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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

災害に備えて(その2)

みなさんは、ワンちゃん・ネコちゃんの災害時の備えは万全ですか?

今回は災害にあった際、避難所などに入る事を想定して、「人や他のワンちゃん、ネコちゃんなど、周りとうまくコミュニケーションがとれるようになる」ことについて詳しくお話しさせていただきますね。

いざという時に、周りとうまくコミュニケーションがとれるかどうかは、日頃から多くの人、ワンちゃん、ネコちゃんに接しているかどうかがポイントです。

多くの人、
ワンちゃん、
ネコちゃんに接する

 → 慣れる = 

怖くない
吠えなくていい
興奮しなくていい

ワンちゃんが周りとうまくコミュニケーションをとるには

特に生後8週齢~12週齢頃のワンちゃんが、周りの人、ワンちゃん、ネコちゃんに一番慣れやすい時期になります。(2週齢~8週齢は母犬や兄弟犬とのコミュニケーションをとる期間です)
もちろん、それ以降でも時間はかかりますが、慣れてくれます。

人に慣れる

お友達、親戚、ご近所の方など老若男女とわず、さまざまな人に抱っこや触ってもらうようにしてください。

~ワンちゃんが緊張しているようであれば~
飼い主さんが抱っこをするか触ってあげながら、声をかけて緊張をほぐしてください。
触ってもらう方の目線をワンちゃんに合わせてください。
触ってもらう方に好きなオモチャやおやつをあげてもらい、好きなこととセットにしてください。
触ってもらう方に手の甲をそっと近づかせていただき、ワンちゃんが匂いを嗅ぎに来たら、そっとワンちゃんの横腹辺りを触ってあげてください。
(最初から頭を撫ぜようとすると、手がワンちゃんの目の前にくるため、また緊張してしまうことがあるため避けた方がよいでしょう。)
絶対に、緊張がみられる内は、無理に触らないようにしましょう。

ワンちゃんに慣れる

仔犬ちゃんであれば、パピー教室に参加するとよいでしょう。
成犬のワンちゃんと会うのであれば、できれば経験豊富で大人しいワンちゃんがよいでしょう。
始めはリードを付けたままにし、何かあった場合はすぐ引き戻せるようにしておいてください。

接触しないように注意しながら、ワンちゃんを見せる。
ワンちゃん達が落ち着いているようであれば、少しずつ近づく。
接触できるくらいの長さになったら、鼻やお尻の匂いを嗅いで、お互い友好的か確認してください。

※もし、噛むような感じ(歯を剥き出す、鼻にシワがよる、唸るなど)が見られたり、マウンティングするような仕草が見られたら、すぐにワンちゃん同士を引き離す(リードを引く、呼び戻す、抱きかかえるなどをする)ようにしてください。

ネコちゃんに慣れる

見ても興奮しないようになるとよいでしょう。

接触しないように注意しながら、ネコちゃんを見せる。
ネコちゃんがいても、大人しくしていられる時におやつを与えたり褒めてあげるように(ワンちゃんはネコちゃんがいる時に大人しくしていればと良い事があると思うようになる)
ネコちゃんがいても、常に大人しくしていられるまで繰り返す。

ネコちゃんが周りとうまくコミュニケーションをとるには

特に生後2~7週齢頃のネコちゃんが一番慣れやすい時期になります。
もちろん、それ以降でも慣れてくれますが、年を取るにつれ仲間以外を受け入れにくくなりますので、無理せず根気よく続けることが大切です。
練習の前に、怪我をしないよう念のために爪を切っておくとよいでしょう。

人に慣れる

お友達、親戚、ご近所の方など老若男女とわず、さまざまな人に食事を与えてもらったり、おもちゃで遊んでもらったりしてください。

~抱っこについて~
ネコちゃんは、母親から抱かれることはないため、見知らぬ人に抱かれたり、しつこく触られたりすることを本来好みません。
束縛せず、怖い時には遠ざかれるようし、ネコちゃんが自分から近づいて食べたり、遊んだりするようにしましょう。
すり寄ってくるようになれば、なでたり、抱いたりしてもよいでしょう。

※もし、嫌がるような感じ(シッポをパタパタ振る、耳を伏せる、うなるなど)があれば、触るのを止めてください。

ネコちゃんに慣れる

隣の部屋に他のネコちゃんを入れ、匂いと音でネコちゃんの存在を知ってもらう。また、お互いの体をタオルで乾拭し、そのタオルをお互いのいる部屋に入れる。(匂いの交換は、人の名刺交換と同じです。)
ネコちゃん達が落ち着いているようであれば、ドアを少し開け、お互いの姿は見れるが行き来は出来ない状況(赤ちゃん用のフェンスをたてる、ダンボールや板などに通れない程度の穴をいくつかあけるなど)を作る。
※最初は威嚇しあったり逃げたりすることもありますが、心配ありません。
相手の姿を見ても落ち着いていられるようになったら、同じ部屋に入れる。
その際、いきなりネコちゃん達を自由にするのではなく、それぞれのネコちゃんに人が付き添ってある程度の距離が持てるようにする。
徐々にネコちゃん達が接触できるまで近づける。

ワンちゃんに慣れる

会うワンちゃんは、できれば経験豊富で大人しいワンちゃんがよいでしょう。(念のためにワンちゃんにリードを付けておきましょう。)

隣の部屋に他のワンちゃんを入れ、匂いと音でワンちゃんの存在を知ってもらう。またワンちゃんの体をタオルで乾拭し、そのタオルをお互いのいる部屋に入れる。
ネコちゃんとワンちゃんが落ち着いているようであれば、ドアを少し開け、お互いの姿は見れても行き来は出来ない状況(赤ちゃん用のフェンスをたてる、ダンボールや板などに通れない程度の穴をいくつかあけるなど)を作る。
※ネコちゃんが最初威嚇したり逃げたりすることがあっても、心配ありません。
相手の姿を見ても落ち着いていられるようになったら、同じ部屋に入れる。
その際、いきなりネコちゃんを自由にするのではなく、ネコちゃんに人が付き添い、ある程度の距離が持てるようにする。

~練習する際のポイントは~

うまく出来なくても絶対に怒らない。
焦らず時間をかける(とても興奮していたり、とても怖がっている時は一つ前の工程に戻る)
空腹時などイライラしやすい時に練習しない
ワンちゃん、ネコちゃんが楽しい内に練習を止める(一回に5分~10分程度)

ワンちゃんもネコちゃんも、一度周りとうまくコミュニケーションがとれるようになったとしても、その後も練習しないと、練習前に戻ってしまうことがあります。継続して練習する事が大切です。

今回はここまでです。
・ワンちゃんは基礎訓練(「お座り」「伏せ」「待て」)ができる
・呼べばすぐ来る
・ケージやキャリーなどで落ち着いて過ごせる
については後日また「ちょっとしたお話」に載せさせていただきますね。

担当:動物看護師 柴田由起

2011年 11月 28日掲載
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