夏から秋の皮膚病のお話
今年の夏は雨が多いですね。まだまだ暑い日も続きそうです。
夏~秋に多い病気の一つに「皮膚病」があげられます。日本の夏は高温・多湿で細菌や真菌(カビ)が増えやすい事が原因の一つに挙げられます。
また、夏休みなどで普段行かない場所で遊ばせる機会も多く、気がつかないうちに病気の原因を拾ってきてしまうことも多いのではないでしょうか。
今回は皮膚病の中でも特にこの時期に多いものについて簡単にお伝えしたいと思います。
●ノミ、マダニ
- 山やキャンプ場など、草むらで寄生される事が考えられます。
ノミは小さく素早いので、気がつかないうちに寄生されてしまっている事も多いでしょう。また、瓜実条虫というお腹の中に寄生する寄生虫の運び屋でもあります。
マダニは血を吸って大きく膨れるので、飼い主さんがイボと思われて来院される事もあります。ガッチリ皮膚に食いつくので、無理やり除去すると跡が残ってしまう事があります。
どちらも背中に垂らすタイプの予防薬がありますので、春~秋口くらいまではしっかりとガードしてあげて下さい。
●細菌性膿皮症
- 毛穴の中に細菌が感染し、ただれてしまったりニキビの様なものが出来てしまったりします。赤みや痒みを伴いますので、気にしてなめたり掻いたりする症状が見られます。
夏に多い理由は川遊びの機会が増える事が考えられます。遊んだ後にしっかりとシャンプーして、体に着いた細菌を落としておきましょう。
この病気は抗生物質の塗り薬や飲み薬で治療します。
●急性湿性皮膚炎
- 様々な理由で起こる病気ですが、特に長毛種の子では「毛玉」の下が蒸れてしまったり、血行障害を起こしている事が原因となる事もあります。
夏場だけに限らず、こまめにブラッシングして清潔に保ちましょう。暑い時は毛を短くカットしてあげてもいいかもしれません。
この病気は抗生物質の飲み薬で治療します。
皮膚病はスキンシップやブラッシング時の観察で飼い主さんに気付いて頂ける病気です。
痒みや赤みなどの気になる症状を見つけたら、早めにご相談下さいね。
担当:獣医師 水出
2011年 8月 22日掲載
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