「外耳炎」についてのお話
●耳がくさいのは普通じゃないの?
ある日の院内での会話です。
患者さん :
「うちの子、何だか最近、頭をよく振るんだよね~。」
スタッフ :
「あら、お耳が随分汚れてますね。匂いも少し気になったんじゃないですか?」
患者さん :
「え!? 耳がくさいのって普通じゃないの!?」
ワンちゃん、猫ちゃんでよく見られる病気の一つに外耳炎が上げられます。
この病気の場合、耳の汚れが酷くなる、痒がって掻いたり頭を振ったりする、赤くなってしまうといった症状が現れます。
匂いに関しては個人差がありますが、正常なお耳の子ではあまり「くさいなぁ…」とは感じないレベルだと思います。(私が鈍いのかもしれませんが…)
●外耳炎の原因は?
外耳炎の原因は細菌、真菌(カビ)、寄生虫、アレルギーと様々です。
寄生虫以外の原因では湿度、温度に影響されやすいので、梅雨時から夏場にかけて悪化がみられます。先程の子の場合は<マラセチア>という真菌が原因の外耳炎を起こしていた為に、真菌の出す発酵臭が匂いの原因になっていました。抗真菌剤とお耳のケアによる治療で、今ではすっかり匂いも汚れもなくなり、頭を振るしぐさもなくなりました。
外耳炎をあまり放置しておくと中耳炎、内耳炎、耳血腫(耳の皮膚に血液が溜まってしまう)などの病気に進行してしまう場合があります。あまり様子を見すぎずに、なるべく早めに受診してくださいね。