ファイザー主催セミナー「優しいワクチン物語」
10月24日に院内にてファイザー様主催のセミナーが開催されました。
飼い主様にも是非お伝えしたい情報が盛り沢山でしたので、今回はセミナーのまとめを書かせて頂きます。
1 ワクチンって何?
ワクチンとは、病気の原因となる病原体(ウイルスなど)を感染力がなくなるまで弱くしてお注射にしたものです。
2 ワクチンを接種すると何で予防になるの?
注射であえて病気の原因を体の中に入れることによって、その病気が本当に体の中に入った時に撃退できるしくみを体の中に作ります。病気と戦う「予行練習」をするという事です。
3 ワクチンは必ず接種しないといけないの?
狂犬病のワクチンについては法律で定められており、ワクチン接種と同時に地方に犬の登録をすることが義務づけられています。
混合ワクチンについては飼い主様の任意での接種になりますが、断然、接種することをオススメします。
なぜなら混合ワクチンで予防出来る病気はどれも重い症状で、すぐに亡くなってしまう確率が高いものばかりだからです。他のワンちゃんネコちゃんにも伝染させてしまう恐れのある病気もあります。
4 うちの子は室内犬だし、散歩もお外に出ないから大丈夫!
ワンちゃん・ネコちゃんはお外に出なくても、飼い主様はお買いものやお仕事に行かれたりしますよね。
その時に他のワンちゃん・ネコちゃんと触れ合う事があったり、ペットショップに行ったりすると思います。
また、他のワンちゃん・ネコちゃんの通り道を歩いているかもしれません。その時に靴の裏や服などにウイルスを着けて帰って来てしまっている可能性があるのです。
もし、そのままお家のワンちゃん・ネコちゃんを触ってしまったら…と思うと、お家から出ない子でもやっぱりワクチンは必要になるんです。
5 生まれたらにすぐにでもワクチン接種をしたほうがいいの?
生まれたばかりの仔犬ちゃん・仔猫ちゃんは病気から自分で身を守る力がありません。そのため、お母さんから初乳を通して移行抗体という病気をある程度ブロックできる免疫をもらいます。
生まれてからすぐにワクチン接種をしても、仔犬ちゃん・仔猫ちゃんの体はお母さんの抗体に守られているため、ワクチンの効果が期待できません。
だいたい生後50日頃から徐々に抗体が薄れていくと言われていますので、その時期からの接種をオススメします。ワクチン接種が終わるまではなるべく他の動物との接触やお散歩は我慢しましょうね^^
6 もう高齢だし、今までずっとワクチンをうってなかったけど…
高齢のワンちゃん・ネコちゃんの飼い主様で「体の負担になるかもしれないし、今までうたなくても病気をしなかったのだから今更ワクチンと言われても…」という考えをお持ちの方もみえます。
しかし、今更ではありません。人間と同じで、ワンちゃん・ネコちゃんも年を重ねるごとに身体の機能は低下します。
病気を防ぐ力、病気と戦う力も弱くなってしまいます。高齢になった今だからこそ、病気を防ぐためにワクチンの必要性がぐんと上がるんです!
7 ワクチンを接種する時の注意って?
まず、ワクチンをうつために必要なのは健康であることです。病気やケガをしているところにワクチンをうつとかえって体調を崩してしまうこともあります。
また、フィラリアなどの寄生虫が体内にいるとき、妊娠中のワンちゃん・ネコちゃんもなるべく避けた方が良いと言われています。
さらにワクチンによるアレルギーが存在します。ワクチン接種から4~18時間の間で顔が腫れてしまう症状(ムーンフェイス)が見られることがあります。
特に注意したいのがアナフィラキシーという急性のアレルギー症状です。大変稀ですが起きてしまうことがあります。一般的にワクチン接種直後から30分の間に過度の興奮・激しい嘔吐・虚脱・呼吸困難などが見られます。
しかし、発現後の早期処置をすることで大事に至ることはほぼ無いそうです。ワクチン接種後は普段よりもしっかりと様子を見てあげてください。
当院ではアレルギーの出やすい一部の犬種(プードル・ダックスなど)でアレルギー予防の事前注射を実施しています。
ワクチン接種をした日に他のワンちゃん・ネコちゃんとの接触や、激しい運動、遠くへの外出、シャンプーなども体調を崩す原因になるので控えた方が良いでしょう。
以上、ワクチンについてファイザー様のセミナーを元にまとめさせていただきました。
何かご不明な点があればお気軽にご相談ください。
正しい知識と理解をもって大事な家族の健康を守ってあげられると良いですね☆
担当:動物看護師 山下