脂肪腫
この腫瘍は脂肪細胞が腫瘍化したものです。
高齢の動物で多く発生が見られる良性の腫瘍ですが、非常によく似たものには悪性の腫瘍(脂肪肉腫、肥満細胞腫 ※)もあります。
症状:
主に皮膚の下にやわらかく膨らんだ塊ができます。
痛みや痒みはなく、初期にはシャンプーやブラッシングなどの際にたまたま見つけることがほとんどです。時間がたつにつれてゆっくりと大きなふくらみになっていきます。
治療:
外科手術で腫瘍を取り除きます。
基本的には良性のものですので、小さいものですとそのまま様子を見ることもありますが、大きくなってくるようでしたら早めに取り除いてあげたほうがよいでしょう。
また、腫瘍組織が皮膚の下だけでなく筋肉にもめり込んでしまっているもの(浸潤性脂肪腫)では手術後にもしばしば再発することがあります。
※脂肪肉腫は悪性のものですが、転移はきわめて少なく、手術で取り除いた後はほとんど再発は見られません。
肥満細胞腫は見た目は非常に脂肪腫に似ていますが、外科手術後に放射線療法や抗がん剤療法などを併用することもあります。この腫瘍細胞は刺激を受けると”ヒスタミン”という物質を放出して嘔吐、炎症などの症状を引き起こしますので、あまり触ったりもんだりしないほうがよいでしょう。