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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

『老化にお灸は効きます!・・家でお灸している子は絶対に差が出る!』

前回お伝えした「老化」についてですが、お灸は、「老化した状態を元に戻すことができなくても、老化の進行をゆっくりにする効果がある」と思います。

中医学では、「五行論」の他に、「陰陽論」と言って、あらゆる物を「陰」と「陽」に分けて、診断と治療をします。
ざっくり言うと、「陽」は温かい。それに対して「陰」は冷たい。「陽」は明るい。「陰」は暗い。「陽」は興奮、「陰」は抑制・・など、あらゆるものを真逆の二つに分けるんですね。

陰陽プリント

身体に熱を持っていたら陽が強いので、「熱証(ねっしょう)」と言い、逆に冷えていたら「寒証(かんしょう)」と言います。
動物や人は、元々の体質や加齢に加え、季節など外からの要因やストレス等で、「陰」と「陽」のバランスが崩れて病気になります。
中医学は、針とお灸、漢方薬で、この崩れた「陰」と「陽」のバランスを整えることによって、患者さんを治癒に導くんですね。

お灸は、身体を温めて血の巡りを良くします。
「陰・陽」のうちの「陽」を上げるんですね。
高齢になって、腎が弱ってくると、「腎陽虚;じんようきょ」と言って、「陽」である身体を温める力が弱くなり、多くの子は寒がりさんになります。なので、お灸をすると身体が温まり、血の巡りが良くなり、気も上がります。
特に「腎兪」というツボにお灸すると、今言った事だけでなく、下半身もしっかりしてきて、歩き方も変わります。

さて、お家でやって頂くお灸は、写真のように、茶色いストッパーにもぐさを棒状にした「棒灸」を差し込んで火をつけ、首後ろのつけ根から尾までを背骨に沿って、ぐるぐる小さな円を描きながらお灸をしていきます。それを1~2回繰り返します。
その後、「腎兪」(第二・第三肋骨の間周辺)を5分ほどお灸します。
老化のみならず椎間板ヘルニア等で下半身の弱さが気になるのであれば、「腎兪」の後「大腸兪」(腎兪と骨盤の真ん中)にも施灸します。

棒灸のセット

ご自宅でやって頂く棒灸のセットです。

右の茶色の棒灸ストッパ―に真ん中の棒状のお灸をさしてお灸します。
左の赤い布は、火傷防止と共に赤色には「遠赤外線効果」があるので、この布を身体とお灸の間に挟んで使って頂いてます。

以前よもやま話でお伝えしたように、背骨には背骨の直ぐきわに、一対の内臓と繋がっているツボが縦に並んでいます。(面白いですよね~・・。皮膚の直ぐ下に内臓と繋がっているツボがあるなんて・・。)
そして、背骨から更にワンちゃんの指三本分両側一対に、内臓と繋がっているツボが縦に並んであるんですね!
ですので、首のつけ根から下に下がって背中の表面をお灸することによって、内臓に良い刺激が行くんです。お灸する時間がない時はここをさすってあげるだけでも、内臓のマッサージになるのでお勧めです!(推拿;すいなと言います)

また心臓や肺に病気を持っている子は、首のつけ根の定喘(ていぜん)と言うツボや、そこから少し下がった所にある至陽(しよう)と言うツボを追加されると良いと思います。
この二つのツボは、咳止めにとても有効です。ただ、「陽」が強くて、動物達が「ハァ、ハァ」言い出したら、それは熱い証拠ですので、無理せず短めにして下さいね。

2021年 6月 12日掲載
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