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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

避妊手術

当院では年間多くの避妊手術、去勢手術をさせて頂いております。どんな手術でもそうですが、術前にしっかりとご説明をしてなるべく安心して頂けるようにしています。
今回は避妊手術でどこを切るのか、というお話です。

現在、当院では卵巣・子宮両方を取り除く手術をしています。手術時間(切り始め~縫い終わり)は通常30分前後です。

卵巣と子宮の位置のイメージです。
卵巣(オレンジの楕円)は左右に一つずつあります。 ワンちゃん、猫ちゃんの子宮(黄色の線)は『Y』の形をしています。

避妊手術ではお腹の皮膚と筋肉を切開して卵巣と子宮を取り除きます。
(卵巣だけを取り除く術式もあるんだけど、私は両方取るほうが好き。)
この写真を見て「えっ!!じゃあ結構長く切るってこと!?」って思われましたか?

ご安心ください。避妊手術ならば(内蔵脂肪が沢山ついている子とか、何らかのリスクが高くて超短時間で手術する必要がある子以外は)こんなに上から下まで切らなくても大丈夫です。
おへその下を数cm切るだけです。

手術中の感染症を防ぐため、手術直前に毛刈りと消毒をしているところです。

手術中にお腹の中に毛が入ると汚染源になってしまうので、切る範囲よりも広く毛を刈ってあります。
赤い丸で囲まれたところがおへそです(人間のおへそと違って穴はありません)。
何匹もペットを飼われてきた方でも、意外とおへそを見たことがない方が多いですね。

消毒が終わったら滅菌した布で手術で切開する場所以外を覆います。手術に使用する器具も当然滅菌済み、手術をする私たちも滅菌した術衣や手袋をはめます。(よくドラマで出てくるあの状況・あの格好です。
でもドラマみたいにカッコよくないのはモデル=私のせいか?)。
各臓器には血管がありますので、必要に応じて切る前にしっかりと処理して出血を止めます。

避妊手術終了直後の傷口です

避妊手術終了直後の傷口です(手術中の写真は痛々しいので・・・)。

手術の直後はまだ少し腫れ(赤み)がありますね。この腫れは数日以内に消えるはずです。
写真のチワワちゃん(3kg)はやせ型でしたので1cmちょっとの傷(4針)でした。

手術後~抜糸までは傷口を舐めてしまわないように『エリザベスカラー』をしてもらいます。ほとんどの子が3日ほどでエリザベスカラーに慣れてくれます。
術後の管理については、お返しに時にその子の性格や体調などにあわせてアドバイスをさせていただきます。

次回は避妊手術を受ける前後の検査や通院の話です。

2015年 9月 29日掲載
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