その⑬「お灸の効能とその方法」
こんにちは!
今回は、今まで「よもやま話」で何度か書かせて頂いた「お灸」についての効能とその方法をお伝えしたいと思います。
お灸は、私が鍼灸治療をするようになった10年程前から飼い主さまにお願いして、ご自宅でワンちゃん・ネコちゃん・ウサギさん等にやって頂いていますが、今でも「こんなに効果があったなんて~!!」と、私の方が驚くぐらい逆に飼い主さまから効果の高さを教えて頂く場面もあります。
以下の通り「お灸」についてざっとご説明しますね!
▷艾灸法;がいきゅうほう(「もぐさ」を使ったお灸のこと)の効能とその方法
効能:
そもそも「もぐさ」は、「ヨモギ」という葉の裏の綿毛を精製したものです。
「ヨモギ」は元々漢方薬として古くから使われていました。
「ヨモギ」には、解毒・浄血(血液をきれいにする。)・止血・健胃(胃の働きを助ける。)などの作用があります。
そして主成分は「チネオール」という精油成分であり、もぐさを燃やす時に匂う独特の香りは、「チネオール」が発するものです。
上のような作用を持つ「もぐさ」を熱で温めて皮膚に直接(もしくは間接)お灸をすることにより、細胞を活性化させて免疫機能を上げたり、血液やリンパ液の流れを改善することにより炎症や痛みを和らげます。
そのようにして、お灸は私達の病気の予防や治療と共に身体を健康に保ちます。
そして身体のみならず、”気”(気とは私達の身体を構成する目に見えないエネルギー体のような物)を整えて元気にします。(”気”に関してご説明したらそれだけで一つのよもやま話になるくらいですので、後日またご説明しますね。)
方法:
「艾灸法」の1つに「艾條灸:がいじょうきゅう」があります。
「艾條灸」には以下の4つの方法があります。
①懸起灸(当院でよくお渡ししている棒灸です。)
②触按灸(直接肌にのせるお灸法)
③隔物灸(ニラ、ミソ、生姜などを皮膚とお灸の間に挟んでお灸する方法)
④灸頭針(針を皮膚に刺して、その針の頭に団子状にして軽く固めた「もぐさ」に火をつける方法)
ここでは当院で飼い主さまにお渡ししている「懸起灸(棒灸)」(写真②)についてご説明します。
①温和灸:
お灸をしたい所に、3~5センチ離して、10~15分(動物が飽きるようであれば5分くらい)棒灸を充てます。
一か所にずっと充てますので、熱くなりすぎないように注意して、棒灸ストッパー(写真②)がない時は、動物に火傷させないようにする為に小指を必ず皮膚につけて固定しながら行ないます。(よく動く動物にはこれがお勧めです。)②回旋灸:
皮膚から3cmくらい離して、図ー1の様にお灸を平行往復させたり回旋させたりします。時間は20~30分位。①よりも広い範囲でお灸が出来ます。
(①と②は、下の③程熱くないので、まったりとします。ただ、施灸中によく動く子は②と③はお勧めではありません。)③雀啄灸:
皮膚から3cm位の所からギリギリ火傷しない所までの皮膚(ツボ)にお灸を近づけたり遠ざけたりしながら施灸します(図ー2)。時間は5分前後。
熱力が強い分だけ即効性があり、短時間で効きます。
(ただ、火傷だけは十分ご注意して下さい。)
いかがでしたか?!
「もぐさ」が棒状になった棒灸一つとっても、上の様な方法があるんですね!
動物の性格や病気に応じて、これらを使い分けて頂けたらと思います。
もちろん日頃お疲れの飼い主さまにも是非お灸して頂いて、いつもにこにこ健康でいて下さればと思います。
飼い主さまがいつも健康でお元気であれば、動物達もその影響を受けて元気になりますので・・・・。
それではどうぞお試し下さいね。
ではでは~~(^^)/