災害に備えて(その1)
みなさんは、ワンちゃん・ネコちゃんの災害時の備えは万全ですか?
今回はいざという時に備えて、「飼い主さんができること」「ワンちゃん・ネコちゃん自身ができるといいこと」をお話しさていただきますね。
★「飼い主さんができること」★
1 ワクチン接種をしておく
→はぐれた際や避難所において、感染症の流行が心配されるからです。
2 迷子札・鑑札・マイクロチップ » 参照
→室内にいる子でも、飼い主さんの外出中に災害に襲われ、パニックを起こして外に出てしまうかもしれません。はぐれた際にとても有力な情報になります。
3 避妊・去勢手術をする
→はぐれた際や、避難生活などでの、他のワンちゃんやネコちゃんとのトラブル防止になります。
4 いつもいる場所を安全な場所にしておく
→いつもいる場所の周りに、落ちやすいものや倒れやすいものがないようにしましょう。また、室内であれば窓際、室外であればブロック塀から離すようにしましょう。
5 近くの動物愛護管理センターの連絡先、場所を知っておく
→はぐれた際に保護されていないか確認できます。
6 避難場所を決めておく
→まず、避難を考えている場所がペットの受け入れが可能かどうか、最寄りの市役所か役場に確認しましょう。場所が決まったら一度自宅から歩いてみて、安全で最短なルートを確認しましょう。
7 協力しあえる輪を作っておく。
→ご近所の方や、Web友達など
8 避難グッズを準備し、持ち出しやすいようにしておく
避難グッズチェックシート
- □ ドライフード
- 3日以上は準備しておいたほうがよいでしょう
- □ 缶詰、パウチタイプのウエットフード
- 水か少ないときに水分の多いウエットフードが役立ちます
- □ おやつ
- 緊張やストレスを軽減できます
- □ 水
- 飲用、ケガをした際に傷口を洗えます
- □ フードボウル
- かさばらないアウトドア用の、たためるフードボウルがあるとよいでしょう
- □ いつも飲んでいる薬、予防薬
- □ ペットシーツ
- □ 首輪、リード、ハーネス
- 室内につねにいるワンちゃん、ネコちゃんでも、首輪をつけておいた方がいざという時につかまえやすくなります。リードは付ける時間がないこともあるので、予備を用意したほうがよいでしょう。
- □ カッパ
- 雨を防ぐ以外に、寒さ、ケガの予防にもつながります。
- □ ブーツ、くつした
- ガレキが多いが抱っこできない時に役立ちます。
※事前に履いて歩けるように練習をしたほうがよいでしょう。 - □ ケージ、キャリー
- ※避難所にいる場合、長く中に入ることが考えられます。日頃から落ち着いて入っていられるようにしましょう。
- □ おもちゃ
- 緊張やストレスを軽減できます。
あまりスペースがなくでも遊べるものがよいでしょう。 - □ 口輪
- ワンちゃんが避難所に入った際、飼い主さんも周りの方も安心できます。
拾い食いの予防にもなります。 - □ ペットの写真
- はぐれた際、今の特徴が良くわかる写真を準備しましょう。
写真は家族の方と一緒に写っているものや、全身が写っているもの数枚あるとよいでしょう。
※定期的に交換することも忘れずに。成犬・成猫ちゃんであれば、6ヶ月
仔犬・仔猫ちゃんであれば、1ヶ月 - □ ワンちゃん・ネコちゃんの情報を細かく記した手帳
- 食事について、給与回数、給与量、運動、好み、嫌いなこと、病歴、現在投与している薬、合わない薬、処方されている食事、主治医、かかりつけの病院名と連絡先、飼育環境(温度、湿度、明るさ、飼育場所)、注意事項(咬傷事故歴、理由など)その他必要と思われることはなんでも記載してください。
そして、飼い主さんの住所、氏名、連絡先、携帯電話番号も忘れずに記載してください。
手帳には写真を貼っておくと良いでしょう。 - □ ワクチン証明書や鑑札、狂犬病予防注射済票
- □ 黒の油性ペン
- はぐれた際の情報伝達などに役立ちます。
- □ ビニール袋
- □ 応急手当用品
- ガーゼ、包帯、洗浄綿、綿棒、紙テープ、ハサミなど。
- □ 保温用品
- 使い捨てカイロ、毛布など。
- □ タオル
★「ワンちゃん・ネコちゃん自身ができるといいこと」★
- 1 人や他のワンちゃん、ネコちゃんなど、周りとうまくコミュニケーションがとれる
- 2 ワンちゃんは基礎訓練(「お座り」「伏せ」「待て」)ができる
- 3 呼べばすぐ来る
- 4 ケージやキャリーなどで落ち着いて過ごせる
1 はご近所の方や、お友達、お散歩友達にも協力してもらいましょう。
2~4 はご褒美(おやつや遊んであげるなど)とセットにして「いわれた通りにしたら、いいことがある。」ことを覚えてもらうと早く覚えてもらえます。
教え方のコツについては、後日『災害に備えて(その2)』で詳しくご説明させていただきますね
以上のことができず、ペットを受け入れている避難所でも受け入れてもらえなかったことがあったようです。
ワンちゃん、ネコちゃん自身の備えは、日頃の練習なしではできません。
今のうちに少しずつできるようになるといいですね。
※災害に関することでご興味ある方は、NPO法人アナイスもご覧ください。
いざという時に備えて日頃から災害に備えていただき、大切な家族であるワンちゃん、ネコちゃんを守ってあげられるようにしてくださいね。
担当:動物看護師 柴田由起