チョコレート中毒とは…
バレンタインも終わってしまいましたが、今日はみなさんも聞いたことのあるチョコレート中毒についてご説明します。
ネコちゃんはチョコレートに対し嗜好性は高くないのであまり心配はいりませんが、ワンちゃんは喜んで食べる子も多いみたいなので注意が必要です。
【1】なぜ、チョコレートで中毒が起こるのでしょうか?
チョコレートの中には、犬猫にとって有害物質である「テオブロミン」という成分が入っています。
テオブロミンは、チョコレート、カカオ豆、カカオ豆の外皮、コーラ、茶に存在している物質で、特に、チョコレートやカカオ豆は含有率が高いのです。
チョコレートを大量に摂取すると、テオブロミンと言う成分が犬猫では身体から排泄されず留まり、中毒症状が起こります。
【2】チョコレート中毒の症状とは?
チョコレート(テオブロミン)中毒になった場合の症状は、嘔吐・下痢・興奮・抑うつ・不整脈・パンティング(ハーハーすること)・高体温・運動失調(フラフラすること)・ふるえ・痙攣・発作、時に死に至る昏睡等があげられています。
【3】どのくらいの量のチョコレートを食べると危ないのでしょうか?
テオブロミンのLD50(50%が死亡する量)は約100~200㎎/㎏と言われていますが、これ以下でも命にかかわる重篤な症状を現す可能性もあるそうです。
20㎎/㎏だと軽い症状がみられ、40~50㎎/㎏では重篤な症状、60㎎/㎏で痙攣がおきます。
各チョコレートのテオブロミン含量はそれぞれ以下の通りです。
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つまり、5㎏の犬がミルクチョコレート50g(製品約1枚)を食べると軽い症状が出て、100g(製品約2枚)以上食べると重篤な症状が出るという事です。
また、3kgのチワワがチョコレート効果99%を6g(製品約1/8枚)食べると症状が出て、12g(製品約1/4枚)以上食べると重篤となる可能性があるという事です。
なので、特にカカオ成分の高いチョコレートは少量でも危険です。
ちなみに、ホワイトチョコレートはテオブロミンの含量がわずかですので、普通のチョコレートと比べたら中毒は起きにくいです。
【4】もし、チョコレートを食べてしまったら?
もしチョコレートを食べてしまった場合は、すぐに吐かせる必要があります。
食べてから時間が経てば経つほど体に吸収されてしまうので、少しでも早く病院へご連絡頂き、お連れください。
その時以下の事をご確認いただけると、よりスムーズに治療をさせて頂けます。
~チョコレート中毒の疑いのある時に~
1.何時頃食べたか?
2.どの位食べたか?
3.チョコレートの種類と成分
4.どのようにして食べたのか?
(チョコレートのみ?銀紙もいっしよ?)
担当:看護士 鳥居