飼い主様への病気の説明・・・なかなか難しいなぁ~・・・・
開業してからずっと思っている事の一つに、「飼い主様への言葉の重さ」があります。
実は二年くらい前にも、この事について書かせて頂きました。(インドのバッタチャリア先生の話をお出しして。)
小さい頃からずっと子供の様に飼ってこられた動物達ですが、10年くらい経つと 「気がついたら自分の年を越えていた!」と言う事がよくあります。
おそらく寿命から換算するのでしょうが、言い換えると、殆どの動物は加齢の速度が人間よりも早いと言う事なのですね。
例えば犬猫の場合、人間に例えると最初の一年は18歳から20歳で、その後一年毎に4~5才年を取ると言われています。
高齢になった動物達をお連れになった時、難治性疾患に罹っている場合が多く、その病気についてご説明していると、段々飼い主様のお顔の様子がお変わりになるのを感じます。
私達は、現時点の状態だけではなく、今後考えうる病態もご説明しなくてはなりません。
そういう時って必ず 「私達の仕事って、決して飼い主様を不安にさせる事じゃないんだけどな~・・・。」と思います。
なので「本当は言わない方が良いのかな~・・・。」と。
でも、もし病状が悪化して、そういう状態に陥った時に、「『何であの時言ってくれなかったの?!』と、飼い主様に言われてもよくないし・・・。」と思ったり・・・。
また診察の中で飼い主様から「ネットで調べたらこういう風に書いてあったんですけど・・・。」と説明よりも先に言われる場面もあったりで、今まで病気の説明で手抜きをしてきたつもりはないのですが 「これだけ情報過多になってる時代だからこそできるだけきちんとご説明しなくてはならない!」と思ったりもします。
後で一人になってじっくり考えてみると、「飼い主様の心配を助長させる様な事なんて、本当は言う必要ないんじゃない?!」と言う気持ちと 「でも、大事な子の事だから、深くいろいろお聞きになりたいと思ってらっしゃるよね・・・。」と言う気持ち、そして「こういうご時世だから、もしかしたら、実は自分自身の保身もあって、説明してるところがあるんじゃないのかな~・・・?!」と思ったり・・・。
実に回りくどいコラムになってしまいましたが、色んな面で未熟者の私だからこそ、「保身も何もない、ある意味本当に患者さんと飼い主様の事を考えながら、ご説明しなくてはならないな~・・・。」と、考えている今日この頃です。