「私達は生きてるからこそ、温かい。そしてこうして繋がっているからこそ、有難い。」
朝晩涼しくなり、少しずつ秋の気配を感じるようになりましたね。
ところで、私がヨチヨチ歩きの時から、ずっと親戚付き合いをして下さっていた方が、先日お亡くなりになりました。
ある日急にお加減が悪くなり、末期癌と宣告され、半年ほどで旅立たれてしまいました。
訃報を聞いて駆けつけた時、奥様が「ゆりちゃん、あったかい身体に触れられなくなるって淋しい事だね~・・・。」と、しみじみおっしゃいました。
私は、仕事柄大事な患者さんが重い病気に罹った時、獣医として飼い主さまと一緒にその子の命が尽きるところまで治療させて頂く場面が何度かありました。
そしてその動物の最期の時を迎えた時の飼い主さまの深い深い悲しみを何度も見て来ました。
対象が人だろうと動物だろうと、もう二度とその温かい身体に触れられないということは、本当に寂しい事だと思います。
ムサシ(病院の供血犬として我が家で飼っていた犬)が死んでもうすぐ2年になりますが、「ムサシがいつも私達を見守ってくれている!」という感覚は常にあるのですが、やはり「直接ムサシに触れたいな~・・・」と今でも思うことがあります。
大型犬でしたので、喜びすぎると私の顔に彼の顔が当たって、ものすごく痛かったんですけどね・・・・。
先日テレビでアイボ君というロボット犬の事が放映されていました。
アイボ君は人の動作に反応する様に上手く作ってあるので、本物の犬に近い行動もするそうなんですね。
それで彼らに癒された人は沢山いた様でした。
でも・・・やっぱり違う気がします。
温かい身体に触れる時、手間はかかってもその動物のお世話をし、そして共に生き、一見言葉はないようでもしっかりと会話をし・・・それはロボットが代用出来るものではないように思います。
そして何より温かい・・・。
「愛知県獣医師会の学校動物飼育支援委員会」が企画する「ふれあい学級」に、去年から私は獣医として参加してますが、この6月に 阿久比町の英比小学校に行った時、1年の生徒全員にウサギを抱っこしてもらい、心臓の音を聴診器で聴いてもらいました。
ある女の子がその小さなウサギを抱いた瞬間、「わぁ~~!すごくあったか~い(^-^)!」と嬉しそうに言った時の笑顔がいまでも忘れられません。
ロボットの果たす役割はあるかも知れませんが、私達は生きている限り、命がある限り、その身体は温かいわけであり・・・やはり人と人、人と動物がこうして繋がっているっていうことは本当に素晴らしくて有難いことだと思います。