肝リピドーシスについてのお話
肝リピドーシスはいわゆる脂肪肝の事で、猫ちゃん(特に2歳以上の肥満した猫ちゃん)でよく見られる病気の一つです。
ストレス、他の病気、中毒などの原因で、猫ちゃんが2~数週間にわたって食欲不振や食べられない状態となるとこの病気になってしまう可能性があります。
代表的な症状は、食欲不振、体重・元気の低下、黄疸、嘔吐などがあげられます。特に黄疸は著しく、皮膚や瞬膜などの色が”黄色く”なってしまうこともしばしばです。
進行すると痙攣発作や麻痺、昏睡といった症状も引き起こします。
死亡率が高く、回復しにくい病気でもあります。
●どうしてこの病気になるの?
肝臓の役目の一つに、「体内の脂肪からエネルギーを取り出す」というものがあります。
何らかの原因で食欲が低下した場合には食餌からのエネルギーが不足し、その分をまかなう為に体中の脂肪が分解されはじめ、肝臓に集まってくるのです。この時、肝臓の処理能力以上の脂肪が集まってくると、エネルギーとして使われることなく肝細胞の中にどんどんと溜まっていって脂肪肝となってしまうのです。
●どんな治療をするの?
肝リピドーシスの治療としては、点滴による全身状態の改善や、栄養カテーテルの使用による強制給餌などを行います。食欲が出始めてからも積極的に食餌を食べさせることが重要です。また、症状に応じて嘔吐止めや抗痙攣薬なども必要となります。
適切な時期に栄養を供給する事はとても重要で、これにより治癒率が高くなると考えられています。
肝リピドーシスは些細な事からも発症し、死亡率が高く治癒率の低い病気です。
しかし、早期に適切な治療を開始する事が出来れば治る可能性を高める事が出来ます。
何かおかしいな、とお感じになられたら、すぐに血液検査などでチェックしてみましょう。