『家でお灸している子は絶対に違う!!』
私達がやっている中医学の診断は、舌の状態、眼力、体形、毛ヅヤ、背中の表面の痛み・・・等々、身体のいろいろなところを観て、その子の状態を知ります。
それと共に大事な診断法として、『脉診(みやくしん)』があります。
人は手首内側で脉(=脈;みゃく)を取りますが、動物は股の付け根付近の動脈で脉を取ります。 皮膚の直ぐ下にある脉は、臓器や精神と繋がっているので、脉を指で触れてみて、直ぐ触ることができる脉なのか、ぐっと奥にあるのか、速いのか遅いのか、はたまた力強い脉なのか・・などで、その子の状態を把握します。
例えば初診の動物が、抱えている病気の為に、脉を指で押してもなかなか感じることができないくらい、細くて弱い場合、鍼灸治療をしていくうちに、だんだんとしっかりした力強い脉になっていきます。
そこで「はい、今日はおしまいで~す。」となったとします。
ですが、二回めに来院された時、治療前の脉は、ほぼ初回の脉に近い感じ(細くて弱い脉)に戻っていることがあります。
そこで、2回目の鍼灸治療をさせて頂くわけですが、飼い主さんがご自宅でお灸をして下さっている子の脉は、最初に針一本刺したり、一か所ツボを刺激しただけで、みるみるうちに脉が力強くなっていく事が結構あります。
これは本当の話です。
ご自宅でのお灸は、地味で面倒です。
誰もが忙しい中で、その時間を作るのは、結構大変です。
ですが、その地味なお灸こそ、身体の血と気のめぐりを良くして、動物の身体を整えるのに、とっても大事なんですね~・・・。
お灸の回数ですが、週に一回はやらないよりもマシですが、週に2回から3回、可能なら毎日短い時間で良いのでお灸をされると、良いと思います。
もともと暑がりさんや、身体に熱を持つような子(例えば真っ黒でコロコロのうんこをする子など)は、お灸をしない方が良い場合もあるので、気になる時は鍼灸治療をしている獣医師にご相談下さいね。
☆余談;どなたも日々の仕事でお疲れモードです。
病気の動物が、いつまでも元気でいてくれるようにと、当院に来て下さる飼い主さんは動物へのお灸を頑張って下さってます。
そしてその後ご自身にお灸をしたり、ご家族の方にお灸してもらったりで、動物のみならず飼い主さん達も調子がよくなられています。
動物も飼い主さんもみんなが元気でいると、それもまた動物の精神状態を良くするんですよね~!! いや~・・お灸ってやっぱりスゴイですよね〜(^_-)-☆
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お仕事が終わった後、娘さんがルーシーちゃんにお灸をしてあげて、その後、腰痛持ちのお母さんのお灸をしてあげるそうです。
ルーシーちゃんは、気持ち良いのでいつもおりこうさんにしてくれるそうです。
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椎間板ヘルニアで、下半身に力が入らずふらついていたハナちゃんでしたが、鍼灸治療で、しっかり歩けるようになりました。
ところが、半年ほどして再発してしまいました。
次の診察まで、少し日数があったので、飼い主さんが久々に背中の「腎兪」というツボにお灸したところ、しっかり歩くようになったと、喜んでみえました。
「せんせー、やっぱお灸ってすごいね~!!」と、Yさん。
「だから、再発予防にやって下さいね!って言ったでしょ~!!」と私。
何はともあれ、ハナちゃんが元気になってくれて、本当に良かったです。
Yさん、これからもお灸お願いしますね(*^^*)