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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

『一体どうなっちゃうんだろう・・。この先の日本は・・。』

この世におぎゃあと産まれて来てから、どんな親に育てられるのか・・親子の関係は・・そしてその子を取り巻く環境は・・という事が、その人の人間形成に大きく影響します。

厳格で子供を思い通りにしようとしてきた父と、ロボットのように何でも父の言う通りに生きて来て、自分の意見を持たない母に育てられた私は、中三の時から「こうなったら子供として認めてあげる!」という“条件付きの愛”で育てられた為、いざ自分が母親になった時、子供をぎゅっと自然に抱きしめる事が出来なくて悩みました。
「私って、母性本能に欠ける人間だな~・・。きっと“オキシトシン”(出産時に子宮を収縮させる為に出たり、授乳中にお乳が出るのを促すホルモン)が足りないんだろうな~・・。」と、ある時期まで思っていました。

でも子供をぎゅっと抱きしめる事が出来なかったのは、オキシトシンが足りなかったからではなかったんですね!(私の場合ですが)
心と身体の中に、「親に抱きしめてもらった記憶がなかった」からだったんです。
ただ、実に有難いことに、三人息子のうちの一人がそのことに対して“サイン”を出してくれたので、そこで自分自身を見直すことができ、そのお陰で母親として軌道修正ができ、今の私と息子たちのいい親子関係があります。

そしてもう一つ、10年ほど前にチェコ人のイルカさんというヒーラーに言われた言葉に度胆を抜かれました。
いきなり彼は「あなたは、両親から愛をもらえなかったね。だから犬と愛のエネルギーの交換をしてきたんだよね!」と言われたんです。・・・ってなことをこの間の続きのコラムに書きかけて止めました。

なぜかと言うと・・「それ以上にこの世の中どうなってるの??!!」ってニュースが後を絶たなかったからです!!

今朝たまたまテレビをつけたら、「スッキリ」という番組がやっていて・・・二人の男子高校生を5人くらいで集団暴行をしている。それをSNSで流して仲間内で会話をしながら見てる。という内容でした。
そして、その動画を見ている仲間たちが、その暴行を受けている高校生が血を流し出したら喜んでその行動をあおるんです。・・・昭和時代を生きてきた私からすると、何とも信じ難い光景だったわけですよ・・。そこでコラムニストの一人が「昔はいかにもやんちゃで不良だから近づかない方がいい。といういで立ち(服装)の若者が犯罪に及んだけど、今は普通の子供がこういう残虐なことを普通にする時代なんです。」と言ってました。
確かにこの映像を見る限り、ホントその辺にいそうな、お洒落なダウンジャケットをはおった普通の高校生が暴行を加えてるんですね・・。

もしかしたら、その高校生は、暴行をした当日、当たり前の顔して「ただいま~。」と普通に家に帰って、普通の子供を演じているのかも知れない・・・「親はこの衝撃的な事実を知っているのか、それとも知っていてこんなもんかもね~・・。と思っているのか・・・。」
「一体全体この先日本はどうなってしまうのか・・・。」と思わせるような今日一日の始まりでした。

ところで私が昔から抱いていたいくつかの夢の一つに“アニマルセラピー”があります。
親に虐待されてやむなく「児童養護施設」に入った心に傷を負った子に、犬と愛のエネルギーの交換をしてもらって、こうして犬といることによって自分が受けることのできなかった愛を犬から受け取ったり与えたりしながら「今は辛いけど、大人になって犬や猫を飼う余裕が出来たら、幸せな家庭を持って、そこで可愛い動物を飼おう!!」と心の励みにしてもらえたら素敵だな~!とずっと思ってたんですね~・・。

それは開業して少ししてから読んだ本の影響もあると思います。
タイトルは忘れましたが、アメリカの凶悪な犯罪を犯した少年院で、一人に一頭、犬を育てるようにあてがわれ、出院するまでずっとその子がその犬の面倒をみるんだそうです。彼らは「自分がいないとこの犬たちは生きていけない。だからこの犬の世話をしなくてはならない。」という状況の中で、今まで味わったことのない感覚を味わいます。
「自分はこの犬にとってかけがえのない存在であり、この犬の為にもしっかり生きていかなくてはならない。」と自覚するんですね・・。
そこで親から受けることが出来なかった「自分という存在が必要であること」と「自分は無理しなくともありのままで良いんだ。」という“自己肯定感”みたいなものを犬から学ぶわけです。
それでこの少年院の出院後の再発率はゼロに近いということでした。

前々回のコラムにも書きましたが、動物は子供の心を育てます。
家庭を平和にします。動物に与えているようでいて、実は私達は動物から与えてもらっているんですね・・。
だから小さいお子さんがいる家庭では、是非動物を飼って欲しいと思っていましたし、犬たちの力を借りたらもっと日本はいい方向に行くんじゃないかって思ってました。

でも、いじめや虐待は後を絶たず・・・「動物を飼うことによってその数が減るだろう」と、そういう自信はあったのですが、今となってはそれもなかなか難しい事を今日のニュースで認識しました。

「一体全体、この先の日本はどうなっていくんでしょう・・・。」
人の心の痛みが分かる子供に育ってもらう為には動物の力は大きいと思います。
ですが、それだけでは足りないんでしょうね・・。
少しでもいい方向にいってもらうことを願って止みません・・・。

2019年 2月 20日掲載
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