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犬・猫・ペットの治療と予防│リリー動物病院

ワンちゃんの痴呆症状の対処法

前回はワンちゃんの痴呆予防のお話でしたが、今回は実際に痴呆症状が現れてしまったときの対処法についてです。
下に、いくつかの例を挙げます。

・夜鳴きをする場合
→まず見極めたいのが、体の痛みや寒さなど、本当に鳴く理由がないのかどうかです。もし思い当たることがあったら、できるだけ解決して不安を取り除いてあげましょう。
また、昼は目覚めて夜は熟睡するという形に体内時計を修正するのもポイントです。体内時計は日光にあたると調節できるので、日中は日向ぼっこやお散歩で運動させてあげると良いです。
また、鳴いているときに抱いてあげたり、少し外で歩かせてあげるのも効果があることがあるそうです。
また、DHAやGABAなどのサプリメントで改善した例もあります。
これらの方法を試してみてもダメな場合は鎮静剤などのお薬を使う方法もあります。これは慎重に使用しなくてはいけないので、いちどご相談ください。

・おもらしをする場合
→ボケから来たおもらしは叱っても効果は無く、しつけ直すのも難しいので、おもらしに対処する方法を考えることが必要です。
これがボケではなくトイレが近くなって間に合わずにおもらししてしまった場合は、トイレを寝床の近くに設置したり、タイミングを見てトイレに連れて行ったり、体を暖かく保つことで改善することもあります。
コントロールが難しい場合は紙おむつをはかせてあげて下さい。ワンちゃんの快適のため、紙おむつやペットシーツは、汚れたらすぐに取り替えてあげてください。

・クルクル回る、後退できない
→まずクルクル回る場合ですが、ものにぶつかってしまうと怪我の原因になるので、目を離すときはバスマットをつなぎ合わせた円形サークルに入れると、ぶつかってもクッション性があるので良いです。
また、隙間にはまって後退できない場合は、はまってしまいそうな家具の隙間を作らないということと、隙間をやわらかいものなどでバリケートすると良いです。

・異常に食べる
→脳の老化に伴って、満腹中枢が衰えたり、記憶力や時間の感覚が低下してきたりするために起こってきます。
ボケ症状による異常食欲の場合は、いつもよりも少し多めに食べさせても太ったり下痢しないというのが特徴ですが、食べ過ぎるとやはりあまり体には良くないので、ごはんを少量にして回数を増やしたり、低カロリーのおやつをあげるなどして、食べたい気持ちを満たしてあげてください。

・攻撃する
 →攻撃するようになるのは、体の衰えや不安感が原因となっている場合があるので、急に体に触れない、優しく声をかける、痛がる所に触れないなど、接し方を工夫してあげると改善することがあります。
また、心の癒しとして、アロマテラピーやお灸、Tタッチなどを試してみるのも良いと思います。

いかがでしょうか?
基本的には、これらの痴呆症状が現れてしまったとしても、慌てずに、明るく穏やかな気持ちでワンちゃんに接してあげることが大切といわれています。
ワンちゃんは、痴呆の状態を示していても、自分が飼い主さんにどのように扱われているかについて、とても敏感なんだそうです。

2011年 1月 03日掲載
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