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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

『冬;生活の中でお勧めしたいことと摂ると良い食品・・②』

先日の『よもやま話』でお伝えした通り、「冬は春に備えて、❝早寝遅起き❞をして、たっぷりと睡眠を取り、腎に水穀精微(飲食物に含まれる栄養成分)を貯めて、各臓腑に❝営養❞を行き渡らせるようにすることが必要」です。

そして、下の「冬の五行表」の通り、冬の邪気は『寒邪』ですから、この季節の臓である『腎』は寒邪によっていためやすいのですね。ですから主に腎を養うものを食べて、身体の保温に心がけ、乾燥に気を付けることが必要になります。

腎を補い、身体を温めたり気を補ったりする食品は以下の通りです。

枸杞子(クコシ)
・・よく中華料理の調味料売り場にあるクコの実である。
多くは中国産なので、その中でも有機農法のものがお勧め。

  • 腎を補う力が強く、肝と脾も養うので、目に良い。(肝は目と繋がっているので。)
  • 肺を潤して咳を止める作用あり。
  • 下痢に効果あり。(但し脾の弱りからくる下痢には逆効果)
  • 枸杞子と棗(ナツメ)を酒につけて、料理に入れると良い。(これは人用として、という意味である。因みに私は写真の通り、特に肝を保護する為にいつも焼酎に入れて飲んでいます。)
  • 動物用でも人用でも、スープを作る時、枸杞子やその他の出汁を他の具材と一緒に水に入れ、煮込んでそのスープを飲むと肝・脾・腎を補うことができる。

山薬(サンヤク、ヤマイモ)
自然薯のように粘りの強いものの方が効果が高い。

  • 腎・脾・肺を補う。
  • 腎を補い多尿を改善する。
  • 枸杞子と合わせると咳を止める作用を上げる。
  • 泥状の下痢に効果あり。

銀木耳(白キクラゲ)

  • 腎と胃を補い、肺を潤す。乾燥性皮膚炎にもよい。
    (因みに、枸杞子と銀木耳、ゆり根を一緒に蒸すと免疫力を上げる。美肌効果もあり。)

海老

  • 腎を補う力が強く、肝・脾・肺も補う。
  • “身体を温める”ので、冷えによる身体(骨)の痛みにも効果あり。
  • 排毒を助ける。
  • 冷えていて、腎が弱っている時にお勧め。因みに腎が弱っていても、熱を持っている時は、ホタテが良い。

海参(なまこ)

  • 腎・心・肺を補う。
  • 海老よりも更に腎を補う力が強く、身体を温める力も強い。
  • 冷えからくる便秘によい。
  • 血を養い身体を潤す。

⦿以上のものは、すべて火を通すこと。例えば腎が弱っている動物に食餌を与える時、上に書いた通り、水から具材を入れてスープにしたものを、腎の療法食にかけるのもお勧めです。

⦿その他、お勧めの食品は以下の通りになります。

  • 栗、干し椎茸、ホウレンソウ、人参、ゆり根、豚肉、鶏肉、羊肉(羊肉は寒冷地で食べる肉なので、身体を温める作用が強い。よって皮膚の炎症が酷い時は悪化させることがあるので要注意!)
  • ジャガイモ、生姜(生姜は生の生姜よりも、干した生姜の方が体を温める作用が強いのでお勧めである。但し、動物に使う場合、刺激が強いので好まない動物が多い。故に使っても少量の方が無難である。)
  • 銀杏(コラムにも書いた通り、腎を補い肺を潤す作用があるので、腎疾患や空咳の方にお勧めである。だが、小毒がある為多食厳禁であり、増して人より身体の小さな動物にはお勧めではない。)

☆因みに、中医学における「栄養学」は、“生命を営む”という意味から『営養学』と言い、病を癒したり老化を遅らせる為の学問であり、『中医営養学』(または『中医薬膳学』)は、『鍼灸治療』『薬物治療』と共に、中医学治療の大きな柱の一つになっています。

五行表〈冬〉

五行
五色
五気
六淫
五臓
五腑
五味
五体
五官
五華
七情
寒邪
膀胱
恐・驚

◇◇◇

枸杞子が入っているので、赤くなっています右二本の焼酎には、枸杞子が入っているので、赤くなっています。
入れすぎると枸杞子の甘みが出てしまうのでそれが嫌であれば、量を加減した方が良いと思います。

因みに左二本は頂き物で、味見をしてから枸杞子を入れる予定です(笑)。
ありがとうございます(o^^o)!

枸杞子高齢の動物を飼ってらっしゃる方には、特に肝と腎、そして肺や脾を補う為に枸杞子をご紹介しています。

これはご紹介したある飼い主様から頂いたものです。有機農法です。

 
2018年 1月 17日掲載
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