『風邪ー②』
私達が便利さを追求するが故に自然を破壊しすぎて、自然が狂ってしまったのか・・・「空梅雨」かと思いきや、梅雨明け宣言されてもまだ梅雨のような感じですね!
今回は、『風邪』の続きを書かせて頂き、次回か次々回に『湿邪』について書かせて頂きますね。
6月から7月に掛けて、長い間、夜風を感じる日が多かったように思います。
中医学的な観点で言うと、6月・7月は『風邪(ふうじゃ)・・春』の時期はもうとっくに終わっています。
にも拘わらず、7月に入っても、てんかんの患者さんや椎間板ヘルニアの患者さんが多かったのは、やはりいつまでも風が吹いてたので『風邪』の影響を受けたからだと思います。
ただ、ここで注意しなくてはならないのは、風が治まったにも拘わらず、今もそしてこれからもしばらく続く、この暑い季節も『風邪』の影響を受けて、同様の患者さんが出ることです。
それはなぜか・・・。
ズバリ、エアコンのせいでアリマス!
暑い日が続き、飼い主様がエアコンをつけ、毛皮を着たワンちゃん達はとても暑いので、エアコンの風の当たる所にずっといる事があります。
そうすると、エアコンの『風邪』と『寒邪(かんじゃ)・・冷えの邪気』に犯されて、椎間板ヘルニアや関節炎、膝蓋骨脱臼など骨の疾患に罹ったり、以前それらの症状があって一旦落ち着いていた子が再発することもあります。
また、てんかん発作も起きやすくなります。
そう言った意味では、エアコンは人口的に作られた『風邪』と『寒邪』の邪気を持っていると言えますよね!
歳を取って身体の冷えを感じるワンちゃんや猫ちゃんは、エアコンから離れた場所にいることが多いので安心ですが、お家の動物が暑がり屋さんの場合は、くれぐれも気をつけてあげて下さいね!
因みに、今回私がしつこい『風邪』の影響を受けて涙焼けまでできてしまった涙と鼻水には、小清龍湯(しょうせいりゅうとう)で改善しました。
この薬は、身体を温める成分が多いので、高齢で身体が冷えていて透明な鼻水を出す猫ちゃんの鼻炎・涙目の時に処方します。
同様に鼻水が出ている猫ちゃんでも、感染や熱の為に色のついたドロっとした鼻水を出す熱性の猫ちゃんには、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)や越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を処方します。
漢方薬は、副作用がないと思っている方がみえますが、漢方薬でも副作用はあります。
処方する時の一番の注意点は、身体が冷えているか熱いかということをしっかり見極めることです。
そこを間違って処方(冷え性の子に熱を冷ます作用の薬を出す)すると大変なことになります。
以上、もう『暑邪(暑さの邪気)』の季節ではありますが、『風邪』について書かせて頂きました。
来年の『風邪』とエアコンの部屋にいる動物達の参考にして頂けたらと思います(^^)。
◇◇◇
座学のあと山内校長指示の元、実技があります。
ワンちゃんは動物看護士やトリマーの専門学校の子達なので、みんな人懐っこいです。
そこそこ歳を取ってくるといろいろなところが悪くなるので、実技も兼ねて治療させて頂いています。
椎間板ヘルニアと膀胱結石(結晶)で通院してくれている丸山みるくちゃん
超フレンドリーな子です。
事情があって両親と暮らせない子供の施設に一緒に行ってもらえたらと、思い続けてもう10年経ってしまいました。
近い将来には是非活躍してもらおうと思っています。