ネコちゃんの舌について ~その③味覚~
味は舌の表面にある味蕾(みらい)という器官で感じています。
味蕾の数は人が約10,000個に対してネコちゃんは約750個で、人の10分の1以下です。
その為、ネコちゃんは人より細かな味の違いを感じられません。
また、中央にあるザラザラの部分(糸状乳頭)は味を感じることが出来ません。
では、人が感じる味として、「旨味」、「苦味」、「酸味」、「甘味」、「塩味」がありますが、ネコちゃんはどう感じているのでしょうか。
「旨味」 感じます。
「苦味」 敏感に感じます。腐った物、毒物を食べないため。
「酸味」 一番敏感に感じます。腐った物を食べないため。
「甘味」 感じません。肉食の為、感じる必要がないため。
「塩味」 ほとんど感じません。肉食の為、食事をすれば、塩分が取れたため。
人とネコちゃんでは、大きく味の感じ方が違いますね。
人の「美味しい」はネコちゃんには通じないんですね。
お薬を飲むのが苦手で、
食べ物に混ぜて与える場合は、「旨味」の感じる食べ物の、
肉・魚・肉や魚のゆで汁などと一緒に与えると嫌がらず薬を飲んでくれるかもしれませんよ。
文責:柴田
- 猫と甘味について
- 2005年、アメリカのMonell Chemical Senses CenterとイギリスのWaltham Centre for Pet Nutritionにおいて行われた研究により、ネコ科動物の舌は他の哺乳動物とは異なっており、甘味を認識することができないことが判明しました。 実験では、砂糖水と普通の水を数十匹のネコに与えたところ、どちらの水も同程度飲んだことが確認されたそうです。さらに猫のDNAを解析したところ、甘味を受容する器官を構成する二つのたんぱく質の内の一つ(T1R2)に対応する遺伝子が欠損してたとも。ですから猫に苦い薬を飲ませるとき、甘いシロップに混ぜたからと言って、積極的に口に入れてくれるわけではないようです。Cats’ Indifference toward Sugar
日本においてはいまだに「猫は魚が好き」というイメージが若干残っていますが、どうやら欧米においてそのようなイメージはないようです。日本固有のこうしたイメージは、魚を食する機会が多かった昔の日本において、余った食材を頻繁に猫に与えていたために生じたものと思われます。つまり、魚を食べている猫の姿がいつの間にか日常の中に溶け込み、「猫=魚好き」という固定観念が生まれたというわけです。しかし、こうした思い込みに惑わされて猫に魚ばかり与えていると、黄色脂肪症(おうしょくしぼうしょう, イエローファット)という病気にかかる危険性がありますので、猫の食事は栄養素をバランスよく配分しましょう。