『笑う門には福来る。だけど、号泣する門にも福来る!』
私は、「日本獣医中医薬学院」の研究コースで毎月中医学を学ばせて頂いています。
そこで講義と共に出る山内健志校長の雑談が結構好きです。
山内先生の人生観や、山内先生が中医学を師事された今は亡き温雪楓先生がおっしゃった言葉など、ぐっと来るお話が結構あるんですね・・・。
ある時、校長先生がこうおっしゃってました。
「『笑う門には福来る。』っていうけど、ある精神科の先生が、『号泣する門には福来る。』って言ってたんだよね。僕はそれを聞いて、本当にそうだな~っと思ったよ。」と・・。
私の座右の銘に「いいことが起こるから笑うんじゃなくて、笑うからいい事が起こる。」というのがあります。
確かにそれはありますよね! 怒りや疲れでいっつも眉間に皺を寄せてたら、運も人も逃げてっちゃうような気がしますもんね・・。
でも、東北大震災のちょっと後で、あるカメラマンさん(?)が被災者の方々に「笑って、笑って~~!!こういう時こそ、笑って~!!」と言ってカメラを向けて、無理に笑ってもらって、写真を撮っている場面をテレビで見た時、「ちょっと違うよな~・・。」と思ったのを今でも覚えています。
その方は、被災者の方々を元気づけようと思ってそうなさったでしょうし、もちろんそれで元気になった方もいらっしゃるでしょうから、全面否定する気はありませんが・・・。
大事な人を亡くした方、住むべき家が流されてしまった方、大好きな動物とはぐれてしまった方・・・あの一瞬で多くの命と住む家、動物達、そして思い出の写真さえもなくなってしまったところに、「さぁ、笑って~!!」というのは少し無理があるんじゃないかな~・・・って思ったんですね。
辛い時こそ笑うことって大事かも知れないけど、その精神科の先生がおっしゃったように「辛い時こそ泣かないとダメじゃないかな~・・」って、私も思うんですね~。
怒りや悲しみなどをぐっとこらえて、感情を押し殺してばかりいると、心の病気になるばかりか、内臓まで傷んでしまいます。
中医学はあらゆるものを木・火・土・金・水という五つに分類して診断や治療をします。
それを『五行論』と言いますが、『五行論』では、五つの感情があれば、それに対応する臓があると言われています。
「怒り」は肝と繋がっているので、怒りの感情を持つと肝が傷むと言われています。
そしてその怒りをずっと抱えたまま生きていくと、やがて腎も傷んできます。
同様に「悲しみ」は肺を傷め「思い悩む」と脾を傷めます・・・そして「恐怖」は腎を傷めるのですね。
涙の中にはステロイドホルモンと言う、ストレスの時に出てくるホルモンが含まれています。
辛い時には、信頼できる友人(または家族や恋人)がいたら、その人の前で泣けばいい。
もし、そういう人がいなかったり、恥ずかしくてそれが出来なかったら、夜一人で車を走らせて、その中で大泣きすればいい。
そしてそれも出来なかったら、悲しい映画を見て泣いたそのついでに大泣きすればいい・・。
天災が続いて、今でも未だ大変な思いをしてらっしゃる方が沢山いらっしゃると思います。
泣いても現状は変わらないかも知れません。
でも、悲しい気持ち・辛い気持ちをため込まないで、時には号泣してください。
確かに『笑う門には福来る』・・ですが、『号泣する門にも福来る!』だな~・・・と思う今日この頃です。
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この飼い主さまは、ペットショップで長年働いてらっしゃいました。
そのご縁で、売れ残った子や、障害があって売り物にならなくて処分されそうになった子達を引き取って飼ってらっしゃいます。
この子は、右目が生まれつきつぶれていたので、この飼い主さまが5年前に引き取られたとのことでした。
来院当初は頸椎ヘルニアの痛みでかなり大人しかったのですが、今は元気になって、治療中は結構ヤンチャをするようになりました。こうしてワンちゃん達の命が繋がっています。本当に感謝です。
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若い頃股関節形成不全で大腿骨頭の手術をしたり、その後血便があったり・・で大変だったブン太君ですが、Mさんの手作りご飯とプールのリハビリでここまで元気になりました。
開業当初、後ろ足を痛がるとのことで来院されて以来、今は月一で通院されています。因みに超元気!!です。
この写真は「治療中良い子にしてたんだからさぁ~・・。ちゃんとご褒美のおやつ、ちょうだいよぉ~・・・!」と、カウンター越しに待合室から私に訴えているところです。超可愛い~~~(*^_^*)♡♡!!ですね。