ペットの診察・治療・病気予防
フィラリア予防・去勢避妊・鍼灸

アクセスマップ・愛知県知多郡阿久比町

診療時間

犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

『アメリカ社会の現実のほんの一部を知った日』

既にここ数回のアメリカ旅行の私のコラムをお読み下さった方はご存知でしょうが、私はコロラド州の友人みのりさんとデンバー空港で待ち合わせるはずだったのですが当日飛行機に乗り遅れてしまい、成田で一泊した後、コロラド州滞在4日間の殆んどをホテルで独りで過ごすことになりました。

結局みのりさんに逢えたのは、最初のホテルに2泊した日の夜でした。
日本のホテルでは、全部とは言いませんがその日の朝、チェックアウトしても延長料金を払えば、ホテルとの交渉で長時間その部屋に居る事が出来ます。
「アメリカもそうかな~!?」と期待して聞いてみたところ、答えは「ノー!!」でした。
それで、朝10時にチェックアウトした後、みのりさんが私を迎えに来てくれる夜の7時過ぎまでを勉強道具片手に喫茶店をハシゴすることになりました。

ここコロラド州(デンバー)というところは、大らかな方が多い様に思いました。
だって、コーヒーだけで5時間長居してもそんなに白い眼で見られなかったんですからね・・・。
それに私だけでなく、皆さん結構パソコンなどを持ち込んで長居してましたしね!
そこで黒人女性と白人男性の若い素敵なカップルを見つけた私は、その夜みのりさんと逢うやいなや、「日本では、黒人を白人警察官が正当な理由もないのに射殺する事が問題になってるけど、ここコロラド州ではそんな雰囲気微塵もなくて平和でいいねぇ~!」と言った後、みのりさんからショッキングな話を聞いてしまいました。

「ゆり子さん、それは本当はアメリカでももっと問題にしなくっちゃあならない事なんだよね・・・。今帰りの車の中でみんなでちょうどその話をしてたとこなの。 日本でもアメリカでもそれが表沙汰になってるのは、氷山の一角なんだよね・・。アメリカは結構麻痺してるところもあって、こないだなんか無抵抗の若い黒人女性が警察官に銃殺されたしね・・・。」とみのりさん。「あのさぁ、アメリカ人って10年以上前になるけど、イラク戦争云々では私も思うところもあったけど、基本的には経済力もあったから、『アメリカは世界をまとめる国』って言う感じがアメリカ人の中にはあったよね!
そんな国の人達が、罪もない黒人を射殺して、恥ずかしく思わないんだろうか・・??」と私。

すると更に驚きの言葉がみのりさんから出ました。
「あのね~・・・。なかなか私達日本人には理解できない事なんだけど、そういう思想ってのは、もう小さい頃から脳に擦り込まれているみたいなんだよね。彼ら白人は黒人に対して『こいつらは生きてるだけで悪党だから、我々がその悪をたちのめしてもしても良いんだ!むしろ黒人みたいな悪党は生かしてたらダメなんだ!これが正義なんだ!』って思ってる人が多いみたいなんだよね・・・。」との事。

それはおそらく自分の両親や祖父母達の姿を観て、そして教えられ、もしくは本人の意識しないところで擦り込まれてそういう形になってしまったのではないかとみのりさんは言っていました。

なんて酷い話でしょう・・・。
アカデミー賞を受賞した有名な映画「招かざる客」が出来てから、もう40年数年経とうとしているというのに(おそらく)今でも黒人蔑視の思想がはびこっていて、尚且つ罪のない黒人が当たり前の様に殺されているだなんて・・・。

でも、ふと24年前、長男をお産した直後の母の言葉を思い出してしまいました。
その頃母は、兄嫁さんと二人でイーオンにはまってまして、イーオンの外国人の先生方とのお茶会が楽しいようで、いつも少女のように二人ははしゃいでました。
それで・・・と言うわけではないのですが、何気なく私は 「たまたま私は日本人と結婚してこうして長男を出産したけど、もし私が独身で『この人だったらついて行ける!』って思ったら、白かろうが黒かろうが、黄色かろうが・・肌の色なんか関係なく結婚してたと思うよ!」と言った時、母に間髪を入れずに、「止めて~(怒)!!何言ってんの!?日本人以外結婚したらダメに決まってるじゃない!!」と言われ、本当にびっくりしたのを覚えています。『コイツはもしかして宇宙人じゃない!?』ってくらいびっくりしたのを覚えています。

でも、少女時代を戦争で過ごした母からすると、私が外国人と結婚するということ事態天空が逆転するくらい想定外の話なのでしょうね・・・。そして有難いことにそういう発想を母から擦り込まれる事なく18歳まで両親と過ごして県外の大学に行った私は、そういう発想にはなりませんでした。

だがしかし・・・もし、私が白人でアメリカに住んでいて、そういう教育を両親達から受けていたとしたら、それが良い事だとは決して思いませんが、その黒人を殺した警察官と同じ思想を持っていたかも知れません・・・。
・・・でなければ潜在意識にそういう感覚が擦り込まれていないのなら、そういう両親の元で暮らしてきて意識の違いに苦悩するかも知れません。

そしてもし、私が黒人であったのなら・・・大昔、黒人は白人の奴隷の時代があった。
だが、ここ数10年くらいは同じ料金を払ってバスに乗ったら、席に座る事が出来る様になった。 更に今は時代も変わり・・・黒人も自由に外を歩けるようになった・・・でもそれは一見の事である。
どこで白人に会い、どういう理由でどんな仕打ちに遭うか分からない・・・。
そんな不安を一抹に感じつつ暮らしているのだと思う。

「考えても解決が見つからない事はなるべく考えないようにしよう!」と思ってはいても、考えざるを得ない一時でありました。

国内でも4年前に起きた東北大震災(原発も含めて)の復興もままならず、沖縄基地の問題も未解決のままですが、アメリカではもう何十年(何百年?)と人種問題が完全解決される事がなく、こうした問題があるという事を少し知って・・・平和が当たり前だと思っていた私は、かなりショックを受けました。

いつか・・・・黒人も白人も黄色人種も動物達も・・・そして今、戦争を逃れる為に難民として大変な思いを強いられている方々も・・・心の底から 「あ~・・本当に生きてて良かった。今が幸せ!」と思える日が来ることを願って止みません。

剣道で培った筋肉

「見よ!!この長い間剣道で培った筋肉を!」と私「どひゃ~…!!」と敬子さん

エリック

「エリックの筋肉なんて、チョロイチョロイ…!!」

ライスパワー

「見よ!! この私のライスパワーを‥!」と立ち向かってきたけいこちゃん(笑)

◇◇◇

※去年の年末に皆様にご協力をお願いしました「難治性心臓疾患の堀井敬太君」ですが、先日一度目の手術の後、意識不明になりましたが、その危機を乗り越えて二度目の手術で今はとても元気になったそうです。

皆さま、ご協力くださいまして、誠にありがとうございました。

2015年 5月 18日掲載
Home » 院長コラム » 『アメリカ社会の現実のほんの一部を知った日』 (現在のページ)