼い主さまは注意して頂けたらと思います。

2014年 4月 08日 掲載

暦の上ではちょうど今日が立春になりますが、まだもう少し寒さは続くようですね・・・。
リアルタイムで旬の情報を皆様にお伝えできたら!!と思いつつ・・・今年の10月までは月に二回の学院での授業を中心に、そしてそれ以外ではシータヒーリング等にも力を入れていますので、更新が遅くなりまして少し?ジレンマを感じる今日この頃です。

さて、「よもやま話その①」の「五行色体表(表1)」を見て頂きますと、この時期は一番上段の五行の中の「水」の縦列に列挙されている通り、気(五気)は「寒」、季(五季)は「冬」、そして臓(五臓)・腑(五腑)・体(五体)は、各々「腎」・「膀胱」・「骨」になります。

年末から寒さが厳しくなって参りましたが、ぐっと底冷えするようになった1月の中旬から下旬にかけて、鍼灸での「椎間板ヘルニア」の新患の患者さんと膀胱結石等の泌尿器系の患者さんが多かったように思います。
やはり、この五行色体表の通り、この時期は動物(恐らく人も)にとって、骨、腎、膀胱に負担がかかるせいだと思います。
経験的な事を言わせて頂くと、膀胱結石の要因は外因である「寒さ」と共に「低気圧」も関係しますので、今の寒い時期のみならず、台風や梅雨時も結石の患者さんが増えたりします。
以前よもやま話にも書かせて頂いたと思いますが、病気の要因は外因のみならず内因そしてそれ以外にもありますので、寒さや低気圧のみならず精神的ストレスや感染、食事、体質等ももちろん関係してきます。・・・話を元に戻しますね!

椎間板ヘルニアは、多くの場合前兆もなくある朝突然下半身が動けなくなっていた。軽症では歩かせようとしたら、腰から下がふらつく・・・。そして重度になると下半身が動けなくなるだけでなく排便排尿もできなくなってしまうこともあります。
一昔前までは、1日入院して頂いて、もの凄く高濃度のステロイドホルモンを3時間毎に減量しながら点滴をして行って、その治療をしても改善しない時は、外科手術をする。というのが主流でした。

ですが、今はその治療法は殆ど行われない事が多く、①ケージレストをして、一にも二にもとにかく安静にする。②必要なら適量(なるべく低濃度で)の鎮痛剤を数日使いつつ、エラスポール(好中球エラスターゼ阻害剤)を5~10間注射して炎症を抑える。③①と②を行いつつ、発症してからできるだけ早い時期に鍼灸治療もしくは外科手術(発症してから外科手術をするまでの間隔は文献によって違いはありますが。)をする。というのが主流かと思われます。
当院では、椎間板ヘルニアの8割以上はミニチュアダックスですが、その他プードル、ウエルッシュコーギーでも発症しています。そして発症する子達の多くは活発で運動能力も高く、常にソファーと床をピョンピョンしている子や後肢二本足で立つ子に多く認められます。

さて・・・・普段痛みもないのでワンちゃん達は元気に動き回る中で、飼い主さま達は、「一体どの様に気をつければ良いのか?!」ということになりますが、なるべく上に書いた様な段差を動き回る様な運動や二本足で立たせる事を避けて頂くと共に、寒い日は充分保温に努めて頂くようにして頂けたらと思います。
そしてもし、発症してしまったら、直ぐに動物病院で受診して頂き、それまでの間はとにかく安静をお勧めします。
更に、お手元にもぐさの棒灸(市販の「せんねん灸」や火を使わない「せんねん灸太陽」でも構いません。)がありましたら、腎兪や大腸兪をお灸して下半身の増強に努めて頂くと尚更治癒を早めます。(「よもやま話その②インフルエンザ等の感染症に罹った時のお灸」を参照して下さい。)

当院では、経過が良くなって来ましたら、治療の間隔を延ばす為にも、ご自宅でのこの二点のお灸をお勧めしていて、かなりの効果があることは実感していますが、明らかな熱感を伴う場合は診察をしてからお使い頂く方が良いこともあります。

さて、膀胱結石等の泌尿器疾患についてですが、先程お伝えした様に寒さやそれ以外のストレス、食餌に気を付けて頂くと共に、一回のおしっこの量が減って来たり、おしっこの回数が多くなったり、はたまたネコちゃんではトイレでしぶり尿をする時(排尿したくても思うように出ず残尿感があるように思われる時)、そして血尿になったりした時は出来るだけ早めの受診をお勧めします。

また、泌尿器疾患の時にもお灸は本当にお勧めです!
腎兪と共に膀胱兪をお灸されると良いでしょうね・・・。
一点につき、棒灸なら5~10分がお勧めです。
もぐさのお灸は体(ツボ)を温めるだけでなく、病気によって落ち込んでいる「気」も上げますので、動物達も元気になります。
是非、一度お試しくださいね。

2014年 2月 05日 掲載

11月後半に「よもやま話を」作成しつつありましたが、忙しさに取り紛れて気が付いたら師走に入いり、そして年が明けてしまいました。
先回の「よもやま話」の秋の話題が中途半端でしたので、秋冬の季節に関わるお話を書かせて頂きますね。

風邪は外邪(外からの要因)が入ることと自分の免疫力との闘いによるものだという事は前回お話したと思います。
そこで、「実際にひいてしまった時にどうしたら良いか!?」についてお伝えしますね!

1)感染初期(少し寒気がして発熱しそうな時)

①お灸をあてる
一番初めにお伝えした棒灸やもぐさの温灸をお持ちでしたら、大椎(最後の頸椎と第一胸椎の間。よもやま話「インフルエンザ等の感染症に罹った時のお灸」をご参照ください。)に5~10分程お灸をして下さい。あてているうちに発汗してきたらしめたものです!

②生姜を摂る
因みに、急性の発熱には生の生姜が良いのですが、生の生姜は急速に身体を温めますが、効果の持続時間が短いので、風邪による発熱が目的ではなく、慢性の冷え症を改善するのが目的でしたら、生の生姜よりは一週間天日干しをした生姜(写真1・2)の方が効果の持続時間が長いです。
また、ワンちゃん達にあげる時は、刺激が強く癖のある味ですから、少量にして下さいね!
・・・ワンちゃんや猫ちゃん達は感染症の初めに、「寒気がするんだよね~・・・。」とは言ってくれないので、実際この時期(感染初期)を判断するのは難しいと思います。 私達は内股の動脈(大腿動脈)で脉(みゃく)を取ることによって判断しています。

写真1

写真1:
生姜を適当な大きさに刻んで、ザルに入れ更にひと回り小さいザルで蓋をして、一週間天日干しします。

写真2

写真2:
出来上がった状態がこれです。
かなり縮んでしまいましたが、朝、急いでいる時にささっと紅茶に入れて飲むと、時間も掛からず身体も暖まって・・・とても重宝しています。

2)咳が出た時に摂ると良い食品

一般的に五行の表の肺のところに白。と、あるように、実際白い食べ物に咳止めの効果の高いものが結構あります。
もう時期は終わってしまいましたが、梨。そして山芋。サトイモの仲間のレンコン(これはテレビの受け売りです!喉の炎症や咳を鎮める作用があるとか・・・。)や大根も良いですね~・・・。

3)お薬について

東洋医学を学ぶまでは、風邪をひいたらとにかく抗生物質と解熱剤!(抗生物質はウィルス疾患でも混合感染を予防するために使うのだと解釈してました。)と思ってましたが、解熱剤に関しては、熱が高くなった時に飲むものであり、実際は時期を間違えたりのべつまくなく服用すると、必要以上に熱を下げたり、必要以上に体力を消耗する事になりかねませんので、そのことに注意しながら服用することが肝心かと思います。

2014年 1月 04日 掲載

残暑もやっと終わり、当然静かな秋が来るのだと思っていましたが、先日の台風の被害は本当に大変なものでしたね・・・。
ニュースを見る度に胸が詰まる思いです・・・。

さて、東洋医学で「秋」と言えば、五行では「金」に当たります。
そして「金」の五気は「燥(乾燥)」であり、臓は「肺」、腑は「大腸」になります。
五官は「鼻」、五液は「涕(てい;鼻水の意味)」です。(2回めのよもやま話・・・『五行について・・・例えば目と肝臓と爪・・・私の場合』の表ー1五行色体表を参照して下さい。「金」の縦の列を見て下さいね。)

人も動物も基本的には、気候の変化など外からのいろいろな刺激(風、暑さ、火、湿気、乾燥、寒さ等・・・「外邪、もしくは六淫;りくいん」と言います。)から身を守るようになっています。
しかし、その外邪の力が強すぎたり、季節に反して出現するという異常事態が起きたり、もしくは私達の身体自体がストレスや疲労で身を守る力が弱くなったりした時に、いろいろな病気を引き起こします。

今の時期(秋、金の列)は、「鼻」と深く関係があり、臓では「肺」が影響を受けます。
ですので、上に書いた外邪が鼻から侵入し(口からも侵入します。)、鼻水が出たり、肺が傷つけられたりして咳などの症状が出ます。 
もともと肺は湿気を好み乾燥を嫌う性質があるので、尚更今の時期は要注意です。

病気になる要因として、外邪のご説明をしましたが、外邪の中には上の六淫(りくいん)と共に疫癘(えきれい)と言って、伝染性・流行性のもの(いわゆる感染)もあります。

また外邪以外病気になる要因としては感情(悲しみ、憂い…など)や生活形式・生活態度(働き過ぎなど)等も関連します。

ですので、今の時期は、乾燥に十分注意して少しでも今言った症状(鼻水、咳等)が出たら、身体を休め、そしてこれはどの季節にも言えることですが、ストレスを溜めず十分休息を取ることをお勧めします。

今お伝えしたストレスですが、それは人(飼い主さま)だけに限ったことではありません。
飼い主さまが眉間にシワを寄せ動物に愚痴ばかり言っていたり、ご家族の間でケンカが絶えなかったり、動物がずっと寂しい思いを強いられていたりすると、動物達も心のみならず身体の方にも症状が出てきます。
そう・・・。心と身体は繋がっていますからね・・・。
そういう意味では、人も動物も同じなのですね。
生きていればいろいろな事が起こり、心乱れることもあると思いますが、ご自身の為にもそして同居している動物達の為にも・・・いろいろな事を上手に受け入れ受け流し、心穏やかに生きることが大切なのでしょうね!”

・・・・という事で、久々に「よもやま話」を書かせて頂きました。
月に二回の吉祥寺での動物の鍼灸専門学校(日本獣医中医薬学院)も、この10月から晴れて二年生になりました。
先日(13日)、第一回目の授業がありました。
以前から小中研(小動物中医学研究会)で学んでいた事を掘り下げるようなより深い内容であることを知って、気合を入れてるところです。(気合という言葉を使うところが、やはり体育会系だな~・・・と我ながら失笑してしまいました・・・(^^;))
そんなこんなで相変わらずバタバタの毎日を送っていますが、皆さまに少しでも「中医学(東洋医学)」を身近なものに感じて頂けるよう顔晴って発信していきたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

「五悪」

2013年 10月 21日 掲載

巷では、インフルエンザが流行っているとか・・・。
でも、もう今は下火なのでしょうか・・・~?!

「よしっ!じゃあ、今回のよもやま話のテーマはこれだ!」と、思い立ったのはいいのですが、そうこうしているうちに10日程過ぎてしまいました(焦・・・)。
ですので、罹ってしまってやっとこさ治った方は次回の参考にして頂けたらと思います。
ワンちゃん猫ちゃん、うさぎさん達に・・・・と言うよりどちらかと言うと、今回は飼い主さまに向けてのお話かも知れません。

今回は「ご自宅でのお灸」についてお話させて頂くわけですが、もし、実践して頂けるのでしたら、なるべく罹り始めの時期にやって頂けたら、結構お役に立つと思います。

 

大椎

イラスト①『大椎』

1)まず、「インフルエンザや風邪に罹ったかも知れない!」と思った時は、イラスト①の『大椎』と言うツボにお灸をします。
『大椎』は、頸椎のうちの一番最後の大きな骨(第七頸椎)の直ぐ下のくぼみにあります。(第七頸椎棘突起と第一胸椎棘突起の間です。)

5分でも10分でも、心地いいと感じるくらいの間お灸します。

お灸の目安として、皮膚が発赤する程度あるいは大椎の周りが軽く発汗する位にして下さいね!
たまにやり過ぎて低温やけどをする方もおみえですので・・・^-^;。

もぐさ

写真① もぐさ

写真② 台座灸と棒灸

写真② 台座灸と棒灸

写真③ ネコちゃんにお灸をしているところ

写真③ ネコちゃんにお灸をしているところ

因みに、この写真で使用しているお灸は、艾(もぐさ;写真①)を棒状にして固めたものです。(棒灸と言います。)
写真②③の様に、この棒灸を、「打ち出の小槌」みたいな台座に刺して固定してツボにあてます。
熱さの調節は棒灸を刺した長さで調節できます。

インフルエンザ(や風邪)に罹った時は、1日1回~2回罹り始めの2~3日の間、大椎にお灸するだけで、多くの場合高熱が出なくて済みます。
実際、このことを数人の飼い主さまにお伝えしたところ、「うちの姪っ子がインフルエンザに罹ったんだけどお陰さんで軽くすんだよ!」 と嬉しいご報告を頂きました(^^)V。

 

さてここで~・・・。
・『大椎』というツボ(経穴;けいけつ)についてお話させていただきますね。
『大椎』のツボの効能としては、体内の熱を冷まして体表の邪気※1を取り除く。感染症を抑える。精神疾患を回復させる。その他頚部・背部のこわばりと痛み、咳に効くと言われています。

※1ここで言う邪気とは、自然界における外因(病気の原因)のことであり、「風、寒、暑、湿、躁、火」の6つの気のことを言います。
私達は、これらの外因が過剰になったり私達自身の気が落ちて疲れやすくなったりすると免疫力も落ちて、感染症や様々な病気になるわけですね。
そんな時 『大椎』にお灸をすることによって、上記した効果が得られます。

・そして「お灸」とは、艾(もぐさ)を燃やしてその熱と艾の薬理作用でツボを刺激して治療する方法です。

・ですので、ツボをお灸で刺激することにより、そのツボの持つ効果が発揮されるということになります。

 

☆ここまでで、今日お伝えしたいことの多くはおしまいです(^^)!

熱の出始めでさむけを感じた時はホントおススメですので、是非一度やってみて下さいね!
それから、さむけが酷い時は、『腎兪』(イラスト②)にもお灸をすると身体が温まりますよ。

イラスト②『腎兪』

イラスト②『腎兪』

『腎兪』は、その名の通り、腎疾患や尿道疾患に効きますし、下半身も強くします。
鍼灸で来院して下さる飼い主さまに「患者さん(動物)の『腎兪』にご自宅でお灸して下さいね。」と、お願いをすることが多いのですが、やって頂いてしばらくすると殆んどの子の毛づやが良くなります。そして足腰もしっかりしてきます。
ですので私は 「腎兪は若返りのツボ」と、勝手に命名させて頂いてます(笑)。

『腎兪』と言うツボは、第二腰椎と第三腰椎の間にあります。イラストの様に一番下の肋骨のラインから真っ直ぐ背骨に引いたラインがそこに当たります。

ちなみに動物達は、「ちょっとさむけがするんだよね~・・・。」 とは言ってはくれませんので、通常私達は足の付け根の大腿動脈(股動脈)を触って脉(みゃく)を取ります。脉を取ることによって、その動物が冷えているのか熱があるのかどこの臓器が悪いのかが、大体分かります。
脉に関しては、いつかまた書かせて頂きますね!

ここまでの間で「読み疲れたわ~!」と言う方はおしまいにして頂き、「もう少し読んでもイイかな~!?」と思われた方は宜しければ下の補足もお読みくださいね(^^)!

 

≪補足≫ … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … …

≪「ほんじゃあ、なぜ病気の時に針やお灸が効くわけ~・・・?!」ってことについて≫

ちょっとその前に、「ツボ」(経穴;けいけつ)」と「経絡(けいらく)」についてお伝えしますね!

・そもそも「ツボ」は、体の表面(浅い部分)にあり、体の奥の臓器等と繋がっています。
その「ツボ」を刺激すると奥の臓器等に治療効果が出ると言われています。
そこで、その「ツボ」を刺激するのが、お灸だったり鍼(針)だったりするわけですね。
「その刺激がなぜ、体の臓器等の治療になるのか・・・?!」と言うことになりますよね。
ここで今度は、「経絡;けいらく」と言う概念が出てきます。

・私達の身体には代表的には、①12本の「経絡(12正経)」と②2本の「経絡(奇経八脈のうちの、任脈と督脈)」の計14本の「経絡」があります。
「経絡」とは、気と血が通る体の通路であり、それを交通網に例えるとしたら電車の線路が「経絡」であり、そのうちの大きな駅(東京駅や品川駅等々・・。)が「ツボ」になります。
①の12本の経絡のそれぞれは、決まった臓器と連絡していてその決まった臓器に気と血を巡らせていると言われています。それによって私達の体は正常に保たれているのです。また、それら12本の経絡全部は繋がっていて一本の環(わ)になっており、私達の身体を一日50周循環していると言われています。

・以上により、病気になった時身体の表面の「ツボ」を針やお灸で刺激するとその刺激が「経絡」を通って身体の奥の臓器等に伝わって行くわけなのですね~!

それによって気や血の流れもよくなり、治療効果が出る。と言うことになります。

・ところで今回お話に出した、『大椎』は、①と②の計14本の経絡のうちの7本が通るツボです。(ひえ~!!スゴイ!!)
代表的なツボが、約350個あると言われているうちで、7本の経絡が通ると言うツボは『大椎』だけなんです。
なので、とても重要なツボになるんですね~・・・。
別名『百労』と言い、「あらゆる病気に使える。」と言う意味があります。

 

ねぇ~!!
東洋医学って結構面白いでしょう~!!
少し前から日本は(日本に限らず)歴史的な時代の流れの中で “西洋医学一辺倒”になってしまってましたが、こうやって学んでみると中国で何千年も前からこんな素晴らしい医学があったなんて、本当に感激します。

・・・・と言うことで、長いよもやまにお付き合い下さいまして、ありがとうございましたm(_ _)m。
皆さま、針やお灸等を多いに活用して頂いて、病気になる前に良い状態(未病)になって頂けたらと思います。

 

・今回は、「ご自宅で出来るお灸」ということでお話させて頂いてますが、病院で様々な疾患で『大椎』に針を打つ時は、患者さんの脉(みゃく)を取りながら、脉に合わせた手法で『大椎』に針を打ちます。

2013年 2月 08日 掲載

東洋医学の「五行」で、自然界の物を「木・火・土・金・水」の五つの括り(くくり;いわゆるグループ)で分けると、肝臓と爪と眼そして体液のうちの涙は “木;もく”に属していてそれらは繋がっている(関連性がある)と言われています。

表-1

 

※五行色体表…これらは抜粋したものです。

◆「いつから・・・??そしてなぜそんなことが言えるのか?!」って~?!
いわゆる鍼灸治療(東洋医学)の元となる 「陰陽論」や「五行論」と言ったものは、BC1700年頃の殷(いん)時代から中国で考えられつつあったようです。
・・・っで、「それらの起源は?」という話になると、それ一つでよもやま話が終わってしまいそうなので、ここでは「五行」についてざっくりとご説明させて頂きますね。

そもそも五行とは・・・地球上のすべてのものを五つに分類し、「すべてのものがそれぞれ関係性を持っている」という性質に着眼して、起こる変化(自然、社会、疾病など)を説明したものであります。
そして「五行」とは、“木・火・土・金・水”の五つであり、すべての事物はこの五つの基本物質からできていると考えられています。
それらの事は、私達の日常の診察でも患者さん(動物)を通して、「なるほどねぇ~!!」 と、納得する場面が結構あります。
勿論、私自身の身体も例外ではありません。

 

いきなりですが、私の爪・・・。
写真−1では解りにくいかも知れませんが、爪がぺらんぺらんなのです。
大好物のビールのタブは何とか開けられるのですが、ワンちゃん猫ちゃんの缶詰のタブや瓶の中蓋なんぞは、フォーク等を使わないと爪だけでは絶対に開けられません。
爪を使って開けようとすると、タブに負けてそっくり返ってしまい、写真−1の薬指や小指の様に爪が指の頭から剥がれそうになってしまうのですね・・・。
この事に気づいたのは半年程前でした。
「あれ~・・・?? 五行で行くと爪は肝臓と同じ“木;もく”のグループだから、もしかして私って肝臓が悪いんちゃう~?!」と思い始め、4か月前から「マコモ」と言うサプリメントを飲み始めました。

写真-1

マコモ

マコモを水に溶いて、持ち歩いています。見た目汚いので、この様にカバーに入れています。

写真-2

「マコモ」はあくまでサプリメントであり、薬事法で定められた肝臓の薬ではありません。
ただ当院に来院される血液検査で肝臓の値の高いワンちゃん達にマコモをお出しした結果、マコモだけで改善している子がかなりいました。
勿論全ての肝臓疾患の子に「マコモ」が効くわけではありません。

マコモ

写真-3

っで、私の爪なのですが、「マコモ」を飲んでふた月めに一旦爪に厚みが出たものの、少ししたらまたぺらんぺらんになってしまいました・・・。
おそらくいくら肝臓に良いものを摂っていても、仕事の後毎晩ビールを飲んだり食べ過ぎたりするせいだと思います。(一旦反省・・・。)

そして、私の眼・・・。
眼も“木;もく”に属し、肝臓と同じグループなので涙の量は肝臓の良し悪しで決まると言われています。
なので、ドライアイのワンちゃんの鍼灸治療では、全体を整えた後で必ず肝臓を良くするツボ(右の陽陵泉・・・あくまで右であり左ではありません。)に鍼をうちます。
勿論、他の眼の疾患の子達も多くはこのツボを使います。
私の場合はドライアイではなくて、涙目でした。
10年以上前から朝起きると涙がじわじわと出てきてました。
よく小型犬で涙が常に溢れていて、目の下に茶色い「涙焼け」がある子いますよね!?
私も長い涙目生活の果てに涙焼けを起こしていました。
でもそれは絶対に「花粉症」だと思い込んでいました。
ただ、よく考えたら季節を問わず年中涙が出るのです。
そこで、ある時「師温会」と言う 人と動物の鍼灸の勉強会で、“耳鍼(みみばり)”の石田先生にご相談したところ、耳の肝臓のツボと内分泌のツボに置き鍼をして下さいました。


写真-4


するとどうでしょう~・・・!
「耳の置き針」と「マコモ」が功を奏したようでその後は実にすっきりしています。
ただやはり花粉も私の涙目に全く関係なくはないようで、花粉が酷い時や飲み過ぎた時は、充血と共に多少涙目になってしまいます。
その様な時は、「マコモ水」を点眼したり自分で自分の身体に鍼をうったりします。(決して どМとは言わないで下さいね! これをする事によって鍼をうたれる動物の感覚が解る様になりました。)
そして今私は、涙が減ったばかりではなく爪も人並みの厚さになりました(^^)V。

・・・という事で、今日は私の身体を通して、東洋医学の「五行」の話をざっくりとさせて頂きました。
これからは忘年会の季節ですね。
皆さま、お酒の飲み過ぎで肝臓や眼に支障をきたすことのない様、くれぐれもご注意くださいませ。
因みに、今の冬の時期は五行(表ー1◎印)で言うと、腎臓、膀胱、骨等に注意すべき季節と言えます。
ここのところ寒くなってきましたので、膀胱の結晶(膀胱結石)の検査で引っかかる子が増えました。
そして鍼灸治療では、圧倒的に椎間板ヘルニアの初診や再発はこの寒い冬が多いです。

まずは東洋医学の「五行」を参考にして頂き、少しでも心身共に健康になって頂くお手伝いが出来たら幸いです。

2012年 11月 24日 掲載

この春、うちの病院のホームページがリニューアルしたわけであるが、新たに作った「東洋医学よもやま話」が、私が忙しいのを理由に手つかずのまま時間だけが過ぎていた。

「よもやま話」 というタイトルは、今回リニューアルを担当してくれた水出獣医師が命名してくれたのであるが、そもそも「よもやま」を広辞苑で引くと、三つの意味があり、「よもやま」の下に「話」を付けるのであれば、“雑多(種々のものがごたごたと入り混じっていること。)”という意味になるのではないかと思う。

よって、私のつたない経験で恐縮ではあるが、鍼灸等の東洋医学を通して日頃私が感じた事を、ありのまま気の向くままに書き留めて行こうと思っている。

話の中で私なりに解説をさせて頂くつもりではあるが、説明の仕方が悪かったり省いてしまったりして、ご理解しにくいところがあるようでだったら、専門書もしくはそれに関連したインターネットでの情報を参考にして頂けたらと思う。(但し、インターネットでの情報は「あれ~?!ホントかしら??」と言うことが掲載されていることもたまにあるので、受け取る側の方はただ単に鵜呑みにするのではなく、参考程度にして頂いた方が無難だと思う。勿論私のこの『東洋医学よもやま話』も例外ではない。

第一弾は、自前ネタで行こうと思う。
タイトルは、『眼と肝臓と爪・・・私の場合』である。

2012年 9月 02日 掲載

このコーナーでは 院長から皆様にお伝えしたい

「東洋的視点からみた様々なお話」 をお届けする予定です。

 


院長多忙の為、更新が遅れており大変申し訳ありませんが、

今しばらくお待ちください。

 

皆様のご期待に添えるよう努力を重ね、より良いページを目指します

 

2012年 7月 12日 掲載