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東洋医学よもやま話

鍼灸を初めて14年~15年になります。
始めた当初は普通の外科や内科治療もやっていたので、鍼灸治療だけをするようになってからは、8年めです。

好きなことだけをするってことは、本当に楽しいですね~・・!
元気になっていく動物さん達を見ると、嬉しくて疲れも吹っ飛びます。
そして治療で動物さんにお灸をしている間の飼い主さまとの会話もとっても楽しいんです。

この14~15年の間に、多くの飼い主さまにご自宅での動物さんへのお灸(写真)をお勧めして来ました。
椎間板ヘルニアのみならず、膝蓋骨脱臼、股関節形成不全などの骨の病気や、腎臓疾患、心臓疾患、肝疾患、呼吸器疾患、その他ホルモン性の病気等々・・・とにかく治療日と治療日の間はご自宅での施灸をお願いしてきたんですね。

そうするとですね~・・・

☆鍼灸の治療効果が上がります。・・私は治療の初めから終わりまで、動物さんの脉(脈;みゃく)を診ながら治療するのですが、お灸をしてもらっている子は、先ず最初の針一本で脉が変化することが多いです。

☆なので鍼灸の治療と治療の間隔を空けるのにも役立ちます。

☆腎疾患など血液検査結果が良くなった子が結構います。

☆足腰がしっかりしてきて、歩き方が他の同年代の子よりも若々しくなります。(下半身をしっかりさせるのは主に「腎兪」や「大腸兪」のツボです。)

☆毛艶が良くなります。

☆目力がついてとっても元気になります。・・中医学的な言い方をすると『気が上がる』と言います。

中医学はいくつかの考えを基本としていますが、先ずは「地球に存在する全てのものは最小単位の『気』で出来ている。」と言う考えから始まります。
私達の治療は、病気によって落ちている『気』を上げたり、『気』のバランスを取ることによって、患者動物の治癒の力を高めます。

飼い主さまから「お灸するってことは、ツボにカイロ貼ってればで良いってことだよね!?」と聞かれることがあります。 もちろんそれはそれで治療効果はあります。
私自身腎が弱いし、そもそも『身体を温める気』が不足(『陽虚』と言います)してますので、仕事中に冷えを感じたら直ぐに「腎兪」や「関元」というツボにカイロを貼ります。(仕事中は自分にお灸できないので・・。)

でもそれだけではやはり片手落ちなんですね・・。ツボを温めて刺激するということはとっても良い事です。
ですが、『もぐさのお灸』とカイロとの違いは、もぐさの『チネオール』という成分の効果にあるんですね~。
『もぐさのお灸』はツボを温めたり身体の循環を良くするだけでなく、「もぐさの効果」で『気』も上げるんです。そしてリラックス効果や痛みを抑える効果、免疫力を上げる効果(「足三里」と「合谷」を左右対角線で施灸すると効果あり)もあります。
そして脳内の血流を二倍にもするんですね! なので認知症にも良いと思います。

上の効果があるので、施灸していくと、動物さんたちはどんどん毛ヅヤが良くなったり目力が付いたり、『気』が上がって元気になるんです!!
飼い主さまが施灸される動物さんたちを見て「これこそ正にアンチエイジングだ~!!」と思うので、最近私も真面目に自分に施灸するように努めています。
動物さんや飼い主様に元気になってもらう為には、先ずは私自身が元気でないとダメですからね~!!

週一で全く効果がないわけではありませんが、あまりピンと来ないと思います。
どうせやるのなら、一週間に三回以上やって頂くと、「お~・・・いいよね~!!」って感じになるかな~って思います。
これは西の巨匠・国分龍彦先生も同じことをおっしゃってました。

皆さま今日も一日ご苦労様でした。
さぁ、私も書き残したカルテを片付けて・・・入浴の後晩酌しながら、施灸でもしますかね~(*^▽^*)♪(入浴したりお酒を飲んだりするだけで、実は脉が変わっちゃうんですけどね・・。)

◇◇◇

もぐさ前回も書きましたが、下の白い方の棒は、もぐさが棒状に詰まっている棒灸。
黒い方は炭にもぐさが練りこんである棒灸。

身体のツボ上に赤い布を置き、この茶色い棒灸ストッパーに棒灸を差し込んで火をつけてから乗せます。
温度は棒灸の位置をずらして調節します。

飼い主さまは大事な動物さんの施灸が終わった後、痛むご自身の肩などに施灸する方が結構いらっしゃいます。

上は私が治療で使っているもぐさです。

右二つのもぐさを一つ一つちねって(形を作って)ツボの上にお灸を乗せます。

気持ち良いのか途中で寝ちゃう子もいます(笑)。

◇◇◇

ジオンちゃん股関節形成不全で通院中のジオンちゃん。(ポルトガル語では、ザイオンと言うそうです。)

治療は動物さんの内股動脈(ないこどうみゃく;後ろ足の太ももの付け根)に三本の指を当てて脉(みゃく・脈)を診ながら治療していきます。

ジオンちゃんの初診時、股関節の痛みがひどかったのに、脉を取るために何気に後ろ足の付け根を触ってしまい、ジオンちゃんを怒らせてしまいました・・。
今では痛みも緩和され、こんなにフレンドリーになってくれたジオンちゃん。

左の飼い主さまは、とっても明るい方で診察中は笑い声が絶えません。
今日はお友達も来てくれたので、ジオンちゃんは「イイ恰好しぃ」なのか、ほとんど動くこともなくおりこうちゃんで治療させてくれました(*^▽^*)!

◇◇◇

モコちゃん足の麻痺とてんかん様発作で通院してくれているモコちゃん。

最初は毎晩繰り返すてんかん様発作が酷くて、子供用のプールに水を張ってそこで身体を冷やして発作を抑えてらっしゃったとのこと。
鍼灸治療と漢方薬でその発作も治まり、モコちゃんのお顔の表情もかなり出てきました。

漢方薬は、肥満予防の為、縦半分に切った薄切り食パンをパンに平行に二枚に切ってうすうす状態にして、オリーブオイルを塗り、その上に漢方薬を振りかけて挟むと、喜んで食べてくれるそうです。
Aさんのアイディアとご夫妻のモコちゃん愛に頭が下がります!!

2019年 3月 15日 掲載

前回のよもやま話『認知症』で、頭頂部の真ん中にある「百会;ひゃくえ」というツボについて書きました。
「百会」というツボは、精神安定作用や頭をすっきりさせたり、頭痛、めまい、鼻づまり、てんかんなどに効く他、脱肛や子宮下垂という病気にも効果があります。
前回のよもやま話で、「百会にお灸すると回陽作用があるので身体全体が温まる」と書きました。

鍼灸などの中医学は、『気の理論』と言って、「全ては気から始まる。気は最小単位のものであり、万物の基になるものである。目には見えないが必ずある。」ということと、「気を含めた全てのものを陰と陽に分けて考える。」という考え方などがベースになっています。
ですので、気も陰と陽に分けて考えた場合、これはイメージして頂けたら分り易いと思いますが、温度に例えたら、陰は冷たく陽は温かい。ってことになりますよね!? なので陰の気は冷たく、陽の気は温かいということになります(それぞれを陰気、陽気と言います)。
このことを一旦、覚えといてくださいね。

さて、「回陽作用」とは、今お伝えした陰陽でいうところの「陽気を回す作用」という意味です。

では「なぜ、“百会”というツボにお灸をすると身体が温まるのか・・。」ということについてお話しますね!

それをご説明するには、ツボと経絡(けいらく)の話をすることになります。
まず、ツボというのは、体の表面にある特殊な作用点(または反応点)のことを言います。
作用点というのは、体の深部の内臓や骨、器官などが異常を起こした(病気になった)時、体の表面のあるツボを刺激すると、そのツボと繋がっている深部の内臓等に作用して、その異常(病気)を治癒に導くことが出来るんですね。

また逆もありきで、内臓や骨など体の深部に異常があると、その異常のある臓や骨と繋がっている体の表面のツボを軽く刺激するだけで、痛みを感じたりするんですね。
A.体表面のツボと体の深部の内臓等とを繋いでいるのは経絡(けいらく)です。
そして経絡はそれらを繋ぐだけではなく、
B.ツボとツボも繋ぎます。

例えば、Aの例として、胃が痛む時に胃から離れた足の膝の下の足三里(あしさんり)というツボを刺激すると、胃の痛みが緩和されます。
Bに関して言えば、一つの経絡を新幹線の線路に例えるなら、東京・品川・・新大阪など、その線路の主要な駅はツボに当たります。なのでいくつものツボが経絡上にある。もしくはツボとツボは経絡で繋がっていることになります。

私達人間も犬や猫などの動物にも、「12本の経脈(けいみゃく)」と「2本の経脈」の合計14本の経脈という線路が体中にあります。そのうちの「12本の経脈」は、実は独立したものではなくて、一本と一本の端どうしが手や足の先でくっついていて、一本の長い輪っかになってるんですね~!
因みに先ほど言った「2本の経脈」のうちの一本は督脈(とくみゃく)、もう一本は任脈(にんみゃく)といいます。

ここで「経絡」についてもうちょっと詳しいお話をさせて頂こうと思いましたが、その話を持ってくると、話がぐっちゃんこになるので、敢えてここではしないことにしますね。
「経絡」の話はまたの機会にさせて頂きますね!

さて・・っと、ここまで読んで下さった方、どうもお疲れさまでした(^-^;。
やっと、ここで本題に入ることができます(*^^)v!

一番最初に言った頭頂部の真ん中にある「百会(ひゃくえ)」というツボですが、「百」は多種多様であること、「会」は、会うという意味です。このツボは、頭にあり、そもそも頭は「諸陽の会」と言われるくらい多くの陽の気が集まるところです。
そして、ここ「百会」は、なんと5本の線路(経絡・経脈)が交わるところなんですね。
多くの経脈が交わることから「百会」という名前がついたんです。
もともと“経脈は血や気が流れている線路”なので、その5本の経脈が交わる「百会」にお灸をすると、そこで交わる各々の経脈の血や気の巡りが良くなって、身体全体が温まるんですね。

なので、「認知症」のように、頭に気や血が上って足先が冷えるような子には、「百会」をお灸して、なるべく早く温かい陽気を回して身体全体を温めてあげることがとっても大事なんですね。
「認知症」など歳を取った子は「上実下虚(じょうじつげこ)」の状態にある。と言います。これは上半身はのぼせて熱くなり、下半身や手足は冷たくなっている状態のことです。なので「認知症」に限らず、そういう状態の方(私がそうです)にも「百会のお灸」はお勧めです。

だんだんと春めいて来ましたね!
お日さまが沈むのが遅くなり、外で遅くなるまで遊んだ子供時代の感覚が蘇ってきて、とっても嬉しくなる今日この頃です。ですが、極端な乾燥とともに花粉も飛んで来るので、多くの動物さんや飼い主さまたちが痒がっているのを見ると、お気の毒になります。
加湿器を置いたり、必要なら目薬をさしたり、お耳を痒がっているようならケアをしたり・・・そして皮膚全体を痒がるようならマコモ風呂に入れたりマコモを飲んだりして・・・何とかこの季節を乗り切って頂けたらな~と思います。
それでは皆さまごきげんよう~(*^_^*)。

◇◇◇

病院で使っているお灸~病院で使っているお灸~

左側の容器に入った4つのもぐさのお灸のうち下二つは、私が治療中に一番よく使うお灸です。もぐさを左手の指で形作って動物さんのツボに乗せてお灸します。

上2つは普通に薬局でも売っている「せんねん灸」です。
これらは動物さんの熱さに対する感度や性格、時間等で使い分けます。
右側上にある三本の棒状のものは、もぐさを棒状にしたお灸(棒灸)です。

ご自宅で施灸する時はこれを使って頂いてます。右側一番下は、上の棒灸を茶色い棒灸ストッパーに刺してセッティングしたものです。この棒灸に火をつけて、動物さんの体のツボに赤い布を置き、その上にこれを乗せます。5分~10分施灸します。
なぜ赤い布を使うかと言うと、赤は熱を通しやすい性質を持っていることと、遠赤外線効果もあるからです。

※2018年8月16日の「よもやま話」にも書きましたが、一番上の炭のお灸は時間経過とともにどんどん熱くなるのと、落ちた灰にも火が残っているので動物さんに火傷をさせないよう、十分注意して頂きたいと思います。

2019年 2月 25日 掲載

長年一緒に暮らして来たワンちゃんの眼が、だんだん白くなり、耳も遠くなり・・やがて『認知症』と言われる、今までにない行動をしだします。
大事な動物さんが変わっていく姿を見るのは辛いし、誰もが認めたくないのですが、彼らの病気と同じように、私達は受け入れるしかないのですね・・。

今回は少しでも『認知症』の動物さんがいる方々のお役に立てたらと思って、認知症について書いてみました。

1)『認知症』の主な症状

  • 早い子は11歳頃からということだが、多くは13歳~15歳頃に認められる。
  • 目的もなく、ぐるぐる歩き回ったり、壁に向かってひたすら前進しようとする。
  • 昼夜逆転したり、夜寝ているかと思えばいきなり起き出して、吠え続ける。(これは吠える目的がない時もあれば、飼い主様が側にいなくて寂しくて吠えることもある。)
  • もともとおっとりさんだった子が、いろいろな事の我慢が出来なくなり、短気になったり、要求吠えをする。
  • 検査上問題はないのに、異常な食欲が出る。

2)認知症にならない為の工夫

◙ 人と同様、「刺激」が大事である。

ほったらかしにしていると、認知症になり易い。
なのでなるべく話しかける。また外へ出て刺激を与えたり、無理のない程度に適当な運動をさせる。

◙ 認知症に良い食品

  • 胡桃肉(クルミ)・・・(中医学では、こういうことを『同形相関』と言います。形の似ているものは、お互い関係があるという意味です。・・胡桃の形は脳に似てますよね?!だから脳に良いんですね。なので、私もあまり好きではなかったのですが、最近は認知症予防に意識して胡桃を食べるようにしています(笑)。)
  • イチョウ葉エキス、青い魚、EPA・DHAのサプリ、銀杏(少量)

3)家でできること

動物さんに上の様な刺激を与える他、ご自宅ではお灸がお勧めです!

◙ 先ずは百会(ひゃくえ)にお灸・・百会のツボは頭を上から見て両耳を結んだ頭頂部の真ん中になります。

ここに施灸(お灸をすることを施灸と言います)すると、身体全体が温かくなります。
これを“回陽作用”と言います。(※1なぜ温かくなるか、またなぜ“回陽作用”というかという事は、“次回のよもやま話”で書かせて頂きますね!ツボと経絡の話です。)

また、百会にお灸すると、精神を安定させます。
ただ、症状いかんによっては、お灸よりも針の場合が良い時もありますし、あまりにも嫌がるようでは逆にストレスになるので、その時はお灸する時間を短くするか、無理しないようにしてくださいね。

◙ その後、命門(めいもん;二番目と三番目の腰椎の間のツボです。)に施灸します。

歳を取ると腎虚と言って、腎の気が落ちます。
中医学でいう五行では、腎は骨と繋がっていると言われています。
それで歳を取れば取るほど、足腰、特に下半身が弱くなるんですね。歳を取ると人間も動物さん達もしっかりとした歩きが出来なくなってよぼよぼしますよね。
この「命門」またはそのすぐ隣の一対の「腎兪」のツボを施灸することによって、下半身がしっかりとしてきます。
施灸を一週間毎日または一日置き、多めにみて週に2回やってもらっている動物さん達は、やってもらってない子と比較すると、歩みもしっかりとしていて、毛艶も全然違います。
これはオーバーな言い方ではなくて、本当にそうなんです。

◙ 今は結構、身体に害のないサプリメントも出ていますし、漢方薬でも結構症状の緩和をさせることのできるもの(抑肝散、もしくはそれに準じたもの)もあります。

でも何よりも一番良いのは、焦らず「認知症はこういうもんだ。」と覚悟して頂いて、ご家族で協力しながら乗りこえて頂けたらと思います。
だって、長い間、本当に家族として私達を精神面で支えてくれた大事な動物さんなんですもんね(*^_^*)!

・・・ということで、長くなってそろそろ飽きてこられたんじゃないかな~と思いますので、今日はこの辺で終わりにしますね。
後は、思いつくままにそれらに関連したことを次回の「よもやま話」で書かせて頂きますので、お気が向かれましたらお読みくださいね~。

◇◇◇

病院で使っているお灸~病院で使っているお灸~

左側の容器に入った4つのもぐさのお灸のうち下二つは、私が治療中に一番よく使うお灸です。もぐさを左手の指で形作って動物さんのツボに乗せてお灸します。

上2つは普通に薬局でも売っている「せんねん灸」です。
これらは動物さんの熱さに対する感度や性格、時間等で使い分けます。
右側上にある三本の棒状のものは、もぐさを棒状にしたお灸(棒灸)です。

ご自宅で施灸する時はこれを使って頂いてます。右側一番下は、上の棒灸を茶色い棒灸ストッパーに刺してセッティングしたものです。この棒灸に火をつけて、動物さんの体のツボに赤い布を置き、その上にこれを乗せます。5分~10分施灸します。
なぜ赤い布を使うかと言うと、赤は熱を通しやすい性質を持っていることと、遠赤外線効果もあるからです。

※2018年8月16日の「よもやま話」にも書きましたが、一番上の炭のお灸は時間経過とともにどんどん熱くなるのと、落ちた灰にも火が残っているので動物さんに火傷をさせないよう、十分注意して頂きたいと思います。

◇◇◇

チョコ太ちゃんMさんちのチョコ太ちゃん

もうすぐ17歳になります。
5~6年ほど前から、腎疾患と椎間板ヘルニアの鍼灸治療をさせて頂いています。

腎疾患は、鍼灸とお家での「命門」(その隣の「腎兪」)の施灸と、Mさんのスープたっぷり手作りご飯で悪化することなく、ずっと良い状態を保っています。

最近めっきり足腰が弱って来ましたが、同じ歳のワンちゃんよりは、全然元気だと思います。

Mさん、ホント、頑張ってみえますよね!偉い!!・・因みにチョコ太ちゃんは、まだ認知症の症状は出ていません。悪しからず。

2019年 1月 23日 掲載

夏の終わりにインフルエンザが流行り、一旦下火になったようですが、11月に入り寒さが増してくると、インフルエンザがまた流行りだすことだと思います。

今は、数年前と違ってインフルエンザも安全性の高い薬が出てきたようですが、お薬に頼る前に「ヤバイ!! インフルエンザか風邪に罹ったかも・・!?」と思った時には、『大椎;だいつい』という第七頸椎(首の骨の一番下の大きな骨。)の真下のツボを棒灸で5~10分ほどお灸すると、汗が出て来て症状がひどくならずに済みます。

今までこのことをいろいろな飼い主様にお話して来ましたが、数年前にある飼い主様から「姪っ子がインフルエンザに罹ったんだけど、先生に言われたところにお灸したら、ホント高い熱も出なくて軽く済んで良かったわ~!!」とのご報告を頂きました。(ニンマリ(*^^)V)

  1. 「ツボ(=経穴;けいけつ)」という言葉を知ってる方は結構いらっしゃると思います。
    「ツボ」とは、”身体の表面にある病気に対する治療点・または反応点“のことを言います。
    ツボは、皮膚の真下にあるのですが、そのツボは、身体の中の臓や腑、器官と繋がっています。例えば、お腹が痛い時におへそとみぞおちの間のツボを温めると、痛みが治まったりします。これは「中脘;ちゅうかん」という「ツボ」です。主に腹痛の動物さんに使うツボです。
    また、腎臓の悪い猫ちゃんの足首の内側の「太谿;たいけい」というツボを強く押すと、痛いので、その猫ちゃんに怒られてしまうことがあります。
    それは、腎臓と皮膚の真下の「太谿」というツボが繋がっているので、腎臓の悪い猫ちゃんの「太谿」を刺激すると、痛く感じるからなんですね。
  2. 「経絡;けいらく」という言葉をご存知の方もいると思いますが、「経絡」は、ツボとツボを繋げたり、身体の中の臓や腑、器官と皮膚の真下のツボを繋いでいるものです。
    これらを繋いでいる道のことを「経絡」と言うんですね。
    の「ツボ」と②の「経絡;けいらく」を鉄道に例えると、①の「ツボ」は駅になり、②の「経絡」は線路になります。
    ですので「経絡」には、治療に関わる大事な「ツボ」がいくつも乗ってるんですね。
  3. 上でお伝えした『大椎;だいつい』という「ツボ」は、私達人間や動物の身体にある14本の線路のうちの7本の線路が交わる、とても治療効果の高い「ツボ」です。
    『大椎』は、7本の線路・・つまり7つの経絡が交わっているだけあって、別名『百労;ひゃくろう』と言って、あらゆる病気に有効なんです。

この『大椎』をお灸で温めることによって

  • 防衛力を高め、寒さや感染から身を守ります。
  • 体の中に入った寒さの邪気などを外に出します。
  • 体を温めて発汗させることにより、熱を下げます。
  • 血流の滞りを改善します。
  • 頭項部や背中のこわばり・痛みを改善させます。
  • 感染やいろいろな病気によって落ちた「気」を上げます。

・・・などなどいろいろな効果があるんですね~。

ですので、飼い主さまご自身が「何となく風邪っぽいな~・・。」と思われた時には、この「大椎」というツボをお灸してくださいね。
もし、ご自身と同居している動物さんの元気がなくなったら、「大椎」か、もしくは「腎兪;じんゆ・二番目と三番目の腰椎の間のツボ」にお灸するのがお勧めです。

※尚、私達の治療では、お灸を使うこともあれば、針をさすことによって今お伝えした効果を引き出すこともあります。
※いつかこのよもやま話でご説明する機会もあると思いますが、14本の線路とは、十二正経という12この経脈とともに、督脈(とくみゃく)・任脈(にんみゃく)という経脈を合わせて14本とここでは書かせて頂きました。)

以上よろしかったらお試しくださいね~(^^)!

2018年 11月 17日 掲載

私は、「日本獣医中医薬学院」の研究コースで毎月中医学を学ばせて頂いています。
そこで講義と共に出る山内健志校長の雑談が結構好きです。

山内先生の人生観や、山内先生が中医学を師事された今は亡き温雪楓先生がおっしゃった言葉など、ぐっと来るお話が結構あるんですね・・・。
ある時、校長先生がこうおっしゃってました。
「『笑う門には福来る。』っていうけど、ある精神科の先生が、『号泣する門には福来る。』って言ってたんだよね。僕はそれを聞いて、本当にそうだな~っと思ったよ。」と・・。

私の座右の銘に「いいことが起こるから笑うんじゃなくて、笑うからいい事が起こる。」というのがあります。
確かにそれはありますよね! 怒りや疲れでいっつも眉間に皺を寄せてたら、運も人も逃げてっちゃうような気がしますもんね・・。

でも、東北大震災のちょっと後で、あるカメラマンさん(?)が被災者の方々に「笑って、笑って~~!!こういう時こそ、笑って~!!」と言ってカメラを向けて、無理に笑ってもらって、写真を撮っている場面をテレビで見た時、「ちょっと違うよな~・・。」と思ったのを今でも覚えています。
その方は、被災者の方々を元気づけようと思ってそうなさったでしょうし、もちろんそれで元気になった方もいらっしゃるでしょうから、全面否定する気はありませんが・・・。

大事な人を亡くした方、住むべき家が流されてしまった方、大好きな動物とはぐれてしまった方・・・あの一瞬で多くの命と住む家、動物達、そして思い出の写真さえもなくなってしまったところに、「さぁ、笑って~!!」というのは少し無理があるんじゃないかな~・・・って思ったんですね。

辛い時こそ笑うことって大事かも知れないけど、その精神科の先生がおっしゃったように「辛い時こそ泣かないとダメじゃないかな~・・」って、私も思うんですね~。
怒りや悲しみなどをぐっとこらえて、感情を押し殺してばかりいると、心の病気になるばかりか、内臓まで傷んでしまいます。

中医学はあらゆるものを木・火・土・金・水という五つに分類して診断や治療をします。
それを『五行論』と言いますが、『五行論』では、五つの感情があれば、それに対応する臓があると言われています。
「怒り」は肝と繋がっているので、怒りの感情を持つと肝が傷むと言われています。
そしてその怒りをずっと抱えたまま生きていくと、やがて腎も傷んできます。
同様に「悲しみ」は肺を傷め「思い悩む」と脾を傷めます・・・そして「恐怖」は腎を傷めるのですね。

涙の中にはステロイドホルモンと言う、ストレスの時に出てくるホルモンが含まれています。
辛い時には、信頼できる友人(または家族や恋人)がいたら、その人の前で泣けばいい。
もし、そういう人がいなかったり、恥ずかしくてそれが出来なかったら、夜一人で車を走らせて、その中で大泣きすればいい。
そしてそれも出来なかったら、悲しい映画を見て泣いたそのついでに大泣きすればいい・・。

天災が続いて、今でも未だ大変な思いをしてらっしゃる方が沢山いらっしゃると思います。
泣いても現状は変わらないかも知れません。
でも、悲しい気持ち・辛い気持ちをため込まないで、時には号泣してください。

確かに『笑う門には福来る』・・ですが、『号泣する門にも福来る!』だな~・・・と思う今日この頃です。

◇◇◇

ワンちゃんこの飼い主さまは、ペットショップで長年働いてらっしゃいました。
そのご縁で、売れ残った子や、障害があって売り物にならなくて処分されそうになった子達を引き取って飼ってらっしゃいます。

この子は、右目が生まれつきつぶれていたので、この飼い主さまが5年前に引き取られたとのことでした。

来院当初は頸椎ヘルニアの痛みでかなり大人しかったのですが、今は元気になって、治療中は結構ヤンチャをするようになりました。こうしてワンちゃん達の命が繋がっています。本当に感謝です。

◇◇◇

ブン太君若い頃股関節形成不全で大腿骨頭の手術をしたり、その後血便があったり・・で大変だったブン太君ですが、Mさんの手作りご飯とプールのリハビリでここまで元気になりました。

開業当初、後ろ足を痛がるとのことで来院されて以来、今は月一で通院されています。因みに超元気!!です。

この写真は「治療中良い子にしてたんだからさぁ~・・。ちゃんとご褒美のおやつ、ちょうだいよぉ~・・・!」と、カウンター越しに待合室から私に訴えているところです。超可愛い~~~(*^_^*)♡♡!!ですね。

2018年 11月 07日 掲載

中医学(鍼灸)セミナー

去る9月8日(土)、『第二回 中医学(鍼灸)セミナー』を名古屋のリリー動物病院にて行いました。

名古屋では去年の秋に引き続いて二回めでしたが、初めて出席して下さる方ばかりでしたので、総論も各論も初めての方対象の内容にさせて頂きました。

総論では、「中医学は何をベースにして作られているのか!!」というお話をさせて頂きました。
その前に・・「中医学という言葉自体、あまりメジャーではないのでは?!」と思いましたので、「中医学は東洋医学の一つであり、○○医学というのは東洋で作られた伝統医学のことなんですね~!」というお話からさせて頂きました。

ですので、インド発祥の伝統医学であればアーユルヴェーダになります。
ということは、「中医学」は、中国で作られた伝統医学のことですよ~とお伝えしました。(このことに関しては、とらえ方が一様ではないようですけどね。)

っで、その後「中医学」は何を基にできていて、どんなことを大事にしているか!!ということをお話しました。それらは以下の通りになります。

1.気の理論・・「中医学の全ては気から始まる。」

宇宙に存在する全てのものは「気」からできているので、私達人間や動物の身体を構成しているのは、最小単位である「気」ということになります。
そもそも中医学はその「気」を基本にして考えるんですね! ということをお伝えしました。・・とはいえ、最初はこのことが「ピン!!」とは来ませんでした・・という私自身の臨床での体験談も含めて話をさせて頂きました。

2.整体観念のうちの一つめ、「天人合一(てんじんごういつ)」

「人間も動物さんも自然と一体であり、私達は生きている限り自然の影響を受けている。」
なので、暑い時は熱中症になり、湿気の強い時は、お腹を壊したり、寒い時は風邪をひきやすくなる・・・という話。

3.整体観念のうちの二つめ、「心身一如(しんしんいつじょ)」

「心と身体は繋がっていて切り離すことができない。」
このことは皆様ご経験済みの方もいらっしゃると思いますが、心が病んでいたら身体まで病むし、その逆もある。
・・・という話。でもこれって人間だけじゃなくって、実は動物さん達もそうなんですよね~。

4.4つめは、「身体の臓と臓、ツボとツボ、ツボと臓などは繋がっていて、どちらかが助けたり抑制したりしながら、身体は成り立っている。」という話。

この発想は西洋医学には全くないものです。ただ、具体的な例でいうと、経絡(けいらく)や五行論(ごぎょうろん)の話になるので、詳しい話は次回各論として五行論でお伝えしますね~!と言うことになりました。

その後、各論の「陰陽論」・・・中医学は上でお伝えした通り「全ては気から始まる。その気を陰と陽に分ける。」という事であり、どんな感じに分けられるかという具体的な話の後、「中医学の根本は陰陽であり、陰と陽のバランスを整えることが治療の根本なんですよ~~!!」という事をお伝えして、座学はおしまい。

その後は、「医学気功」を皆さんで楽しく実践して頂いて、セミナーは終わりました。

今回のセミナーをやることになった時に、樋口空ちゃんのお母さんが「センセー!!私このセミナー聞きに行きたいけど、名古屋高速乗れないから、こっち(阿久比の病院)でもやってよ~!」と言って下さいましたので、水出先生と阿久比の看護師にも協力してもらって、10月13日(土)、午後5時より阿久比のリリー動物病院でも同じ内容のセミナーをさせて頂くことになりました。

気功もして頂くので、場所のスペースを考えると、後2名様になってしまいますが、空きがあります。
この機会に「中医学」や「鍼灸」を少しでも身近に感じて頂けたら、嬉しいな~と思います。
ご興味のある方は、どうぞいらして下さいね(*^_^*)!

中医学(鍼灸)セミナー中医学(鍼灸)セミナー中医学(鍼灸)セミナー

2018年 9月 16日 掲載

椎間板ヘルニアのみならず、関節等の骨の疾患は、寒さや湿気で発症することが多いです。(寒さのことを中医学的に言うと“寒邪”と言い、湿気は“湿邪”と言います。)
ですので、一年の中では決まって、寒い冬に多くの子たちが発症します。

寒い時は、初めて発症した動物だけではなく、過去に発症して鍼灸治療で一旦良くなっていた動物たちも再発することが多いです。

ですが、冬以外でも発症する時期ってあるんですね・・。
そうです!!
暑い夏が続く時も実は再発率が高いのです。

今年は特に暑くてエアコンをずっと掛けっぱなしでおられた方が多いと思いましたので、治療におみえになっていた飼い主様には、「エアコンはこの時期かけないと熱中症になりますけど、ワンちゃん達の身体はここ・・、ね!? 私達よりも低いとこにいるでしょ?! エアコンの低い温度は下に行くのですっごく身体が冷えるんですよね。なので動物たちが暖かい部屋に自由に出入りできるようにしておくか、そうでなかったら一枚お洋服を着せてあげて下さいね!」とお伝えしてました。

ですが、もうすっかり良くなって、椎間板ヘルニアだったことを感じさせないような子が、エアコンの低温(寒邪)のせいで、いきなり再発するんですね・・・。
もしかしたら、ワンちゃんは数日前から違和感や痛みを感じていたのかも知れませんが、飼い主様からするとそれが分からない事が多く、この夏も数頭の子が再発してしまいました・・。

一度椎間板ヘルニアを発症している子、高齢の子、それから若いけど嬉しい時にぴょんぴょん飛び跳ねる子、段差のある所を上がったり下がったりしている子・・・などは、エアコンを利かせたこの時期は特にお気をつけくださいね!

※ちなみに、一度発症してから再発率の低い動物たちは、その子たちの飼い主さまにある共通点があります。
それは何だか分かりますか?!

それは回復後のお家でのケアです。
滑らないように廊下などに滑り止めマットを敷いておくもの大事ですが、それ以上に大事なのは、お家での棒灸による施灸です。
重度だった子ほど、毎日するのが理想ですが、それが出来ないようでしたら毎日とは言いません。
週に2~3回(できれば3回)、腎兪という背中のツボに施灸するだけで、かなりの動物の椎間板ヘルニアの再発を防ぐことが出来ます。罹り始めでしたら、施灸だけで改善するケースもあります。
中医学では、基本的に全てのものを5つに分けて考えます(五行論と言います)。
骨と腎は繋がっていると捉えますので、椎間板ヘルニアのみならず膝蓋骨脱臼やその他骨の疾患の多くは、腎兪にお灸することはとても治療効果があるのですね。
過去に椎間板ヘルニアになった動物と暮らしている方は、よろしかったらお試しくださいね。

※椎間板ヘルニアの再発は施灸をしていたら絶対に再発しない。とか、腎兪の施灸のみで椎間板ヘルニアは改善する。とは言っていませんので、そこのところは思い違いして頂かないよう、お願いしますね。

棒灸

上の黒い棒状の棒灸(ぼうきゅう)は、炭のお灸です。炭の中にお灸の成分であるもぐさが練りこんであります。煙が殆ど出ないので、煙の嫌いな動物さんや飼い主様にお勧めです。但し、施灸している間に、消えかけた熱い炭が身体に落ちることがあり、動物さんの身体とお灸の間に布を置いても、動物さんが火傷をすることがあるので、要注意⚠です!!
それと下の棒灸に比べると、炭だけあって時間と共にすごく熱くなりますので、熱すぎないかどうか、必ずマメにチェックしてあげてくださいね。

下の棒灸は、もぐさとともに鎮静・鎮痛効果のある漢方薬がブレンドされている棒灸です。上のものと比較すると結構煙は出ます。ですが、その煙も嗅いでいると脳の血流が二倍になると言われています。(老犬・老猫・老人に良いですよね!)
炭の棒灸と比べると火傷の頻度は低いですが、やはり動物さんに火傷をさせないように、くれぐれもご注意⚠くださいね!
※動物さんたちがごぞごぞしている時は、じっとしている事に飽きた時もあれば、熱い!!と感じている時もありますので気をつけてあげてくださいね。

2018年 8月 16日 掲載

去年10月に引き続き、第2回めの『中医学セミナー』を、6月16日(土)に名古屋のリリー動物病院にて開催致します。

そもそもこのセミナーは、椎間板ヘルニアの鍼灸治療でワンちゃんを連れてきて下さっていたSさんに「中医学を勉強したいんですけど、いいセミナーないですか?!」と聞かれた時に、「私で宜しければ、やらせて頂きますが・・。」というところから始まりました。
皆さんお忙しい中、時間を割いて名古屋まで来て下さるので、「参加者して下さった方々に行って良かったな~。と思って頂けるようにしなくては!!」と、気合だけは十分入っています(笑)。

今回のセミナーは2回目ということもあり、「そもそも中医学は、どういう考え方で成り立っているのか(総論)というお話の後、各論をおおまかにご説明し、その中の『陰陽五行論』のうちの『陰陽論』をご説明しようと思います。そしてお家でもやって頂けるような簡単な気功を皆さんと楽しくできたらな~と思います。

ただ、前回と今回で大きく違う事と言えば・・・
この5~6年の間、人様の前でお話させて頂く機会が結構ありましたが、毎回副院長の水出先生が、頼まなくてもちゃんと私のタイムスケジュールを作ってくれて、パワポも作成してくれてました。そしてセミナーの練習にも付き合ってくれてたのです。(感謝~♡♡)
ところが今の時期はフィラリア予防と狂犬病のワクチンで忙しいので、水出先生の手を借りることなくやらなくてはならない!!ということです。ですので申し訳ないのですが、当日のセミナーはパワポなしで私の手作りの資料だけ、もしくはホワイトボードを使っていこうと思っています。

さて、水出先生は私の一回り年下なんですが、先ほどもお伝えした通りいつも私の面倒をみてくれるので、私と水出先生の関係は、『のび太とドラえもんの関係』とおんなじなんですね(苦笑)。

そしてこの『のび太とドラえもんの関係』は、中医学的な観点から見てみると『陰陽五行論』の『五行論』でいうところの、「母子の関係」と言えます。

例えば、私が『肝』であったら、彼女はその親である『腎』になります。肝は五行でいうところの『木;もく』であり、腎は『水;すい』になります。(下図を参照してくださいね)
『木;き』が育つ為には『水;みず』が必要なので、『水(腎)』は『木(肝)』の母親として、母(腎)が子(肝)を助ける関係にあるのですね。ですので肝と腎は母子関係にあると言えるのです。それは他の臓でも同じことが言えます。(これを“相生関係;そうせいかんけい”といいます。)

陰陽五行論

中医学では、西洋医学のように、それぞれの臓器や器官を独立したものとして考えるのではなく、「私達の身体は一つの有機体であり、どの臓もどの器官もお互い助けたり助けられたり、はたまた抑制したりしながら、平衡状態を保っている。」という事に基づいて病気の診断や治療をするんですね~。
ですので、知れば知るほど、「中医学って面白いな~。」と思います。
中医学は、西洋医学とは全く異なる観点で病気を診るのですが、今お話した肝と腎の母子関係にしてもその母子の関係を利用して治療していくと改善したりするので、ちゃんとつじつまが合ってるんですね!

昨日(15日)は新月でしたね・・・。
『お陰様で6月16日(土)は、受講して下さった方々に満足して頂けるようなセミナーが出来ました。それから明日も病院に来て下さる動物と飼い主さまが元気になりました。ありがとうございました。そうなりました。出来ました。出来ました。』と、新月や満月の日にこうやって過去形でお願いすると、夢が叶うそうですよ~。

それでは皆様、ごきげんよう(^^)~!

◇◇◇

中医学セミナーチラシ

名古屋の看護師芝原さんに顔晴ってもらって、今日チラシが出来上がりました! 

どうか出席して下さる皆様のお役に立てるようなセミナーになりますように~・・。という感じです。

◇◇◇

ツボてぬぐい7年前に学院で購入した『ツボてぬぐい』は、白でした。

私の家にずっと貼ってありましたが、かなり汚れてきたのでこの度新しく購入したのがこれです。

可愛い色で染色されていて、とても気に入りました!
看護師の芝原さんに「見てみて!これ可愛いでしょう~!!」と言ったら、「・・・」返事が返ってきませんでした(笑)。

私的にはとっても気に入ったんだけどな~・・・。

◇◇◇

Mさんとくるみちゃん阿久比の病院に通って下さっているMさんとくるみちゃんです。

くるみちゃんは大きな病院で一旦検査をしてもらい、腫瘍の疑い濃厚と言われました。
更に麻酔をかけて突っ込んだ検査をするのは怖いということで、検査は止めて「少しでも食欲が出てくれたら・・。」という思いで、先日お連れになりました。

Mさんは、お腹を空かせた野良猫をほおってはおけず、気がついたらこの15年間で14頭になっていたそうです。

その間も多くの猫ちゃんを見送ったというMさん。
「Mさん、絶対にその子たちはMさんの事見守ってくれてますよ~。猫の恩返しって、きっとあると思いますもん。」とくるみちゃんにお灸をしながら二人でそんな話をしてました。

2018年 5月 16日 掲載

前回のよもやま話で、しっぽの付け根に『肛門周囲腺腫』という腫瘍が出来ているソラちゃんの話をさせて頂きました。

ソラちゃんは14歳のロングチワワさんです。
もともと首の椎間板ヘルニアの鍼灸治療をさせて頂いていたのですが、二年前にソラちゃんの細いしっぽに大きな腫瘍があることに気づき、腫瘍の摘出はせずに、腫瘍を小さくするのを目的とした「去勢手術」をすることになりました。
ですが、手術直前になってソラちゃんに手術のリスクがあることが分かったので、手術は断念して、鍼灸治療のみで様子を見ていくことになりました。
今日は、二年間ソラちゃんの腫瘍の治療をさせて頂いて、ソラちゃんから学ばせて頂いたことをご報告したいと思います。

最初の10か月間は、『皮内針』と言って、後ろ足の「足三里」というツボに、5㎜~7㎜の短い針を入れっぱなしにしする手法を使っていました。そして腫瘍の大きさを経時的に測りながら様子を見ていったのですね。(写真参照)。
その後、『皮内針』を取り外し、腫瘍の原因となる『瘀血・おけつ(血の滞り)』を取ることに専念した治療に変えていきました。

治療していくうちに、最大5㎝だった腫瘍は、3.2㎝まで小さくなりましたが、大きくなったり小さくなったりを繰り返していました。計測表を見ていくうちに、〝腫瘍の大きさの変動とソラちゃんの精神状態に深い関係″があることに気づきました。
とにかくソラちゃんはお母さんのことが大好きなので、お母さんが体調を崩して寝込まれると、ソラちゃんは心配になって腫瘍が大きくなり、快復されると小さくなる・・。そしてお母さんが沖縄にいらっしゃる娘さんに逢いに行かれると、その淋しさでまた大きくなる・・。ということを繰り返していたのですね。
今は、お母さんと一緒にいる時間が長くなったこともあり、ここのところ3.4㎝で落ち着いています。(もう少し小さくなってくれたらな~・・と思ってはいますが。)

3000年前から『心身一如(心と身体は繋がっている)』と言われてきましたが、それは人間に限ったことではなく、ワンちゃんでもそういう事が言えることがこれで証明されました。
そして、ソラちゃんのように、飼い主様と動物は人間の親と子のように見えない太いパイプで繋がっているので、そのパイプが太ければ太いほど(絆が深ければ深いほど)、そういった現象が起こるのだと思います。
このことは、ワンちゃんに限ったことではなく、猫ちゃんだって、ハムスターさんだって、こういった事を感じた場面が今までに何度もありました。

だからと言って・・・「一緒に生活する動物たちに淋しい思いをさせてはならない!だから絶対に離れてはいけない!」とか、「彼らには感情があり、人間と感性が似ている」という理由で、必要以上に過保護になるのが好ましいとは決して思っていません。
ですが、ご縁あってこうして動物たちと巡り合い、そして飼い主さまを心配したりするその心の持ちようで身体にまで変調を来してしまうような愛しい動物たちを大切にして頂きたいな~と思います(^^)♡。
以上、長くなりましたが、『心と身体は繋がっている!飼い主様と動物も繋がっている!』のご報告を終わります(^^)。

◇◇◇

しっぽの付け根に出来た腫瘍ソラちゃんのしっぽの付け根に出来た腫瘍

鍼灸治療をし始めた頃の記録鍼灸治療をし始めた頃の記録
(2016年、一枚目)

途中の記録途中の記録(2017年、三枚目)

お母さん(Tさん)が体調を壊された時やご旅行に行かれた時に、ソラちゃんの腫瘍は大きくなっています。

ソラちゃんとTさんソラちゃんとTさん ソラちゃんはお母さんのことが大好きです(^^)!

そしてソラちゃんを見つめるTさんのまなざしもいつも優しいです♡。

 
2018年 3月 22日 掲載

前回のよもやま話で、中医学のベースとなる理論について簡単にご説明させて頂きました。
そこで『心身一如』(心と身体は繋がっていること)についても触れました。
今日はそう感じる場面は人に限った事ではなく、動物たちにもあるという例を皆様にお伝えしようと思います。 

例えば嫌いな猫と同居している猫ちゃんが、ストレスの為に背中の毛の殆どが抜けてしまったり、大好きな飼い主様の取り合いで、留守中ライバル犬?に威嚇され続けたそのストレスで、緑内障になってしまったワンちゃんなど、今まで「人間のみならず動物たちも心と身体が繋がってるんだな~。」と思わせるような子が結構いました。
今回は飼い主さまがご旅行に出かけたり、飼い主様の体調が悪くなってしまうと、心配が高じて腫瘍が大きくなってしまうワンちゃんの症例をご報告しますね。(掲載させて頂くことは飼い主様からご承諾済みです。)

その子は、T.ソラちゃんという可愛い14歳のロングチワワさん、男の子です。

ソラちゃんは、子供の時から眼の手術をしたり、原因不明の血便が続いたりと大変な子でしたが、歳を重ねるごとに落ち着いてきて、年に一回のワクチンの時にお逢いするくらいになりました。
ところが、9歳の時に突然椎間板ヘルニアになり、また鍼灸治療で通院して頂くことになりました。

良くなっては再発し、また良くなって・・を繰り返した後、月に一回のメンテナンスの治療になった3年前のある日、ソラちゃんのしっぽの付け根に大きな腫瘍があるのを発見しました。
しっぽの付け根にできる腫瘍で悪性のものもありますが、検査の結果、ソラちゃんは良性の『肛門周囲腺腫』であることが分かりました。
ただ、普通『肛門周囲腺腫』と言えば、病名通り、肛門の周りにできることが多いのですが、ソラちゃんはしっぽの付け根に出来ていたのですね。
Tさんは「一旦様子を見たい」とのことでしたが、ある時期から急に大きくなった為、手術に踏み切ることになりました。ただ、腫瘍が大きいだけに、もしかしたらしっぽを一緒に取ることになるかも知れないことをお伝えしたところ、まずは一旦『去勢手術』をして、様子を見ましょう!」ということになりました。(この病気は去勢して男性ホルモンの分泌を止めてしまえば、95%の子の腫瘍が小さくなる為、それを期待したわけです。)

ですが、手術前に麻酔を掛けて毛刈りをした時、ソラちゃんが大変な体質であることに気づきました。
毛刈りしたペニスの周りの皮膚に、『紫斑(しはん)』という紫色の斑点がいっぱい出来ているではありませんか!?
『紫斑』というのは、皮膚や皮下織内に出血した為に起こる点状の赤紫色の斑点のことです。

その原因はさまざまであり、
①血管に問題がある場合
②血管以外の組織に問題がある場合
③出血した時にそれを止める成分(主に血小板)が減少する場合
の三つに分かれます。

ソラちゃんの場合、その後三度に及ぶ血液凝固検査の値が正常値のギリギリだったことから、上の③の可能性が高いということになり、「もし、手術すると出血が止まらなくなるような、突発性の大きな病気の可能性が高い為、今後は要観察、そして当分の間手術は見合わせる。」ということになりました。
三回目の検査は首から採血したのですが、翌日首を見たら、そこにも『紫斑』が出来ていました。それで、「もう手術は考えないで、鍼灸治療で様子を見ましょうか。」というところに落ち着きました。

あらまっ、気が付いたら、かなり長~~くなってしまいましたね!
ここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございましたm(_ _)m。
続きは次回、ということで・・・かなり暖かくなりましたが、昼夜の温度差が激しい今日この頃、皆様も動物さん達も・・体調管理の方、よろしくお願いしますね~(^^)!
ではでは~・・・。

◇◇◇

ソラちゃん14年前のワクチン接種の時の写真。

「きゃ~、可愛いい♡!」って思わず声が出ますね!!

今は社会人になって活躍なさっている娘さんに抱っこしてもらってパシャ!!

ソラちゃんのしっぽの腫瘍ソラちゃんのしっぽの腫瘍。

二週間前はもっと平たくて、大きさも変わらずに安定していたのですが、お母さんの具合が悪くなって数日寝込んだ時に、一気に分厚くなりそして大きくなってしまいました。

 
2018年 3月 15日 掲載